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Amazonプライムビデオ「77部署合体ロボダイキギョー」がおかしい 巨大ロボの運用を通して人付き合いの秘訣を伝授

ベストセラービジネス書『伝え方が9割』が、「石田三成CM」作者の手で特撮ロボットものに翻案されました。どういうことだよ。

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 ベストセラービジネス書『伝え方が9割』が、特撮ドラマ「77部署合体ロボ ダイキギョー ドラマ・伝え方が9割」(全10話)として映像化。Amazonプライムビデオでの独占配信が始まりました。巨大ロボットのコックピットで繰り広げられるドラマから、コミュニケーションの要諦が学べます。ためになるけどいろいろおかしい。

 舞台は77体合体ロボ「ダイキギョー」で地球外生命体に立ち向かう企業(ロボットと同名)、主人公は入社7年目の城戸泉司(勝地涼)。ロボットアニメのヒーローに憧れて営業職から「ロボット業務局」へ転属し、ダイキギョーの“左ひざ担当パイロット”を務める中間管理職です。

 左もも担当の上司から初出動の指示を受け、意気込んで「ラジャー」と応える城戸ですが、「サラリーマンが『ラジャー』はないだろう」と怒られてしまいます。違和感を覚えながらも、部下である左すね・左ふくらはぎ・左足甲・左足裏・親指・人差し指・中指・薬指・小指担当に「お前たち、出動せよ!」とヒーローらしく指示します。

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 しかし、それを高圧的な物言いととらえた部下たちが反発したために出動は中止となり、城戸は反省会で非難されることに。「上司とはいえ『せよ』なんて命令口調、一緒にやる仕事なのにおかしい」「とにかくうるさかった。通信機通しているんだから叫ばなくても聞こえるよ」と、ヒーローノリを全否定されてしまいます。

 ロボットで地球外生命体と戦っているというのに、「ウチは“ごく普通の企業”なんだから(ビジネスマナーに従ってほしい)」とたしなめられ、城戸は釈然としない様子。そこに上司から社内マニュアルを見てほしいとのメールが届きます。リンクを開くと、『伝え方が9割マニュアル』システムが起動。「自分の頭の中をそのままコトバにしない」「相手の頭の中を想像する」「相手のメリットと一致するお願いをつくる」など、コミュニケーションの秘訣が教授されます。やっと原作とリンクしたな。

 学習した城戸は部下に謝罪し、皆が気持ちよく出動できるよう言葉を選んで指示を出すのでした……と、第1話の大筋だけを紹介してきましたが、映像もとにかく味のある絵面のオンパレード。レトロなロボットアニメが劇中劇として流れたり、社内マニュアルにMS Officeのイルカ的な役割のロボット「ヤッパー君」が登場したり、パロディネタがてんこ盛りです。このノリ、どこかで見たことあるぞ……と思ったら、監督が滋賀県のPR企画「石田三成CM」(関連記事)を手がけた藤井亮さんで、納得するほかない。

藤井亮さんの「石田三成CM」

 番組説明にも「※本作品には一部暴力的な戦闘シーンを含めようとしましたが、予算の都合で入っておりません」とあるように、低予算ゆえのチープさがかえって面白さを醸し出しているこのドラマ。藤井監督も「コックピットひとつ作ったら予算が尽きることが判明」「全キャストとスタッフの努力と工夫と試行錯誤とヤケクソ感で無事に日の目を見ることができてホッとしています」などと語っています。正直すぎるっ!

パロディネタは各話のあらすじにも徹底されています。「ダイキギョー。それはふれあいの心。幸せの青い雲。」て……
「会議室一部屋で出来るくらいの予算感」

(沓澤真二)

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