ほぼ梅雨時にしか聞かない「不快指数」って一体何なの?
梅雨が不快なことが判明(知ってた)。
じめじめとした天気が続きます。梅雨です。
夏を思わせる暑さと雨の湿気が混じり合って、アジサイやカタツムリは喜んでいますが、人間にとってはつらい季節。
梅雨の暑さは、夏本番の暑さに比べ、どうにも陰気です。単純な気温なら真夏の方が高いに決まっていますが、それでも、梅雨の方がなんだか暑く感じてしまうことすらあります。
この不快感を数字で表そうとしたのが、「蒸し暑さのパラメータ」とでも言うべき「不快指数」なのです。
重要なのは体感温度
不快指数とは何ぞや? を探るにあたって、まずは「サウナ」について考えてみましょう。サウナにはいくつかの種類がありますが、日本で一般的な乾式サウナの室内温度は90度ほどあります。角度じゃなくて温度で90度。ちなみに、固ゆで卵を作るのにも80度で十分といわれています。
それでもサウナは、あまり不快ではありません。
服を着ていないこともあるでしょうが、その主な原因は湿度の低さ。乾式サウナの湿度はおよそ10%です。
湿度を上げると、サウナも「キツく」なります。サウナ室内でタオルをバタバタさせたときのことを思い出してください。空気中に水蒸気が増え、湿度が高くなると、サウナは「キツく」なるのです。
さて、タオルを振ったとてサウナの室温は上がりません。それなのに暑く(もはや熱く?)感じる……体感温度が上昇しています。
つまり、体感温度は気温だけでなく、湿度が大いに関係しているのです。温度が高いほど、また湿度が高いほど、体感温度が高い。
不快指数は、気温と湿度から求めた「体感温度の指標」です。不快指数が高いほど、体感温度が高いことを意味します。
なぜ湿度が高いと体感温度も高くなるの?
湿度が高いということは、空気中に水蒸気が多く含まれているということ。新しい水分の蒸発が抑えられます。つまり、汗が乾きにくくなるのです。
汗が乾くとき、汗は身体から熱を奪っていきます。これが人間が汗をかく理由。汗を蒸発させることで熱を飛ばしているのです。
アルコール消毒をしたとき、手が涼しくなるのを感じたことがあるでしょう。あれもアルコールの蒸発により熱が奪われているから。汗と同じ理由です。
湿度が高いと、このせっかくの汗システムが作動しません。だから暑く感じるのです。
不快指数の求め方
さて、温度と湿度から求める「不快指数」。
具体的な求め方は(別に覚える必要もないのですが)、0.81×温度+0.01×湿度×(0.99×温度-14.3)+46.3。
ここでは、温度が高い、また湿度が高いほど、不快指数、つまり体感温度も高くなることが分かれば十分です。
この不快指数が77を超えると、おおよその日本人は不快感を覚えるそうです。
気温38度、湿度0%のときの不快指数が77。つまり、カラッカラに乾いていれば、38度の酷暑でも不快とはいえません。
逆に、湿度100%の時は気温25度で不快指数77。湯気のあふれる風呂場は、25度を超えると不快です。
大体の目安を押さえておくと便利です。梅雨時、湿度が75%としますと、不快指数77の目安は27度。この季節なら余裕で越えてくる温度です。
つまり結論として、梅雨のこの季節は不快なのです。
さて、いろいろ理屈をこね回してみましたが、結局不快感は主観。暑いと感じたときには素直に冷房を付けることオススメします。熱中症になったら何にもなりません。それでも冷房を付けるか迷ったときには、一度不快指数を計算してみてはいかがでしょうか(簡単な計算サイトがネット上にあります)。
不快指数による不快感の論理的裏付けは、冷房を使うことの良き免罪符となるでしょう。みなさんのご健康をお祈りしまして、冷房の効いた部屋から失礼いたしました。
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