VRでホストクラブ体験ができる「うちホス」をガチのホス狂に遊んでもらった結果

　こんにちは、ダメウーマンのねとらぼライター・大原です。突然ですが、地球上に男は何人いるでしょうか。そう、35億。では、さらに突然ですが、全国にホストは何人いるでしょうか。なんと、約1万3000人です。この人数は、ホストクラブ情報を扱う「ほすほす」という有名なサイトに登録されているだけの人数なので、実際にはもっといるかもしれません。

　ホストというと、煌びやかな場所で、色恋とお金の等価交換をしながら生きているイメージ。そしてそのホストに会いにホストクラブへ遊びに行くなんて、お金も勇気も足りないわたしには、怖いもの見たさはあるものの、かなりハードルの高い世界です。そんなある日、VRでホストクラブを疑似体験できる「うちホス」というサービスがリリースされたという情報を目にしました。最近のVR、マジなんでもあるな……！

　この「うちホス」は、“安心して楽しめるVRホストクラブ”というコンセプトのもと、実在する歌舞伎町のホストクラブ「superstar」が企画開発したもの。実際に在籍しているホストの方々とともに、甘いひとときを過ごせるVRです。

　早速体験していきたいのですが、わたし1人だと「すごい、やばい、すごい」という素人感丸出しな感想しか出てこなさそうなので、今回は特別ゲストとして、ホス狂（ホスト狂い）歴10年のナミさんとサラさんを呼んで一緒に体験してもらうことにします。ナミさんは年収240万円の保育士、サラさんは年収400万円の高校教師です。

お二人は、いわゆる昼職（キャバクラなどの夜職に対して会社員などを表す）ですよね。ホストクラブってすごくお金がかかるイメージなんですが、通えるんでしょうか。

全然通えますよ！　シャンパンを無理に入れなかったら月に5万くらいのイメージ。それで、ボーナスのときは、ウェーイ！　って使います。

それは意外です！　では、ホストクラブに使った月の最高額はいくらだったんですか？

最高額は70万くらいかなー。

担当のバースデーでサプライズをしたことがあって、その時が100万くらいかな。貯金を使ってシャンパンタワーをしてあげました！

（めちゃくちゃ使っているじゃん……）よく、ホストクラブにハマった女性が、キャバクラをはじめたり、風俗やAVなどをはじめたりといった話も聞きますが、お二人はいかがでしたか？

うちらは真面目だったから、キャバクラでちょっとバイトしたくらいで終わったよね。今はお互い夜は上がった（夜＝夜職、上がる＝辞める）し。

そうなんですね。お二人がホストクラブに通うようになったきっかけはなんだったんでしょうか？

わたしの友達が通っていて、誘われたからですね。

わたしは、ナミに誘われたから（笑）。友達と行ってそれぞれ担当ホストを付けることを相伴（あいばん）っていうんですが、仲の良い子と相伴するとめちゃくちゃ楽しいの！

楽しいね。お互い「シャンパンいれないの？」って煽り合ったりして。

でも、相伴できるのは男のタイプが絶対にかぶらないからだよね。かぶってたら、絶対無理！

なるほど。では、お二人のタイプの男性はどんな方ですか？

目がぱっちりしている、THEイケメンが好き！（笑）

ナミはそうだよね（笑）。わたしは、頭悪そうな顔で、昔ヤンチャしていました！　みたいな人がタイプかな。

お二人とも、ホストクラブ歴10年らしいのですが、そこまで通い続けるホストクラブの魅力はなんですか？

お金さえ払えば、後腐れなく好き勝手できるところかな。

職場の飲み会とか、合コンとかって、言っちゃいけないこともあるし、気を使わなきゃいけないしで、結局楽しめない。でも、ホストクラブならやりたい放題でも許される。それが楽しいの。

やりたい放題って、例えばどんなことですか？

うちらは割と大騒ぎしているよね（笑）。酔っぱらって、お店の中でホストを巻き込んでかくれんぼをはじめたり（笑）。

笑い話もたくさんあるけど、ホストクラブっぽい話だと、担当をトイレに連れ込んでイチャイチャしたことかな（笑）。

エレチュー（エレベーターでのキス）も毎回必ずだしね。サラと同じエレベーターで、お互いが担当とキスし合うの。

す、すごい世界だ……。ホストクラブの世界だと怖い話も聞いたりするのですが、お二人はご経験ありますか？

サラが、被り（担当が一緒）の子に、歌舞伎町中追いかけ回されたことがあったよね！

あった！　あれは本当に怖かったー！

い、いろいろ大変なんですね……。

　――と若干わたしが引いたところで、ようやく「うちホス」の体験です。二人のコメントとともにお送りいたします。

ホス狂が「うちホス」を体験してみた

担当より、まわりの客見ちゃうねこれ！　リアルと一緒だ（笑）。

分かる！　他の客が自分よりブスだとうれしいよねー！

あ、この人かわいいな！　キャバ嬢だな、多分。キャバ嬢乙。

待って！　めっちゃイチャイチャしてるおばさんいるんだけど（笑）。これ気になって担当との会話全然入ってこないよ！（笑）

わー！　オールコール（店内のホスト全員でするシャンパンコール）懐かしいなー！　さっきのおばさんオンリー（シャンパンコールなどで担当が行ってしまい一人になること）になってる！　ざまあ！（笑）

このスイーツルーム超かわいいじゃん！

うん、かわいいー！　テンション上がるね、この部屋！

これで一通り終了なんですが、初めてのVRホストクラブは、いかがでしたか？

面白い体験だったけど、でもリアルじゃないよね。

そうだね。現実は、あんなにキラキラしてないよね。VRの中だと「（シャンパンタワーを）プレゼントするよ」って言っていたけど、現実は「シャンパンタワーいける？　いくら出せる？」みたいなシビアなお金の話があるからね。

