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名古屋港でも「ヒアリ」確認 定着を未然に防ぐために注意喚起

国内でヒアリが確認された港は、神戸港に続いて2カ所目。

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 愛知県弥富市鍋田ふ頭で発見されたアリが、強い毒を持つ南米原産の「ヒアリ」であることが6月30日に確認された。ヒアリは中国の広東省広州市の南沙港から出航した貨物船内のコンテナの外部で発見されたもの。国内では中国・広東省から兵庫県尼崎市に送られたコンテナおよび陸揚げされた神戸港でも発見されている。

名古屋港で発見されたヒアリ

 ヒアリは、南米原産で体長は2.5ミリ程度で体色は主に赤茶色。北米や中国、フィリピン、台湾等にも外来生物として侵入し定着している。6月27日に外来種とみられるアリ7匹をコンテナ上で作業員が見つけ、ヒアリの疑いがあるとして鑑定を依頼。30日になってヒアリと特定され発表に至った。発見されたアリは全て殺虫処分され死滅を確認している。現時点ではヒアリが当該地域周辺に定着し繁殖している可能性は低いとみている。

 とはいえ、当該コンテナ以外にも付着していた可能性があるとして、コンテナ周辺に殺虫剤を散布するとともに、捕獲トラップを設置し、ヒアリが侵入していないかの調査を実施している。また、関係者にヒアリはもとより特定外来生物の付着や混入がないよう注意喚起を促している。

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 環境省では、輸入コンテナ取扱量の多い東京港、横浜港、名古屋港、大阪港、神戸港、博多港と、中国や台湾に近い那覇港の計7港で、ヒアリに関する調査を開始。国土交通省も中国・広東省の南沙港との定期航路がある22の港の管理者に対して、コンテナ置き場にベイト剤(殺虫餌)の設置などの対策を取るよう文書で要請した。

 ヒアリは攻撃性が強く、刺された場合、体質によってはアナフィラキシー・ショックを起こす可能性もある。定着を未然に防ぐためにも地方自治体や駆除業者に向けて、ヒアリと思われる個体が発見された場合には、管轄区域の環境省地方環境事務所に連絡するよう呼び掛けている。

姿が似た日本の在来種とは異なり攻撃的で、尻の毒針で積極的に刺すという(環境省の資料より)

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