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「インスタ映えとは……」 Twitter民が頭を抱えた「静岡で最もインスタ映えするお弁当」はなぜ生まれたのか

実は「インスタ映え」ブームへのアンチテーゼでもあった。

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 “静岡で最もインスタ映えするお弁当”なる写真がTwitterで拡散され、「全然インスタ映えしない」「インスタ映えとは……」と困惑する人が続出しています。「インスタ映えする弁当」はなぜ生まれたのか、販売元の「しずおか弁当」に取材しました。

 話題になったきっかけは、清水港の擬人化キャラクター「七海波音(ななみ はのん)」さん(@nanami_hanon)のTwitter。「これがいま静岡で最もインスタ映えするお弁当である」と投稿されたツイートには、「インスタ映えを狙ったお弁当」というラベルが貼られた、ごく普通のお弁当の写真が。ツイートはたちまち拡散され、「どこがだよ!」とツッコミが殺到しました。

インスタ映えとは……(画像提供:七海波音さん

 このお弁当を作った「しずおか弁当」は、静岡市葵区にあるお弁当専門店。商品を開発した森谷昇吾常務に聞いたところ、ネーミングに込めた意外な意図を語ってくれました。

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「『インスタ映え』って最近よく聞くけど、なんだかよくわかんないよね、と話していたのがきっかけでした」(森谷常務)

 「インスタ映え弁当」が生まれたのは今年(2017年)の8月。ちょうど前日にもテレビで「インスタ映えするお弁当」を特集しており、スタッフの間でも「インスタ映えって何なんだろう」「(写真撮ってないで)早く食べればいいのにね」と話題に。「それならうちでもやってやろう」と、急きょこの名前に決定したそうです。実は昨今の「インスタ映え」ブームに一石を投じるネーミングでもあったと考えると、深い……!

「もちろん色味にもこだわっていますし、写真を撮ってもらえるのはうれしいです(笑)。お客さまに喜んでいただくのが大前提ですから」(森谷常務)

「インスタ映え弁当」の販売元である「しずおか弁当」(画像提供:しずおか弁当)
「インスタ映え弁当」の中身はこんな感じ。名物の「あみ焼き」は固定で、それ以外のおかずは日によって異なるとのこと(画像提供:しずおか弁当)

 また「しずおか弁当」では以前から、「余ったおかずで組み合わせたら豪華になったお弁当」「あっ!なんか中華食べたいなぁと思った時に食べるお弁当」など、他にもユニークな名前のお弁当を多数販売していますが、これにもちゃんと理由が。

「地元で45年やっていますので、毎日来てくれる常連さんがすごく多くて。それで常連さんが飽きないように、メニューもその日その日で変えているんです」(森谷常務)

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 店頭に並ぶお弁当も日によって異なるため、「インスタ映え弁当」も販売はあくまで不定期。ただ、今回ツイートが話題になったことと、静岡では毎年恒例のイベント「大道芸ワールドカップin静岡」が11月2日から始まることもあって、少なくともイベントの期間中は作りたいとのことでした。

ホントに豪華な「余ったおかずで組み合わせたら豪華になったお弁当」(画像提供:しずおか弁当)
チャーハンやシューマイが入った「あっ!なんか中華食べたいなぁと思った時に食べるお弁当」(画像提供:しずおか弁当)
名物の「あみ焼き」に加え、たっぷりのおかずも入った「豚あみもおかずも食べたい欲張りな貴方へ弁当」(画像提供:しずおか弁当)
作るのに手間がかかるため「あったらラッキー」という「あったらラッキーお好み焼き」(画像提供:しずおか弁当)

 常連さんを飽きさせないための工夫と、昨今の「インスタ映え」ブームへの疑問から生まれた「インスタ映えを狙ったお弁当」。ネーミングの秘密を知ると、ラベルに書かれた「お早めにお召し上がり下さい」の1文も、なんだか違った意味に思えてくるようです。

しずおか弁当名物の「あみ焼き弁当」シリーズ。左が「牛あみ焼き弁当」、右が「朝霧高原ポークあみ焼き弁当」。こっちの方が普通にインスタ映えするのでは……?(画像提供:しずおか弁当)
これも普通にインスタ映えしそうな「幻のカツサンド」。すぐに売り切れてしまうことからこの名前に(画像提供:しずおか弁当)

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