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【デマです】「本物のポール・マッカートニーは1966年に死亡 替え玉を使用?」――元ネタはジョークサイト

「ロシアの声」は不正確な情報を配信することが多いので取り扱い注意。

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 「本物のポール・マッカートニーは1966年に死亡 替え玉を使用?」――ロシア国営ラジオ局の日本語版サイト「ロシアの声」が3月4日に配信した記事がSNSで拡散されています。Facebookで約1万5000回、Twitterで約6000回ほどシェアされているのですが、この情報はデマです。


画像 「ロシアの声」

 「ポール死亡説」はそもそも1969年からある有名な都市伝説(参考:Wikipediaの項目)。アニメ「ザ・シンプソンズ」をはじめ、少なくないポップカルチャーがパロディにする“定番ネタ”だったのですが、それが2015年になって“真実味のある情報”として一部で受け取られているようです。

 「ロシアの声」が情報源としているのは、「Newswire」の3月3日付の記事。同サイトはユーザーが記事を投稿できるサイトで、信ぴょう性に欠ける情報も掲載されています。当該記事を執筆しているのは、過去に「ヒトラー生存説」などを扱った人物で、今回のポール死亡説では、根拠となるリンゴ・スターの発言「ポールが死んだとき、私たちはパニックに陥った(略)一時的な対処として、ビリー・キャンベルを雇うことを考えた」を、「World News Daily Report」の2月25日付の記事から、リンクを貼らずに引っ張ってきています。


画像 「World News Daily Report」

 そして、この「World News Daily Report」とは典型的な“嘘ニュースサイト”。3月2日には「ポール自身が疑惑に反論した」というネタ記事も配信しています。つまり、今回も当初はパロディの類だったのですが、別サイトを2つ経由することで“本物っぽい情報”にすり替わったようです。「ロシアの声」の記事には、「えええええ」「本当なの?」など困惑する声が多数寄せられています。


画像 「ロシアの声」デマ記事のシェア数(3月5日午後3時時点)

 なお、「ロシアの声」はこれまでに、「World News Daily Report」をジョークサイトと記すことなく、「怒り狂うシャチが日本人16人を食い殺す」「スミソニアン博物館、巨人族の存在の証拠公開へ」といったウソ記事を引用・翻訳しており(関連記事)、この他にも「カムチャッカ半島で4億年前の機械装置が見つかる」「磁気嵐で地球が闇に没する」などのデマを多数拡散しています。閲覧の際には注意してください。

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