パナソニック、宅配ボックス実証実験の最終結果報告 4カ月間で再配達率が49%から8%に減少
福井県あわら市と協力しての、再配達ゼロの町を目指すプロジェクトがおよそ成功。
パナソニックが福井県あわら市と協力して実施していた、宅配ボックス実証実験の最終結果を発表しました。実施前は49%だった再配達率が4カ月後には8%に減少と、多大な効果が確認されています。
宅配ボックスとは、不在時でも宅配便の荷物が受け取れる製品。近年、Eコマース拡大による再配達の増加が配達業者の労働環境に困難をもたらしており(関連記事)、問題の解決策として注目を集めています。
共働き家庭が日本一多いとされる福井県の、あわら市が推進する「働く世帯応援プロジェクト」にパナソニックは参画し、2016年11月から共働き世帯を対象に実験を進めてきました。2016年12月~2017年3月末のデータをまとめた最終結果報告では、宅配ボックス設置により再配達率が大幅に減少。宅配業者の推定労働時間が約222.9時間、トラックのCO2排出量は約465.9キロ削減されるといった、配達量の減少に伴う相乗効果もみられます。
アンケートではモニター世帯の98%が「かなり満足」「やや満足」と回答。「再配達時における宅配業者への申し訳なさ」「共働きで不在が多く受け取れない」「宅配便の時間に合わせて生活しなければならない」といったストレスが、モニター世帯の94%で改善されたとのデータも示されています。
一方で、「荷物が冷蔵・冷凍の品だった」「ボックスがいっぱいだった」といった理由で宅配ボックスが稼働できなかった事例も一定数みられます。パナソニックはこれらを重要な課題と受け止めてさまざまな荷物に対応する製品の開発などを目指し、再配達にまつわる社会問題の解決に努めるとしています。
(沓澤真二)
関連記事
佐川急便が週休3日制を東京都と山梨県で試験導入 給与は週休2日制と同程度
休日は副業も認められる。ZOZOTOWNが当日配達を終了 ヤマト運輸の配送時間変更に対応して
ヤマト運輸が発表した労働環境改善のための基本骨子の影響とみられる。「住所は建物名まで正しく全部書いて……」 配送業者さんの切実なお願いが話題呼ぶ
あて先はしっかり書こう。ヤマト運輸、宅急便の運賃を27年ぶり値上げ 労働環境改善の一環 ネット通販の荷物量抑制も示唆
ヤマト運輸が労働環境の改善に向けて、「働き方改革」の基本骨子5つを決定しました。ヤマト運輸がAmazonの当日配送サービスから撤退へ 日経新聞報じる
既に一部では日本郵便を利用。DeNAとヤマト運輸が「ロボネコヤマト」の実用実験開始 2018年には自動運転の導入を予定
未来の受取方法。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.