ニュース

植物はイモムシを共食いさせる 米大学研究

植物が身を守ろうとする仕組みが、イモムシを共食いさせることに。

advertisement

 植物の身を守ろうとする反応がイモムシに共食いをさせる――こんな研究結果を、米大学の研究者が発表しました。


植物のイモムシへの対抗手段は?

 多くの虫は、状況が悪化すると共食いに走ることが知られています。また植物は虫に食べられるなどの危機に瀕すると、自身の味を悪くするなどして身を守ります。この植物の防衛反応より、普段は植物を食べる虫が共食いに走るのではないかとして米ウィスコンシン大学の研究者が実験を行いました。

 実験では、トマトの木とシロイチモンジョトウというイモムシを使用。また脅威が迫ったときに植物が発する化学物質「ジャスモン酸メチル(MeJA)」を用いました。この物質は他の植物に危機を知らせるもので、トマトの木はこの物質を感知すると毒素を生成します。

advertisement

 実験では、MeJAを吹きかけていないトマトの木と、さまざまな濃度で吹きかけたトマトの木を使用。これらの木をイモムシと同じ容器に入れます。その結果、高い濃度でMeJAを吹きかけた場合はイモムシの共食いが他より早く始まり、トマトの木はほぼ食べられませんでした。MeJAを吹きかけていない場合や低濃度で吹きかけた場合は、木が食い尽くされてから共食いが始まりました。


共食いするイモムシ(クリックでモザイクが外れます)

 次の実験では、MeJAを吹きかけた木から採った葉と、そうでない木から取った葉を容器に入れ、1匹のイモムシを入れました。さらに一部の容器には共食い用のエサとして死んだイモムシを入れました。先の実験と同様、MeJAを吹きかけた場合のほうが共食いが早く始まり、食べた葉の量も少ない結果となりました。

 イモムシは結局共食いをしますが、そのタイミングが重要で、「捕食者を早く共食いさせられれば、植物は無傷で残る」と研究者は述べています。しかしこうした防御機構を発動させる代価は高く、植物がバランスを取り、事態の深刻度を判断している可能性があるとも語っています。

 研究結果はNatureに掲載されています。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

記事ランキング

  1. 新1000円札を300枚両替→よく見たら…… 激レアな“不良品”に驚がく 「初めて見た」「こんなのあるんだ」
  2. 家の壁に“ポケモン”を描きはじめて、半年後…… ついに完成した“愛あふれる作品”に「最高」と反響
  3. 「博物館行きでもおかしくない」 ハードオフ店舗に入荷した“33万円商品”に思わず仰天 「これは凄い!!」
  4. 「マジかーーー!」 新札の番号が「000001」だった…… レア千円を入手した人が幸運すぎると話題 「555555」の人も現る「御利益ありそう」「これは相当幸運」
  5. 浅田真央、男性と“デート” 驚きの場所に「気づいた人いるかな?」
  6. 身内にも頼れず苦労ばかりの“金髪ギャルカップル”→10年後…… まさかまさかの“現在”に「素敵」「美男美女でみとれた」
  7. 海岸で大量に拾った“石ころ”→磨いたら…… 目を疑う大変貌に「すごい発見!」「石って本当にすてき」【カナダ】
  8. トイレットペーパーの芯を毛糸でぐるっと埋めていくと…… 冬に大活躍しそうなアイテムが完成「編んでるのかと思いきや」【海外】
  9. 生後1カ月の保護子猫、後頭部を見るとあのアルファベットが……→9カ月の現在にびっくり 「プレミアム猫」「本当にPですね」
  10. 辻希美、17歳長女・希空に「ダサすぎるって」とツッコんだ格好