TBS・ビビット「取材手法に不適切な点があった」 ホームレス取材問題でヤラセ演出認め謝罪
ホームレスの男性を「犬男爵」「人間の皮をかぶった化物」などとイラスト付きで紹介。
TBSの情報番組「白熱ライブ ビビット」が3月3日、1月31日に放送した多摩川で生活するホームレス問題について「取材した男性を傷つける表現や取材手法に不適切な点があった」と放送中に謝罪。公式サイトに詳しい経緯を掲載した。
番組の終盤、9時45分ごろに吉田明世アナウンサーが「ここで番組から視聴者の皆さまにお伝えすべきことがあります」と切り出した。
吉田アナウンサーは「私たちの番組では1月31日に多摩川で生活しているホームレス問題を取り上げました。この放送について、ホームレスの方々に対する差別や偏見を招くものであったという厳しいご指摘をいただきました。放送内容と制作過程をあらためて検証し、取材した男性を傷つける表現や取材手法に不適切な点があったと考えます。番組のホームページにも詳しく記載しています。このような放送をしたことについて、視聴者の方々、関係者の方々、そして何より取材を受けていただいた方々に深くおわび申し上げます。いただいたご指摘をしっかりと受け止めてこうしたことが再び起きないように努めてまいります」と謝罪。約5秒間に渡って頭を下げた。
公式サイトに掲載されたおわびによると、番組は多摩川河川敷で犬の多頭飼育をしているホームレスのA氏について「犬男爵」と呼んだり、別の男性B氏についてのインタビューでの発言を引用し、イラストとともに「人間の皮をかぶった化物」と呼ぶなどの点を不適切な表現と認識。B氏へのカメラインタビューについては本人の承諾を得ずに撮影されたものであることについても認め、不適切な取材手法であったとしている。
さらに放送後、上智大学教授で元日本テレビ「NNNドキュメント」のディレクター・水島宏明氏がYahoo!ニュース上で「TBS『ビビット』にヤラセを頼まれた」とホームレス男性が証言との記事を掲載したことをきっかけに持ち上がっていた「ヤラセ演出」についても、ディレクターが撮影前日にA氏に対して「『お前らここで何やってるんだ』と言いながら歩いてきてほしい」と伝えたと認めている。
TBSは過去にも2016年6月19日に放送したバラエティー番組「珍種目No.1は誰だ!?ピラミッド・ダービー」でも捏造疑惑が持ち上がり、BPO審議入り。BPOが「放送倫理違反と判断する」との意見書を公開していた。
(Kikka)
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