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「私、ろりこんなんだと思います」 止まらないドキドキ“おねロリ”に目覚めた女子高生・野間みみかの迷走あのキャラに花束を

小学生の貴女(柚子森さん)が好きです!

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 「おねロリ」。お姉さんと幼い少女のカップリングのことです。年の差のある外見がかわいらしく、同時にそのギャップに悩みもある。実においしいぞ!

江島絵理「柚子森さん」ネットでものすごい話題になっている、女子高生×小学生のラブコメディー

 今ホットな「おねロリ」(正確には「ロリおね」)マンガが「柚子森さん」やわらかスピリッツで連載されており、開始早々Twitterや掲示板で瞬く間に広まりました。単行本1巻は発売後すぐに重版。「「やわらかスピリッツ」のユニークユーザーが1.5倍にまで激増した」そうですが、まじですか!?

人を狂わせる美少女、柚子森さん

 高校2年生の野間みみかが、小学生の柚子森楓(ゆずもり・かえで)に一目惚れした所から物語はスタート。みみかいわく「世界がホワイトアウトして、その女の子しか見えなくなった」というのだから、相当なものです。

みみかさん、小学生に突然それは、さすがに不審者すぎるよ(1巻P7)

 柚子森さんの魅力が怒涛のように、みみかを襲ってきます。何よりまず外見の美しさ。きゃしゃな体躯、サラサラの髪の毛、凛とした顔。ああ、少女美の極み。

アイスを食べる柚子森さん(みみか視点)ああ、美しい……尊い……(1巻P46)

 まつげが長くて、肌が白くて、肩がちいさくて、身体もなんだか薄くて、ランドセルがよく似合う(みみか談)。

 みみかはテンパり気味に柚子森さんに接触。一方柚子森さんは性格なのか、自然とみみかをリード。手を自分から握ったりしてくるもんだから、みみかさんヒートアップ。声にならない声で、絶叫。感謝、感謝! あなたが目の前にいることに感謝!

ああっ柚子森さんが手を、ナチュラルに手を、白い柔らかい手をッッッ!!(1巻P30)
大人びたおしゃれをしたでも子供っぽい柚子森さん!!! ありがとうございますありがとうございます!!!(1巻P55)

 柚子森さんは常に大人っぽくてしっかりしている。それでいてところどころ年相応に幼い。このバランスが、みみかの心を狂わせていきます。

 基本的にみみかは柚子森さんに対して常に敬語。「さん」付け。基本的に彼女を格上の存在として行動していました。序盤は崇拝に近いです。

 しかし、柚子森さんのことを、次第に「いやらしい目」で見ていることに気づいてしまいます。見たい、触れたい、キスをしたい、

胸を見て、首筋を見て、指を見て。みみか、興奮がおさえられなくなる……(1巻P62)

 「ロリコンを殺すシチュエーション」ベストテンにランクインすると思われる、ボタンの掛け違い直し。お姉さんと小学生なら、別にそんなおかしなことじゃない、とみみかも考えていた。でもどうしよう、指が震えて止まらない。外した時に胸が見えて、心臓がバクバク、呼吸がおかしくなる。

 「私……私は……柚子森さんと一緒にいちゃいけない人間なのかな」

 「この気持はちゃんと隠しておかなきゃいけない。柚子森さんにも、社会にも……」

 これは恋なのでしょうか。ただの「ろりこん」なのでしょうか。

野間みみかの憂鬱

 柚子森さんのそばに、少しでも一緒にいたい!というおさえられない激情。たまに口から「柚子森さんかわいいです!」と漏れて、だらしないにやけ顔になる時も。

 でもそれはなるべく出してはいけない、と必死にブレーキをかける。自分は「気持ち悪くなっている」という自覚はある。気を引き締めます。

 1巻のみみかは本当に挙動不審なろりこんお姉さん。彼女がそもそも裏表のないド正直な子なので、感情と欲望を隠せない。

 2巻に入ると、みみかの苦しみが笑えなくなってきます。手を出してしまいそう。キスしたらだめなことは分かる。でも「小学生を好きになる」ことは、ダメなんだろうか。

柚子森さんは、抱きしめてくれた。好きだ(2巻P17)

 「これは私の「好き」なんだ。どうしよう。このまま胸に閉じ込めていたら、きっと破裂して死んでしまう。」

 「好き」に貴賤はないはず。でもそれに身を任せた瞬間、崩壊するものはあります。精神的にも、法律的にも。年齢差ゆえの我慢は「おねロリ」ものの、大きすぎるポイントです。年上の「好き」と年下の「好き」は、価値観が異なります。

あなたのことが好き、友達よりも好き

 2巻後半からのみみかと柚子森さんの告白シーンは、急に次ぐ急展開。みみかは、絶対だめだと思っているのに「好き」の気持ちが止められなくて、心のダムはあっさり決壊してしまいます。

感情ダム決壊。隠せないものってあるんだよ(2巻P69)

 最大の難関はやっぱり、年齢差。同じ時に生まれればよかったのに……なんて思いたいところですが、いやいやそうじゃないんだよ。

 小学生の柚子森さんの美しさにときめいたのは、目をそらしてはいけない事実です。「年齢なんて関係ない」とか言うのはうそです

 ぐさりと刺さる、避けようのない「ろりこん」の語。

「ろりこん」の言葉に、立ち向かうことになったみみか(2巻P106)

 引用したページを見ていただけると分かるのですが、みみかは「好き」がさく裂しちゃってからは余裕ができたというか、心がなだらかになっていきます。彼女がどう弁明したのかは、読んでください、ぜひ!

 野間みみかは、確かにおっちょこちょいだし、友人には犬だと心配される子。けれども、ものすごく心がタフで、感受性豊かです。1巻で柚子森さんに、小学生の時にしていた遊びを紹介します。それは泥団子づくりと、福笑い的な落書き。

 彼女自分の過去を照れない。「好き」だったことに対しては、なんのためらいも持っていません。自信がないように見えて、自分の感覚をかなり強く信じています。

 柚子森さんへの思いは、今まで経験したことがないけれども、ちゃんと「好き」だと確信できています。それってすごいこと。自分にうそをついていないということ。

 このマンガはみみかの、一生懸命な暴走も苦しみも欲情も、ハイテンションに、かつ誠実に描いています。思い込みは激しいです。行動は大げさです。頑張ってブレーキ踏んでます。だから彼女の発言、全部信じてあげたくなる。作品自体が「ろりこん」の在り方論になっています。

 みみかが絶対ぶれないから、きっと幸せになるよ!……という確信はあるのですが、その前に「かわいいの権化」な柚子森さんの姿に、みみかの心臓が破裂してしまう可能性大なので、お体にはお気を付けて。

お姉さんと少女、なんて演じなくても、いいんだよ(1巻P49)

(C)Eri Ejima / Shogakukan 2012-2017.

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