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やしろあずきの調査―― 初対面の人とのコスプレ撮影って安全なの? 実際にカメコとレイヤーに聞いてみた(4/4 ページ)

最近、「撮影中にエロいポーズや格好を強制させられて、断る事ができず後々トラブルになった」とか聞きますよね。実際どうなの?

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結局、お互い気持ちよく撮影するためにはどうすればいいの?

 19時。10時からガッツリ9時間ほど、お昼休憩を少し挟んで後はほぼノンストップでの撮影が終わりました。

 この長丁場に流石にカメコもレイヤーもバテてると思いきや、なんか普通に2人とも元気です。むしろテンションが高い。

 考えてみれば僕も締切直前とか意味もなくハイになるし、それと同じ感じなのでしょうか。どちらにせよ終始笑顔が絶えずとても良い、そして安全な撮影だったと感じました。

 ですが、こういった良い撮影がある一方で悪質な事案が起こっているのも事実。

 トラブルを防ぎ楽しく撮影するためにはどういった心構えや工夫が必要なのか、撮影後の2人にあらためて聞いてみました。

「お疲れ様でした! めっちゃスムーズだったし、すごく楽しかった!」

「良かったです! 今回は良い写真も沢山撮れたので、個人的にも凄く満足です」

「私も撮りたい構図など全て撮ってもらえたし、来てよかったです!」

「平和な世界だ。今回2人の撮影をずっと見てて変なトラブルもなく、本当にお互い気持ちよく撮れてるって感じたんだけど、2人がこう、初対面の相手と撮影する際に気をつけている事とか意識している事ってどんな事があるの?」

「僕は本当にレイヤーさんに緊張感や不信感を与えないように、さっきの撮影みたくコミュニケーションを取って場を盛り上げながら撮影するようにしています。あ、コミュニケーションと言っても突然LINEを聞いたりとかそういう事はしないですね。最初の連絡はTwitterのDMだけで行います。変に距離を詰め過ぎる事とコミュニケーションは別なので」

「確かに、やりとりの最初で即行でLINE聞いてくる人はちょっと警戒しちゃうかもしれない」

「私は1回相手の事をよく知らないまま教えたら、1日に30回以上通話がかかってきた経験があります」

「怖すぎる」

「あと自分の場合は、撮ってあげてるという意識は捨ててレイヤーさんとお互いイーブンな関係性でいられるよう努めています」

「なるほど(めちゃくちゃ露骨にろくろ回してるな……)」

「なんか……コスプレ界ってカメラマン優位な雰囲気がちょっとあるんですよね。撮影してやってるんだから! みたいな……でも、それじゃ双方が納得できる良い写真は撮れないと思う。僕は本業もカメラ関係なんですが、プロのカメラマンほど女性に優しい人が多かったりします」

「確かに、ものすごい高圧的なカメラマンの方ってたまにいますね」

「コスプレ撮影って仕事じゃないし、お互いにお金を払ってやっている趣味なんだからそういう態度ではなく、一緒に頑張って良い写真を撮ろう! という気持ちでやってます。だから相手の人にも写真に関してもっとこう写るようにしたい、とかドンドン言ってほしいです。撮った写真がどう思われてるか分からないとやり辛いし」

「数枚撮り終わったあと、必ずレイヤーさんと撮った写真を確認してるもんね」

「私もあの時にちゃんと自分の感想を言うようにしてます。良い! という写真には素直にこれ最高です! って。微妙だ……って時は、流石にそのまま伝えはしませんが、もっとこういう感じで撮りたいですって言ってみたり」

「撮影の時に特に何も写真に対してリアクションせず、帰ってからネットに悪口を書かれるのが一番きついです」

「それは嫌だなぁ」

「あと、撮影したデータはなるべく早いうちに全て渡すようにしています。次の日とか」

「あれ? 加工とかはしないの?」

「しますけど、まず全部送りますね。その中から加工してほしいものを相手に選んでもらって、それを加工する……ってやり方にしてます」

「それ、すごくうれしいです。結構多いんですよね、撮影終わってからずっとデータをもらえずに、そのまま何年も……って方。こっちからは言い辛いし……」

「撮り逃げだ」

「レイヤーさんもまず写真を自分で全部確認したいですもんね、その辺はスムーズに進めていけるよう心がけています。撮影が終わったからって全部終わりじゃないですからね」

「何? そのポーズ」

撮影前に危険な人って判断できるの?

