ニュース

ディストピアにも程がある QTEに支配されたアメリカで、QTEに順応できず狂人化した人から逃げるメタ実写ゲーム「Press X to Not Die」週末珍ゲー紀行

ゲーマーの脳内では日常にQTEが表示されている。

advertisement

 世の中にあふれる“変なゲーム(珍ゲー)”を紹介する「週末珍ゲー紀行」。第8回は実写フルモーションビデオを使ったB級映画テイストのコメディーアクションゲームPress X to Not Dieを紹介します。

ライター:Ritsuko Kawai

カナダ育ちの脳筋女子ゲーマー。塾講師、ホステス、ニュースサイト編集者を経て、現在はフリーライター。下ネタと社会問題に光を当てるのが仕事です。洋ゲーならジャンルを問わず何でもプレイしますが、ヒゲとマッチョが出てくる作品にくびったけ。Steamでカワイイ絵文字を集めるのにハマっています。趣味は葉巻とウォッカと映画鑑賞。ネコ好き。

 そこそこテレビゲームになじみがある人なら、画面に表示されたボタンを素早く押す「QTE」(※)はご存じですよね。本作は、政府の陰謀により現実がQTEに支配されたアメリカで、QTEに順応できずに狂人と化してしまった非ゲーマーたちの脅威から、タイトル通りXボタンで生き延びるというメタな内容。ちなみにX以外も使います。

※Quick Timer Eventの略。カットシーンやムービーに合わせてタイミングよくボタンを押させるアレ

 ゲームは全編実写。QTE以外に特に操作することもないので、ゲームというよりむしろ一人称視点の映画です。出演者たちのB級臭あふれる演技と、メタ表現がふんだんにちりばめられたユーモラスな台詞が楽しめます。テレビ東京の「午後のロードショー」を撮り溜めているようなB級映画フェチなら特に気に入るでしょう。

advertisement

 ゲームボリュームは、初見でもアニメ1話分程度。ダイアログの選択肢やQTEの成否によって、ストーリー展開や結末が多様に枝分かれします。また、ダイアログの中には一見無限ループに思えて、実は複数回選択すると実績が解除されるシークレットシーンもあります。

意味不明のメタ台詞を残して冒頭で死ぬ友人

 中でも死亡シーンのバリエーションが豊富な点がB級テイストの魅力。ガールフレンドのシャワーをのぞいて日本刀で刺殺されたり、マッドサイエンティストに襲われてホッチキスで金玉を留められたり、常によく分からないハプニングの連続です。そんな発想力に富んだ死亡シーンは、クリア後のギャラリーでコレクションできます。しかも“金玉がダメになる”死亡シーンだけを集めた専用の「Nutshot Gallery」まで完備。奇想天外な死亡パターンを網羅するために、取りあえず事あるごとに死んでみるのも一興かもしれません。

のぞくなと言われたらのぞきたくなりますよね
すると彼女にサムライソードで刺されます

 反射神経やQTEに自信がない人も大丈夫。4種類の難易度が用意されているので、ストーリーだけ楽しみたいという人はイージーモードでプレイすれば、誰でも簡単に最後までクリアできるでしょう。最高難度は「Ridiculous」(馬鹿げてるという意味)。ボタンの神だと自負する猛者専用のゲームモードです。特殊な訓練を受けている人以外は手を出さないことをおすすめします。操作はXBox 360コントローラーがデフォルトですが、オプションで変更すればキーボードとマウスでもプレイできます。

 クリア後には、死亡回数やプレイ時間といった統計を含めたプレイデータが表示されます。ゲームスコアのほかに、特定の登場人物を助けたかどうかや、もっとも脅威となった敵、サバイバルに選んだ武器のチョイスなど、クリアまでにたどったルートが確認できます。中には、ガールフレンドのルームメイトに殺された回数(もちろん死亡回数に含まれる)や、ガールフレンドのシャワーシーンを覗いた回数(もちろん死亡回数に含まれる)といった謎のカウンターまで。スコアはSteamのランキングにも反映されるので、世界中にいるQTEの神々と腕前を比較できます。

ゾンビホラーの主役はやっぱコレでしょ
いいセンスだ……

 B級コメディー映画として楽しむもよし、ひたすら反射神経を磨いてQTEの神を目指すもよし。こんな映画みたいなゲームなのに定価はたったの298円(10月14日までは30パーセント割引の208円)なので、友人たちへのギフトにもぴったりです。ちなみにグロイのが苦手という人はそもそもこんな作品には手を出さないでしょうが、オプションで「1994年モード」をオンにするとゲーム画面が1994年チックに荒くなるので、気休め程度のモザイクにはなるかもしれません。

advertisement

Ritsuko Kawai

関連キーワード

ゲーム | B級 | 映画 | Steam

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

記事ランキング

  1. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  2. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  4. 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  5. 夫「250円のシャインマスカット買った!」 → 妻が気づいた“まさかの真実”に顔面蒼白 「あるあるすぎる」「マジ分かる」
  6. ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
  7. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. 「情報操作されてる」「ぜーんぶ嘘!!」 175R・SHOGO、元妻・今井絵理子ら巡る週刊誌報道を一蹴 “子ども捨てた”の指摘に「皆さん騙されてます」
  9. 160万円のレンズ購入→一瞬で元取れた! グラビアアイドル兼カメラマンの芸術的な写真に反響「高いレンズってすごいんだな……」「いい買い物」
  10. 「セッ…ックス知育玩具」 省略する位置がとんでもないオモチャの名前にネットがざわつく