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魚が声優ボイスで甘~いセリフをささやく あえて擬人化しない「イケ魚パラダイス」の狙い、アクアパーク品川に直撃

人気男性声優が魚に声をあてるという話題の企画「イケ魚パラダイス」の狙いは何なのか? 実施しているアクアパーク品川に聞きました。

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 櫻井孝宏さん、小野友樹さんなど男性声優が魅惑的なボイスで、イケメンな魚たちを演じる企画「イケ魚パラダイス」が、東京の水族館「アクアパーク品川」で開催されています。


「イケ魚パラダイス」公式サイト

 かわいいと人気を集めている「チンアナゴ」の他、映画「ファインディング・ニモ」のモデルとなっている「カクレクマノミ」など、10種類の魚たちを男性声優たちが演じるというユニークな企画となっており、発表当初からネット上で大きな注目を集めていました。

 7月8日に企画がスタートしてからも、Twitterなどでは「行ってきたよ!」と報告が続々と上がっており、とても楽しめたと好評の様子。この企画をきっかけに「推しイケ魚」ができたという人もチラホラみられました。

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チンアナゴのセリフを楽しんでいたらカクレクマノミが乱入してきた、なんていうハプニングも。

 魚にキャラクター性を持たせ、さらに声優に演じさせるというユニークな企画はどのようにして誕生したのか。企画を実施している「アクアパーク品川」の広報担当、山田おねえさんに話を聞いてみました。

―― 「イケ魚パラダイス」が誕生した経緯を聞かせてください。

おねえさん 当館では、“エンターテインメント”を入口にすることで、多くの方に海の世界に興味を持っていただきたいという想いから、季節ごとのプロジェクションマッピング演出でイルカの躍動や魚たちの美しさをより輝かせる企画など、通年でさまざまなイベントを仕掛けています。

 「何か面白そうだから行ってみたい!」と気軽にご来館いただき、1つでも生きもののことを知っていただけるといいなと考えております。

 今回の「イケ魚パラダイス」も、魚たちの魅力を伝えるために、何か当館らしい楽しい仕掛けができないかということで考えられたものです。

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―― 「イケ魚パラダイス」での狙い、 全10種類の魚たちを選んだ理由を聞かせてください。

おねえさん 甘いセリフを設定する際に、何か特徴的なことをお伝えできる生物がいいと考え、ユニークな生態を持つ魚を選びました。

 例えばカクレクマノミには、イソギンチャクと共生するという生態があり、そこから「今夜はイソギンチャクではなく、あなたにくっついて眠りたい気分です……」というセリフにつながっていくわけですが、そういった演出が成立することも条件の1つでした。


カクレクマノミくん

カクレクマノミ×山下大輝さんの設定資料

―― 昼と夜、さらには雨の日でセリフが変化するようにしたのはなぜですか?

おねえさん バリエーションを作ることでエンターテインメントの幅を広げ、生態の情報もより多くお伝えできると考えました。リピーターの方もお楽しみいただけます。

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―― 声優の演技について、どんな要望を出しましたか?

おねえさん 演技について細かな要望は出していません。当館としては、とにかく、キャラクター設定とセリフで魚たちの生態、その魅力を伝えることが狙いでした。

―― 完成した映像、声を聞いた水族館スタッフの反応・感想はどのようなものでしたか?

おねえさん 私たちもかなり楽しく拝見させていただきました。スチール含め、22時間かけて撮影した魚たちの細かな動きがセリフのタイミングにぴったりだったので、その精度にとても感動しました。

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―― 企画を発表した後、実際に展示がスタートしてから、ネットユーザーや来場者の反応はどうでしたか?

おねえさん 発表した際には、ますはTwitterでかなり盛り上がり、情報がみるみるうちに拡散していってくれました。

 実際にご来館いただいた方は……女性グループはキャーキャーと楽しんでくださっていますし、意外だったのですが、カップルの方も多く足を止めてご覧になってくださっています。

―― 男性声優を起用していることから女性客の増加が予想されますが実際はどうですか?

おねえさん 多いと思います。券売機にてチケットをご購入いただくので、性格な男女比は出せませんが、館内に女性グループが増えている印象がございます。

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―― ちなみに、最近は動物やメカなどの「擬人化」が流行していますが、あえて同様の手段を選ばなかった理由を聞かせてください。

おねえさん 水族館の使命として「生きものの魅力」を伝えることが大前提にありまして、イベント自体も「生物を知っていただきたい」というところから着想しているためです。声優さんの起用と展示方法は、あくまでアプローチの1つとして考えています。

―― 最後に山田おねえさんイチオシのイケ魚を教えてください。

おねえさん ナンヨウハギです。お魚自体が、とてもインパクトある風貌で、本当にこちらに向かって話しかけているように感じるからです。ナルシストなセリフもきっとクセになると思います(笑)。

山田おねえさんイチオシのナンヨウハギ

 最後におねえさんの趣味が少しだけ見え隠れしたところで締めくくり。「魚たちのことを知ってほしい」という想いと、「楽しんでほしい」という願い。その両方をバランス良くまとめあげたのが「イケ魚パラダイス」といったところでしょうか。

 アクアパーク品川では「イケ魚パラダイス」のほかにも、クラゲや金魚、イルカショーなどで、花火をテーマにした光と音を使った演出が楽しめる「花火アクアリウム」という企画も実施中。どちらも7月8日から10月1日までの期間限定イベントとなっているので、気になる人は足を運んでみては。


花火をテーマにした夏らしい企画「花火アクアリウム by NAKED」

春山優花里@haruYasy.

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