糖尿病と闘う高校生を支える介護犬、 おそろいのガウンで卒業式に出席
介護犬と共に過ごした楽しい高校生活が無事に終了。
米アーカンソー州に住む病気の少年、テイラー・マククリーディ君が支える介護犬シナトラとともに高校を卒業したニュースが、たくさんの人を感動させています。
テイラー君が患っているのは、自己免疫性疾患が原因の1型糖尿病(肥満など生活習慣が原因の2型とは異なるタイプ)。すい臓から分泌されるインスリンが極度に低下するか全く分泌されないため、血糖値が上がり高血糖になりやすくなります。高血糖になると昏睡状態を招き、危険な状態になるため、インスリンを注射して対処します。シナトラは、血糖値の上下を察知して人に知らせることができる「糖尿病予知犬」とも呼ばれる介護犬なのです。
テイラー君がシナトラとの出会ったのは3年前。それまでは、病気のことでとても落ち込んでいて、友達ともうまく付き合えず、ときには自殺することさえ考えたそうです。しかしシナトラと一緒に学校に通うようになってから、彼の人生は大きく変わりました。シナトラのおかげで体調が安定し、笑顔で過ごせるようになったのです。友達もたくさんできて、彼とシナトラの周りには自然と人が集まるようになりました。
シナトラは常にテイラー君と一緒に行動し、血糖値の急激な変化をかぎとると、すぐに知らせてくれます。血液を採取して血糖値を測る機械もあるのですが、シナトラが察知する方が素早く的確なのだそうです。シナトラによって、テイラー君は何度も窮地を救われました。
卒業式前の一大イベント、プロムにもテイラー君とシナトラはそろって参加。シナトラは蝶ネクタイを付けてドレスアップし、紳士として立派にガールフレンドのエスコートを手伝いました。
先日、彼が通う高校では卒業式が行われました。もちろんシナトラも一緒に参加。テイラー君が作ったおそろいのガウンと帽子を身に着けて、卒業証書授与式に堂々と参列しています。
テイラー君とシナトラの卒業式の様子はニュースは地元のテレビ局THV11で報道され、大きく話題になりました。
テイラー君はテレビ局のインタビューに対してこのようにコメントしています。「僕たちのストーリーが広まることで、糖尿病の恐ろしさを伝えていければ。これからもシナトラと一緒に病気と闘っていくつもりです。シナトラは唯一無二の親友なんだ」
この秋から彼はフロリダの大学に通う予定。もちろんシナトラも一緒です。新たな場所で楽しいキャンパスライフが、テイラー君とシナトラを待ち受けていることでしょう。日本ではあまり浸透していない糖尿病予知犬ですが、アメリカでは各地で研究が進められ、訓練を受けた多くの犬たちが活躍しています。将来、日本にも広まるといいですね。
画像提供:Tyler and Sinatra - Fighting the War against T1Dさん
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