「お互いが気持ちよく撮影を進めるために必要な事はわかったんだけど、それでもやっぱり悪意を持ってレイヤーに接近する人ってのもいるんだよね? 前も言ってたようにTwitterとかを事前に見ることでそれってある程度判断できるものなの?」

「まあ、ある程度は。本当にヤバイ人なら検索すれば出ますけど、コソコソそういう悪行をしてる人とかなら察知はできると思います」

「具体的にはどこを見るの?」

「AV女優ばかりにリプ飛ばしてる人とかはやめます」

「ストレートすぎてめちゃくちゃ笑った」

「それは限定的すぎますけど、間違ってはいなくて。実際、ちょっと危ない人って同じレイヤーさんにずっとリプを送り続けてたりする人多いんですよね。リプ内容もちょっとアレな事とか多くて……。レイヤーさんって基本的に一般人ですからね」

「なるほど、そういった意味ではタイムラインを見ればある程度相手の人格とか、常識は分かるのかもしれない」

「やしろさんなんかモロに分かりますからね、ハハハ」

「なんだお前」

「あとは、ちゃんと撮った作品はアップしてるのかなーとか」

「そうですね、その人がどんな感じの写真を撮るかとかもそこで分かるので。昔から色んな人に撮影させてもらえませんか? って声をかけているのにその人が撮った写真が全く見当たらなかったりすると、ちょっと危ない可能性もあります」

「撮影をエサに実際はただのナンパ目的だったりするって事か」

「実際に撮ってもらう事になってからいきなり態度を変える人も難しいかな……。Twitter上では丁寧なんですけど、いざDMで当日の予定を合わせる段階になると急にタメ口になったり……」

「出た! 彼氏面!」

「そういう人は会うと大抵距離感がおかしかったりしますよね……。撮影の約束を取り付けたってだけで自分が特別な関係になったと思い込んだり、それこそさっき言ったカメコ優位の雰囲気というか、唐突に偉そうになったり……そういう話はよく聞きます」

「やっぱりお互い対等な関係で、紳士に振舞ってくれる方が信頼できますね」

「なるほど……おっと、もうスタジオが閉まっちゃいますね。では最後に、最近のコスプレ界に関して言いたい事を一言ずつどうぞ!」

「コスプレ撮影はカメコ、レイヤー協力しての作品作りなので出会いの場所ではないです。良い写真を撮るためお互いが相手を思いやって、協力して二人で一つの作品を仕上げていく……そういう意識で活動すれば、きっと良いカメラマン、レイヤーさんと巡り会えますし、楽しくやっていけると思います。カメラはナンパの道具じゃなく、作品作りのための道具です」

「名言だ」

「撮影はデートではないです。お互い距離を詰めすぎず、作品作りというテイストを崩さずに撮影に臨めば不要なトラブルは避けれると思います。あと、本当に悪質な人がいたり、酷い事を言われたりした時は、自分だけで抱え込まずに周囲にドンドン助けを求めていいと思います。誰にも言わなかったら更につけ上がって被害者も増えてしまうと思うので……」

「そのポーズ流行ってるの?」

まとめ

 丸一日スタジオでの撮影に密着して、コス撮影はルールを守り互いに尊重し合って行えばとても楽しく安全なものだという事がよく分かりました。

 ただ、やはり初対面の異性と撮影となるとトラブルが起きる可能性も無きにしもあらず、2人が言っていたような事前の調査やお互いの望む撮影の方向性についてしっかり話し合っておく事で、無用なトラブルは避けることができるのではないかと感じました。

 コスプレイヤー、カメラマンさんたちが快適で楽しい撮影ライフを送れることを願っています!

 お互い満足できる撮影を終え、固い握手をする2人。また来月撮影するそうです。

 ちなみに、コスプレ界隈ではあるあるのアフター(撮影後の食事とか)にもお邪魔してもうちょっとだけ話を聞いてきました。

 もう既にiPadに今日撮影したデータを写して見せていた。出来るカメコ。

「そういえば、僕がこの取材をするキッカケになった、撮影すると言ってレイヤーさんをラブホに連れて行くみたいな事案ってマジで結構ある事なの?」

「うーん、結構そういう誘われ方をした……って愚痴ってる人はいますからね……。まあ、それは断れば良い話だとも思いますが。ラブホって今結構内装凝ってるところ多くて、それで釣られちゃう人とかもいるのかなー」

「だとしても絶対スタジオのほうが良いですって! それはついて行っちゃう子にも少しは問題がある気がする……」

「そうですね、ていうかラブホって全然撮影向きじゃないんですよー。照明とかが変に邪魔で全く良い写真が撮れないんですよ!! アッハッハ!!」

「え? ラブホで撮影した事あんの?」

「えっ?」

「……」

「……」

 終わります。

※彼女と行ったらしいです。何を撮ったんだよ。

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