マンチェスター出身の音楽家、爆破事件にSNSで思い寄せる ギャラガー兄弟、ニューオーダー モリッシーは国への批判も
中には娘がコンサート会場にいたことを明らかにしたアーティストも。
5月22日(現地時間)に英マンチェスターで起こった歌手アリアナ・グランデさんのコンサート会場の爆発事件について、マンチェスター出身の音楽アーティストたちがSNSで各々の思いを語っています(関連記事)。
オアシスやビーディー・アイでボーカルを務めていたリアム・ギャラガーさん(@liamgallagher)はTwitterでは「マンチェスターに起こったことで、ショックでいっぱいで、完全に困惑している。愛と光を、事件に巻き込まれたご家族のみんなに」と追悼。同じく元オアシスでありリアムさんの実兄であるノエル・ギャラガーさんは「I(ハート)MANCHESTER」と書かれたキーホルダーの写真を、「言葉もない」と一言だけ添えて投稿しました。
身内がコンサートを観に行っていたというアーティストも。元ニューオーダーのベーシストであるピーター・フックさん(@peterhook)は「私の娘が、昨晩のアリアナ・グランデの公演から無事に帰ってきてくれた。親や関係者のみなさんに心よりお悔やみ申し上げます。マンチェスターよ、強くあれ」と、親の立場から強い弔意を示しています。
元ザ・スミスのモリッシーさんはFacebookで、「自分の誕生日のお祝い中に、マンチェスター・アリーナの爆発事件のニュースが飛び込んできた。途方もない怒りに満ちている」と憤りを顕に。「どうすればこのような悲劇が終わるのだろうか?」と問いかけながら、テリーザ・メイ首相やエリザベス女王の対応について次のように批判しています。
「テリーザ・メイはそのような攻撃が“我々を傷つけることはない(will not break us)”と言っていたが、彼女自身の生活は防弾されたバブルの中で暮らしているようなものだ。今日マンチェスターの死体公示所で若者の身元を確認する必要も明らかにないわけだ。“will not break us”とは、今回の悲劇が彼女を傷つけることはない、もしくは彼女の移民政策を崩すようなことはないって意味なんだろう」
「女王もテロに対する‘力強い発言’がバカバカしい称賛を受けているけれども、今日行われるバッキンガム宮殿でのお茶会を中止していない。英国の自由報道では批判が全く認められていないからだろうか」
またロンドン市長やマンチェスター市長が「IS」と口にしないことも皮肉りながら、「現代の英国では、プライベートな場で言っていることを公の場で発言するのに誰もがすくんでしまっているようだ。政治家も“恐れていない”と言うけれども、自分たちが犠牲者になることは決してない。凶弾の飛び交う場所から守られているところで“怖くない”と言うことの何と容易いことか。一般人はそんな保護下には全くいないと言うのに」と非難しました。
他にもニューオーダー、ケミカル・ブラザーズのエド・サイモンさん、マンチェスターを本拠地とするオーケストラ楽団のBBCフィルハーモニックなどが追悼。著名な音楽アーティストたちを輩出してきたマンチェスターでの悲劇に対し、出身者の立場から弔意や励ましの言葉を送っています。
グレーターマンチェスター警察の23日18時ごろ(現地時間)の発表によると、爆発事件では22人が亡くなり、59人が負傷。犯人は会場で自爆して死亡しており、警察はテロ事件として捜査を進めています。BCCニュースは実行犯は22歳のサルマン・アベディ容疑者で、マンチェスター出身のリビア難民2世だと報じています。
イギリスやアイルランド出身の音楽アーティストの追悼ツイート
海外アーティストの追悼ツイート
(黒木貴啓)
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