インタビュー

母で、学生で、YouTuber――「別人になれるメイク動画」で人気のマリリンさんに話を聞いてみた(2/4 ページ)

YouTuber、一児の母、学生とさまざまな顔を持つマリリンさんに取材しました。

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――現在の動画を見ていると「明るいお姉さん」という印象なので、意外ですね。

 明るくはなかったけど、人前に立ちたいという願望は昔からありました。どこか自己表現できる場所があればなあ、って小学4年生くらいのとき芸能界に。時代劇に出演するために昔からの所作を習ったり、ダンスの練習を通じて自分がキレイに見える角度を研究したりしてました。

 高校生のころは週に1~2回、夜行バスなどで東京までレッスンに通ってました。でも、学生なのでホテル代を払う余裕なんてなくて、お客さん用の座席があるコンビニで徹夜してました。店長さんが理解のある方で、ご厚意に甘えさせてもらってたんです。

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――いい人ですね。でも、その生活けっこうキツそうだなあ……。

 そうですよね。でも、やりたいことに向かって走れる喜びがあったので、苦痛は感じませんでした。それに、コンビニで過ごす1人の時間は、セリフの暗記とかに使えて有意義でしたよ。

 その後、芸能界でやっていこうと思っていたので、18歳のときに本格的に上京しました。

――かなり思いきった決断だと思うのですが、ご両親は反対されませんでした?

 そりゃもう猛反対ですよ。特に父親は「そんなことより勉強! 大学! 就職!」という感じで。でも、私は、目指した夢を諦めてはあかんと思っていたので押し切りました。

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 でも、結局うまくいかなくて、事務所もやめちゃって……。挫折です。あのときはつらかったですね。

――そこから、どうやってYouTuberに?

 アルバイト先の先輩から「海外でYouTuberっていうのがすごく流行ってるから、やってみたら?」って言われて始めてみたんです。

 私、中高生のころからブログをやっていて、「すっぴんの目 → アイラインの目 → マスカラの目」と写真を並べて、メイク経過を紹介する記事を書いてました。それを静止画から、動画に発展させた感じですね。

 でも、ブログよりYouTubeのほうが良かったですね~。メイクのやり方が見せやすいし、自分の言葉で伝えられるし。

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――マリリンさんは当時、YouTuberの存在は知ってたんですか?

 いや、まったく。「まあ、メイク好きやし、動画編集とか分からんけどやってみるか」って感じで、今考えるとホント素人でした。“YouTuberあるある”だと思うんですが、最初はスマホで撮影して「iMovie」というアプリで編集してました。

※「iMovie」は、Apple社製の動画編集ソフト。MacOS、iOSに対応しており、無料でダウンロード可能。

 今はもっと本格的に使えるソフトに移行していて、PCでやってます。高校で3Dアニメの作り方を勉強したり、自分で画像編集してポスターやCDジャケットを作ったりしてたので、使い方はわりとすぐに覚えちゃいました。

 というか、PCは小さいころから使ってて、けっこう得意なんですよ。私、カタカタカタカタってタイピング音が大好きで。小学生のときはタッチタイピングのまねをしながら、1人で「OLごっこ」やってました(笑)。

「え、みなさん、あの音にワクワクしないんですか?」とマリリンさん。……いえ、大好きですとも!

――現在は一児の母として、YouTuberとして、そして学生としても活動されているんですよね。1日のスケジュールはどういう感じですか?

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 平日は子どもを保育園に連れていったら、午前中に家事をすべて片付けて、子どもを迎えに行くまでの時間を動画制作にあててます。長いときは撮影、編集ともに3~4時間くらいかかっちゃうんですが、「娘が寝たら、残りをやろう」って後回しにしたりして、休憩をとりながら進めるようにしてます。やっぱりちゃんと休んで気持ちに余裕を持たないと、いいものが作れないと思うので。

 「家でできる仕事なんだから、保育園を利用しなくていいんじゃない?」って思う方もいるかもしれないですけど、動画のクオリティを考えるとやっぱり必要です。

 保育園に入れるまでは、もう切羽詰まってましたよ。カメラの前でメイクしてたら泣き出しちゃって、あやしてから再開したらまた泣き出して……みたいな。そのころは週1~2本投稿するのが限界でした。

――YouTuberの世界では毎日投稿するのが当たり前になってますから、そのペースだと仕事として成立させるのが厳しそうですね。それでも、休もうとは思わなかったんですか?

 「YouTuberをやるなら今しかない!」と思ってましたし、ダラダラするのがあまり好きじゃなくて。芸能界を目指して上京したときも全然遊びませんでした。だから、東京の友達っていないんですよ。

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――学生としての生活はいかがですか?

 土曜日に週1回通っていて、メイクに関する授業を4~6時間受けてます。家庭の都合で厳しいときもちょっとだけ早めに帰らせてもらったり、他の生徒さんに授業内容を聞いたりして、なんとか調整してます。

――「いったん社会に出てから学生に戻った」って聞いたとき、うらやましいと思った反面、大変じゃないのかな? と疑問に感じました。

 勉強内容が好きなことなので、楽しいですよ。頭にも自然と入ってきますし。

 私、学生のころは英語も数学も地理も大嫌いで、いくら頑張ってもテストは100点満点中8点! みたいな感じだったんですけど(笑)、そういうつらさはないかなあ。

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