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「会社の食堂+社会の食堂」がコンセプトの「社食堂」 スタッフの健康管理と社会の健康管理を

社員の食堂であり、お客さんに向けた食堂でもあります。

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 東京都渋谷区大山町にある「SUPPOSE DESIGN OFFICE(サポーズデザインオフィス)」。建築家の谷尻誠さんと吉田愛さん率いる建築設計事務所だが、ここにはもう一つの顔がある。それは「社食堂」。社員食堂であり、一般の客も足を運べる飲食店でもあるのだ。

シンプルなデザインの入り口

 入り口から中をのぞくと、目の前に見えるのは美しい写真、そして目線を下方にやると半地下のフロアに厨房らしきものが見える。なんだか不思議な空間だ。吸い込まれるように降りていくと、

入り口からの風景
半地下のフロアはシャレたキッチンスタジオのよう

 明るく開放的スペースが広がり、心地いい空気が漂っている。

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店内中央に位置する厨房

 厨房の左側はテーブル席が並び、お昼前というのに客が座ってオーダーの品を待っていた。

ウッドとアイアンのテーブルやイスがランダムに置かれた飲食スペース

 社員だけでなく一般の方も、食事ができる場所「社食堂」。肝心の社員はどこにいるのだろうか……。そんな疑問が浮上してきたが、まずは店内を物色してみた。

ブックディレクターBACH幅さんの選書がずらりと並ぶ

 入り口付近の壁は建築関係などの書籍が並ぶライブラリー。その前の小さなテーブルには売り物らしいものが置かれていた。

中央に置かれたグリーンがアクセントになった販売コーナー
オリジナル商品「kata」のS字フックなどの小物、広島県の伊都岐珈琲によるオリジナルブレンド産のコーヒー豆
器の販売もしかりだが、広島県産のレモンも販売している

 続いて、厨房の反対側に行ってみようとカウンターの方に振り向くと、上方につるされたエアープランツが目にとまった。バサッとぶら下がった無防備な姿。しかしそれが、厨房のワンポイントとなっているのだ。さすが建築事務所、空間作りのプロ。

エアープランツを飾ることで厨房にクリーンなイメージをプラス

 カウンター上には今日のおそうざいと思われる小皿が並び、社食らしい光景が。

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彩りが美しい浅漬け

 カウンターの向こうにはベンチシートがあり、ゆったりできそう。席につくと、オフィスが見えた。このフロアにオフィスと食堂が同居していたのだ。意外な間取りが面白い。

壁には写真家・若木信吾さんの作品が飾られている

 なぜこんな社食堂をオープンしたのだろうか。代表取締役の谷尻誠さんに話を聞くと、スタッフの健康をケアしたかったから社食を作りたいと考えていたところ、なんならいろんな人も食べに来ることができたらいいのでは、というアイデアが加わり「社食堂」として誕生したそうだ。「スタッフの健康管理と社会の健康管理ができたらいいなと思ったんですね」と谷尻さん。

建築家でもある谷尻誠さん

 メニューについては、「ここは、おかん料理がコンセプト。肉または魚の日替わり定食がメインで、あとカレーと丼ものがあります。ちょっと手の込んだ家庭料理を用意しています」とのこと。ここはあくまでも食堂。豊富なメニューがそろうレストランではないと言う。

シンプルで分かりやすいメニュー

 正午を過ぎ、一般の客も続々と入ってきたころ、奥の席に座る社員にも動きが。トレーに乗った定食を持って、ダイニングテーブルや外のテーブルに座りおいしそうにご飯を食べはじめた。

各自好きな場所でランチをとる社員のみなさん

 筆者も日替わり定食を注文してみた。食材はできるだけ谷尻さんの出身である広島のものを使用している。運ばれて来た御膳から魚を一口食べると、素材の味がしっかりと出ている。家庭料理に近いが、ちょっとセンスよく仕立てた味わいがオシャレ。

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魚の日替わり定食

 また、建築設計事務所だけあって、空間全体が洗練されている。この中に置かれている一輪刺しなどのオリジナルインテリアをはじめ、テーブルやイス、グリーンなど書籍以外のものは購入することができる。また、飾られている写真は定期的に替わるので、食堂でありながらギャラリースペースも兼ねているという。

 「始まってまだ1カ月。これから育てていけたらいいなと思っています」と谷尻さん。数カ月後には、また新しい顔が生まれているかもしれない、そんなフレキシブルな存在が社食堂のようだ。

社食堂

東京都渋谷区大山町18-23

10時~21時(食事は11時から)

日曜定休

(茂木宏美/LOCOMO&COMO)

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社員食堂 | 建築 | 料理 | インテリア

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