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「Ingressが好きすぎる沖縄そば屋」がついにポータル認定 2年半越しの申請実る 店主「最初はGPSが狂ったと思った」

「ポケモンGO」が人気の一方、エージェントたちの日常は今も続いている。

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 「Ingressぜんざい」や「Ingressそば」など、ゲーム「Ingress」をモチーフに斬新なメニューを開発してきた料理店「米八そば」(沖縄県沖縄市)。エージェントたちの間ではちょっとした有名店だが、このたび店主にとって2年半以上待ち焦がれていた出来事が起こった。「米八そば」がめでたく「ポータル」に認定されたのだ。

ポータルになった米八そば(店主のTwitterより
エージェントらで有名な「Ingressぜんざい」

 「めちゃくちゃうれしかったですよ。もう言葉では言い表せないくらい」

 ポータル化の感想を尋ねると、店主の永山賀朗さん(37歳)は声を弾ませた。

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 Ingressにハマり始めたのは2014年夏。好きが高じて、ポータルからエキゾチック・マター(XM)があふれる様子をかき氷の形で再現した「Ingressぜんざい」(関連記事)、沖縄そばのスープの色を青または緑にした「Ingressそば」(関連記事)など、奇抜な沖縄料理を生み出してしまう。

スープがエージェントたちのチームカラーに染まってしまった「Ingressぜんざい」

 その間、お店をポータル化してもらうよう運営側に申請し続けたが、いくらやっても審査に通らない。友人に加勢を頼んでも弾かれる。逆にIngressにまったく興味のない近所のカレー屋さんがある日ポータル化されており、なぜだと悔しい思いもした。

 2015年9月、運営の負担増加に伴いポータルの申請制度が停止される。もうポータル化することはないかもとあきらめかけていた。しかしIngressのデータベースを利用した「ポケモンGO」の人気をきっかけに、2016年11月、新たなポータルの審査制度(βテスト)がスタート。ひょっとするとまだチャンスはあるのでは……うっすら期待を抱きながら、ポケモンGOとIngressを交互に立ち上げる日々。

 そして2017年5月14日、何気無くIngressを開いてみた。なぜか自分の店からXMが噴き出している。

 「GPSが狂っているのか? と最初は疑ったんです。うちはポータルじゃないので、どこか別の地域に飛ばされているんじゃないかって。でも確認してみたら、『米八そば』がしっかりポータルになっていたんです」(永山さん)

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店主のツイート

 その日の店主のツイート「つ、ついに!!米八そばがポータルに!!!!! メッチャ嬉しい!!!!」には喜びが表れている。周囲のエージェントからも「おめでとうございます!!」「おめでとうございます。今度、鍵を取りに伺います」と祝福の声が寄せられた。ちなみに審査に通ったのは店主からではなく、他のエージェントからのポータル申請だったとのこと。

連動するように、ポケストップにもなった

 今後はポータル化を記念して、2015年に販売した「Ingressそばセット」を復活させる予定。またお店は「ポケモンGO」内でもポケストップになったので、ポケモンGOにちなんだメニューも考案中だという。「今のところ“ピカチュウからダシをとったそば”とか考えています」……相変わらず発想がパンク!

 しかし、エージェントの数も減り、人気も知名度もすっかりポケモンGOの方が上という現在。店主がIngressをプレイし続けるのはなぜなのだろう。実際ポケモンGOにも「ちょーおもしれぇ!」とハマっていまい、プレイ時間は半々になっているそうだ。

「Ingressは、ポータルのある場所まで行かないとハックできない、現地まで足を運ばないと楽しめないという要素がやはり面白いですね。逆にいうと、旅行など出掛けるときはどこでも楽しみがある。東京に行ったときは渋谷でIngressを開いてみたら、ポータルにすぐジェネレーターが刺されているのを見て『エージェントめっちゃいるなぁ』と感動しましたね。地域性の違いも感じられます」

 Ingressぜんざい提供店ならではの喜びもある。

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「今も週に1、2人、県外からIngressぜんざいを食べに来てくれるんですよ。本当に周りには何もない辺鄙(へんぴ)なところだから、『わざわざ来てもらってすいません!』ってなるんですけど(笑)。Ingressのおかげで米八そばを知って訪れてくれる人がいるというのは、やっぱりうれしいです」

 もはや“Ingressの聖地”の1つといっても過言ではない米八そば。新たにXMがあふれ出し、今後もエージェントたちの憩いの場となりそうだ。

黒木貴啓

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