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ドラクエ11の「マジスロ」が面白すぎて世界が救えない件(2/2 ページ)

おおゆうしゃよ、スロカスになってしまうとはなさけない。

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 現在のパチスロはギャンブルとしての規制がかなり厳しくなっていて、相当な制約がある。その規制とは一言でいうなら「勝てすぎても負けすぎてもダメ」というものだ。

 例えば約300枚のコインが出る大当たりを引いても、現実のパチスロではいきなり300枚ドバッと払い出されるわけではない。「ボーナスゲーム」で10数枚の小役を何度もそろえる「消化」の作業が必要になる。その消化の単調さを解消するために「大当たりじゃなく小役がそろいやすい状態ですよ」という疑似的な大当たりを作って、消化中にもゲーム性やワクワク感を持たせたのが「AT(アシストタイム)」「ART(アシストリプレイタイム)」といった仕様の機種なのだけど、詳しい説明はややこしいので割愛する(既にややこしい)。

 パチスロは規制の抜け道を探る中で画期的なゲーム性を生み出してきた、という背景がある。そこは「ギャンブル」としての宿命であり、現実で数百円分のコインがちまちま出続けてくると思えば至福の雑用にもなるのだけど、「ゲーム」として見たときには正直かったるいことも多い。

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 だけどマジスロはパチスロではないのでそんな事情は無視できる。7がそろうとドカーンと数百枚のコインが出てくる。そしてすぐにリプレイがそろいやすい「ボーナスゲーム(パチスロ的にはリプレイタイム)」が始まり、連チャンをかけた次のボスと戦う仲間を集めたり、一撃数千枚の期待がある「しもふりチャンス」に夢を見たりとさまざまな可能性を楽しめる。パチスロ的に言うと「A+RTの上乗せ特化ゾーンあり(消化不要)」みたいな感じだけど別に覚えなくてよいです。

 つまり、マジスロはパチスロのストレスになる要素がきれいに削除された「理想の台」なのだ。唯一ストレスになるのは「当たらない」ということだけど、カジノにいるバニーのおねえさんに聞けばねらい目の台を教えてくれるので問題ない。現実でこんな店員がいたら当然大問題になるけどゲームなのでセーフだ。

 老婆心ながら付け加えると、現実にこんなに出る台はないので、「マジスロが面白かったから現実のパチスロを打ちに行こう」とは思わないほうがいい。普通に負けます。

「ゲームとしてのパチスロ」の完成形

 マジスロは恐ろしく挑戦的なゲームだ。普通のドラクエプレイヤーに「弱スイカ」と「強スイカ」の違いや「リプレイ外し」の意味はわからないと思う。だけどそうしたガチ要素をしっかり押さえた上でパチスロ初心者にも楽しめるゲームにしようとしている。ミニゲームの説明が5ページにも及び、それでも説明不足というところでその気合を感じてほしい。マジでマジックみたいなスロットなのだ。

 マジスロがスロ初体験という人が、いきなりそれぞれの出目の意味を理解して楽しむのは無理なので、まずはバトル中の「リプレイ外し」の目押しを楽しむのがいいと思う。スラりんたちと敵が戦う「チャレンジバトル」では、プラムなどの小役がそろうと味方の攻撃、リプレイがそろうと相手の攻撃になるというのが基本ルールだ。

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目押しの技術力が試される「リプレイ外し」

 ただし、その一部は左リールにBARや7をねらって止めることでリプレイがそろうのを回避、つまり相手の攻撃を避けることができる。これが成功した時、ただの運ゲーだけではないスロットの自力感、俺TUEEEE感を味わうことができる。

 マジスロにはスラりんが冒険するという「物語」、打ち手の技術や知識の向上という「レベルアップ」、そして大当たりや連チャンという「クリア」のカタルシスがある。RPGの面白さとパチスロの面白さというのはそもそも相性がいい。ゲームに特化したスロットとして作られた「マジスロ」が面白いのは当然のことなのだ。

 そんなわけですっかり魔王を放置してしまった筆者は今、「カジノで過ぎ去りし時を求めて」大急ぎで本編を進めている。

たろちん

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