トランプ政権、トランスジェンダーの生徒の保護に関する指針を撤回
トランスジェンダーの生徒が自認する性別のトイレを使えるようにするといったことを定めた指針が撤回されました。
2016年5月にアメリカで発表されたトランスジェンダーの生徒の保護に関する指針を、トランプ政権が撤回しました。
この指針は教育省と司法省によるもので、トランスジェンダー(自身が認識している自分の性別と、生まれたときの身体的な性別が異なる人)の生徒の教育記録の扱い方や、嫌がらせへの対処法などを記しています。例えばトイレや更衣室について、トランスジェンダーの生徒が自身が認識する性別に合ったほうを使えるようにしなければならないとしています(関連記事)。
トランプ政権の下、教育省と司法省は2月22日にこの指針を撤回すると発表。「われわれにはすべての生徒を保護し、安全で信頼できる環境で学ぶ自由を保証する責任がある」としつつも、この問題は州や地方自治体のレベルで解決するのが最善であると述べています。この指針は法的な問題があるとして13州から訴訟を起こされ、8月に停止されているため、ただちに生徒に影響はないとも両省は主張しています。
この決定を受けて、米国自由人権協会は「指針の撤回は無意味」「これによりトランスジェンダーの生徒への保護が取り消されるわけではない」とし、トランスジェンダーの若者の権利と尊厳のために戦い続けるとコメントしています。
また歌手のビヨンセは、「LGBTQの生徒には私達が応援していると知ってほしい」と支援ページへのリンクをFacebookに投稿。またこの件についてGoogleの親会社Alphabetは「当社は全ての人に平等な権利と処遇を与える政策を支持してきた。トランスジェンダーの生徒の権利の縮小を目にして深く懸念している」、Appleは「トランスジェンダーの生徒の権利と保護を制限したり、無効にするあらゆる取り組みに反対する」とメディアにコメントを寄せています。
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