モナー、ギコ猫、しぃ…… 今となっては懐かしい、2ちゃんねるから生まれた「AA文化」をFlashで振り返る:かーずSPのインターネット回顧録
5ちゃんねるになってもAA文化は不滅です!
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えーっ! 「2ちゃんねる」が改名……だと……! トップページでは、犬のようなキャラクターが「2」を蹴っ飛ばして「5」にするアニメーションが流れます。モナーでもギコ猫でもありません。犬ならせめて「ぞぬ」を使えよ~、などと一人ごちる古参ネット民。
かつて2ちゃんねる(現・5ちゃんねる)には、文字を組み合わせて絵を描くアスキーアート(AA)文化がありました。
「(゚∀゚)アヒャ」こういう顔文字もアスキーアートの一種です。2ちゃんねるでは、擬人化されたアスキーアートのキャラクターがたくさん生まれました。そこで今回は、アスキーアートのキャラクターたちが活躍するFlash動画を振り返ってみます。
モナー
頭狂アンダーグラウンド(作者不明)
天誅というバンドが2001年に発表した2ちゃんねるネタの曲を、作者不明の誰かがFlashにしたことで話題になりました。「オマエモナー」という歌詞のキャッチーさが耳に残る、個人Flash黎明期の傑作です。「コテハン」「逝ってよし」「珍走団」など、今では1つ1つの用語に解説が必要になっていて、2ちゃんねるの歴史の長さを感じます。
ギコ猫
num1000 512kb cache mix(512kb氏製作)
前回のFlash特集で紹介した「1000キタ━━━ (゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚) ━━━━!!!!!!!!!!(num1000)」。そのカッコよさに、さまざまにアレンジされた「num1000」が生まれました。その中でも人気だったのが512kb氏によるリミックスです。
2ちゃんねるの仕様では、1つのスレッドに1000までしか書きこめません。すると1000に近づくほど、1000のキリ番をゲットしよとする書きこみであふれていきます。どうしても1000カキコをモナーたちに取られてしまうギコ猫が、それでも諦めず疾走する姿が胸熱。クックルが和太鼓を叩いてるパートがシュールで笑っちゃいます。
また、静かなる中条氏のInfinity Dash!!もnum1000のリミックスとして有名です。
Nightmare City(み~や氏製作)
「FINAL FANTASY VII ADVENT CHILDREN」をモチーフとしたアクションアニメFlashです。近代的な都市を舞台に、逃げるギコ&しぃと追っ手の激しいバトルが見どころ。バイクの滑走、電車上の剣戟など、スピード感のある見せ方がカッコイイ。最後にしぃが一緒に行かず、追っ手に弓を引くのはなぜ? というのが長年の疑問です。
しぃ
しいのうた(名無しさん=たけはらみのる氏製作)
ダンボール箱に入ったしぃが高らかに歌い上げるFlash。当時は泣けるFlashとして、国内だけじゃなく海外でも絶賛を浴びました。歌詞の要約は「つらい時は願いをかなえてくれる流れ星が来ると信じて、空を見上げてもいい。その偶然の出会いをきっかけに私は進めるのだから。」(「『しぃのうた』の歌える日本語訳に挑戦してみました」より)。最後に「入居者募集中」って出ているので、このダンボールは捨て猫を入れる箱じゃなくて、賃貸契約で暮らせる宿なんでしょうか。
>>1さんと八頭身モナー
うる星8つら(wosa氏製作)
キ8ンディキ8ンディ(wosa氏製作)
ドラゴソボール8(wosa氏製作)
2ちゃんねるのアスキーアート文化において、もっとも有名なAAの一つに「キモがる>>1さんに8頭身モナーが片思いする」という鉄板ネタがあります(ニコニコ大百科より)。
もちろんFlash職人たちもこのネタが大好物。>>1さんと八頭身モナーを扱ったFlash動画が爆発的に増えました。その中でも代表格なのが、おさだこうじ(wosa)氏による一連のアニパロ系Flash。
これらはFlash上映会で投下されて、会場がドッカンドッカン大盛り上がりしたのも懐かしい思い出です。そして、ここまで滑らかに動くアニメーション技術にも驚かされました。セル画風のアニメFlash、一つの最高到達点だと思います。
また、たけはらみのる氏もアニメ「機獣新世紀ZOIDS」のオープニングを八頭身モナーでパロディにした「ゾ1ド」を作られていて、このジャンルの熱を感じます。
他にも>>1さんと8頭身モナーで有名な作品としては、「ラフメイカー - YouTube.m4v」(元サイト消失)を覚えている方も多いんじゃないでしょうか。
ヽ(`Д´)ノもう来ねえよ!ウワァァン
::: TORINO :::(TYPE-R氏製作)
2ちゃんねるに恨みを持つ教授が開発した美少女アンドロイド「トリノ」が拉致されてしまった。しかし、さらわれた先でトリノが見た2ちゃんねるの光景は、面白さと愛にあふれていたのだった……。
萌え系のイラストを使ったストーリー仕立ての構成が見事。困り果てた教授の立てたスレッドにクソレスが付きまくるのも懐かしい光景です。
1年後の第2回紅白FLASH合戦にて公開された続編。今度はトリノの妹が削除人として登場します。けれど行き過ぎた規制で2ちゃんねる離れが進む結果になってしまい……。先ほどのクソレスといい、現在のTwitterそのままの状況でいろいろと感慨深いです。歴史は繰り返すんですねぇ。
激しく忍者+クックル
鳥の詩 クックル版
シュールな言動が2ちゃんねらー受けしたのでしょうか。+激しく忍者+はアスキーアートを使った個人Flashの中でも、頻繁に登場する人気キャラでした。さらに激しく忍者とペアで出てくるのがクックルドゥドゥドゥ。その2人を国歌「鳥の詩」でMADムービーにしたのがこちらです。
さいたま
さいたま(正式名称不明)
「さいたま」のルーツは不明ですが、当初はAAが先に作られ、「音楽に乗ってさいたまさいたまと言ってるだけの音声」が作られ、そしてFlash動画が作られたとのこと(佐倉葉ウェブ文化研究室より)。見ているだけでクセになり、いつの間にか自然に口ずさんでしまう電波ソングFlash。バカなノリと笑うなかれ。当時はみんな、これが面白くて爆笑していたんです!
AAオールスター
最後に〆の一本。AAキャラのオールスターFlashを紹介します。
なつみSTEP!-NATSUMI STEP!-
先ほどの「しぃのうた」「ゾ1ド」のたけはらみのる氏製作。なつみという女の子がAAキャラに囲まれて遊んでいる、楽しそうなアニメFlashです。でも、本当の意味は……!? 裏設定の詳細な解説は「『なつみSTEP!』紹介ページのようなもの」にあります。
技術的にも、多関節でオブジェクトをきめ細かく駆動させるFlashらしいFlashとして後世に残したい名作Flashです。
他にも流石兄弟、おにぎりワッショイ、ブーンなどいっぱい紹介したいAAキャラやFlashがあるんですけど、キリがないのでこの辺で。「2ちゃんねる」という名前は消えましたが、2ちゃんネタのFlashは永久に不滅です!
(かーず)
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