でも、やっぱりそういう煽りも含めてリアルなホストクラブのほうがいいなー！

わたしも！　ホストクラブ行きたくなってきたー！

やばい、ホストクラブ熱を上げてしまったようだ……。

VRと本物、どっちの方がスゴいのか？

　ということで、せっかくなので「うちホス」に出てきたホストたちに会いに「superstar」へ行くことにしました。ホストクラブは座るだけで数万円かかるイメージですが、「初回料金」というシステムがあり、初めての入店だとどこのお店も～5000円くらいで楽しめます。ちなみに、「superstar」さんは、90分3000円！　お金の心配をしなくて済むのはうれしいけど、怖いよー！

　エレベーターを降りると、皆さまでお出迎えしてくれました。すごい、さっきVRで見たやつだ！

　ホストクラブでは、最終的には指名するホストを決めるのですが、店内で気に入った人を指名する「場内指名」と、在籍するホストの写真をまとめた「男本（おとこぼん）」というものから選ぶ「写真指名」という方法があります。男性を品定めすることなんて日常ではないから、このシステムやばいな……！　と思いつつ、せっかくなので「写真指名」をしてみました。わたしは伊織さん、ナミさんとサラさんはそれぞれつばきさん、優さんです。

　まずはわたしが伊織さんに、通常と同じように接客していただきました。席に着いたら、まずは名刺を頂戴します。会社みたい！

普段、お客さんとはどんなお話をされるんですか？

俺の接客ってどうなんだろね。でも、下ネタばっかだよ（笑）。

まじか……。

あとは、俺は大人だからこんな感じで情熱を表現したり……。

（うわあああああ）すみません、もう大丈夫です、ありがとうございます、ごちそうさまでした。

　3分くらいでSAN値がガリガリ削られて限界が来ました。取材後に写真を振り返っても、困った顔か、カメラマンさんに助けを求めている写真しかなかった……。伊織さん、本当にイケメンだったのですが、わたしの経験値では戦えなかったです。これだけだと全く魅力が伝わらないと思うので、ナミさんとサラさんの、本来のホストクラブの楽しみ方も見てみましょう。

（耳元で）ナミちゃん、すごくかわいいね。100回ナミって名前を呼んであげたいな。

えへへ、ありがとう。うれしい！

ナミちゃんの好きなタイプはどんな人なの？

いっぱいしゃべってくれる人かな。

ボクのことだね！　ありがとう、うれしいよ。

えへへへへへ……！

サラちゃんはさ、持ち物とか見ているとかわいいものが好きなんだね。

そうなのー！

きっと性格もかわいいんだろうね！

デレデレ系だよ～。優くんほんとかっこいい～。

ありがとう！　俺もサラちゃんのこと、すごくタイプだよ。

　一瞬でSAN値が削られてしまったわたしに対して、二人はとても楽しそう。撮影が終わるギリギリまで、とても楽しそうに話していました。

　そしてなんと、「superstar」さんの計らいで、通常だと最低でも5万円のシャンパンを注文しなくては見ることが出来ないシャンパンコールも最後に見せていただきました。シャンパンコールと言えば、ホストの醍醐味じゃないか！　わたしは、先ほどのダメージを引っ張っているため、すでに何回もシャンパンコールの経験のある、ナミさんとサラさんに体験してもらいました。

　シャンパンコールは各店でオリジナルのものがあるそうで、他にもさまざまなバージョンがあるようですが、今回見せてもらったバージョンは、手でハートを作ったりするかわいいものでした。ちなみに、シャンパンコールは途中でお客さんからホスト、そしてホストからお客さんに一言をマイクで言う場面があるのですが、「王子がかっこいいので、シャンパン入れちゃいました」「姫との出会いに感謝します」と言っていました。王子……？　姫……？

　わたしは外から見学していましたが、一気にまわりの温度が上がったような気がするほどの熱気でした。すごい、確かにテンション上がる！　ちなみに、「superstar」さん、先ほど初回料金は90分3000円というのはご紹介しましたが、初回料金にプラス2000円すれば、このシャンパンコールも体験できるとのことです。ホストの醍醐味が初回から楽しめるのは、いいシステム。しかも、「superstarのシャンパンコールは、担当のいるホストクラブよりも楽しい」とナミさんとサラさんのお墨付きもいただきました。

　最後に二人に、「うちホス」とリアルホストクラブどっちが楽しかったか聞いたのですが、元気よく「やっぱりリアル最高！　ホスト最高！」となっていたので、この比較記事での結果は、リアルホストクラブに軍配が上がりました。そしてわたしが「取材終了です！」と言っても、まだお互いの担当と話し続ける二人。「また会いたいから、連絡先教えてよ」と言われ、LINE交換までしていました。すごい。ちなみに、わたしは伊織さんと当たり前に何もございませんでした。というか、もうまともにしゃべれない。

　そしてこの後、テンションが上がったナミさんとサラさんは、歌舞伎町の奥にある、担当のいるホストクラブへと消えていきました……。対してわたしは、死んだ魚の目をしながら歌舞伎町を後にしました。おつかれさまでした。

　わたしのような人間でも、「うちホス」は“安心して楽しめる”ので、興味がある方は初めてのホスト体験をお家で楽しんでみてはいかがでしょうか？　ちなみに思ったよりも「うちホス」が楽しくて、リアルホストクラブへ行ってしまい、その後はまってしまっても、わたしとねとらぼは責任は負えませんので、くれぐれもお気を付けくださいね……。