コラム

乾電池の「乾」って何? 「乾いている電池」なの? ていうか、ビショビショだったら危なくない?

「ビショぬれ電池」なんて、どこにも売ってないような……。

advertisement

 「単○電池」「ボタン電池」といった乾電池はコンビニなどでも販売されており、日常生活に溶け込んでいます。そのせいで気にしない人がほとんどかもしれませんが、乾電池の「乾」にはどのような意味があるのでしょうか? ……「乾いている」ってことでいいの?

乾いていない電池とは

 “乾”電池と呼ばれる理由を探る手っ取り早い方法は、乾いていない「湿電池」を見ること。普通のご家庭にはないと思いますが、理科(化学)の授業で見た経験がある人も多いはずです。

 例えば、「ボルタ電池」は、薄い塩酸などに亜鉛板、銅板を浸すことで作ることが可能。2つの板がプラス、マイナスの電極としてはたらくため、それぞれを導線でつなぐと電流が流れます。

advertisement

ボルタ電池の図。教科書で見た覚えがあるのでは?

 このボルタ電池は1800年に発明され、現在の化学電池の原型になったとか。しかし、このように液体を用いた電池は液がこぼれたり、寒さで凍ってしまったりと不便だったため、固体に電解液を染み込ませたタイプが発明されました。それが乾電池なのです。ちなみに、世界初の乾電池を作ったのは日本の時計職人、屋井先蔵(やいさきぞう)といわれています。


屋井先蔵の乾電池は、1887年ごろに実用化されたといわれています(電気学会より)

 こういうわけで乾電池は、本当にカラカラに乾いているわけではありません。表面こそ乾いているものの、中身はわりと湿っている電池なのです。ちょっと難しい話になりますが、電池は「2つの電極の間に挟まれた電解質のイオンが移動することによって電流を発生させる装置」で、現在の技術では電解液なしに作るのは困難です。

乾電池豆知識 「単1」「単2」の「単」の由来は?

 ところで、円筒形の乾電池は大きさによって「単1」「単2」「単3」……などに分けられています。この「単」には、どういう意味があるのでしょうか。

 電池工業会によると、昔は弱い電池を集めることで強い電池を作っており、1つ1つの電池は「単位電池」と呼ばれていたとのこと。「単」という字が使われているのは、その名残だそうです。

 サイズのほかに異なるのは「電流の持ち」。実は出力できる電圧には差がなく、単1電池で動く機器は単3電池でも動きます(ただし、電池が切れるのは早い)。

advertisement

参考文献

制作協力

QuizKnock

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

記事ランキング

  1. 「クレオパトラみたい」と言われ傷ついた55歳女性→カット&パーマで大変身! 「本当にびっくり」「素敵なマダムに」
  2. 余りがちなクリアファイル、“じゃないほう”の使い方で食器棚がまさかのスッキリ 「目からウロコ」「思いつかなかった!」と反響
  3. 七五三で刀を持っていた少年→20年後には…… “まさかの進化”に「好きなもの突き進んでかっこいい!」
  4. 伝説の不倫ドラマ「金曜日の妻たちへ」放送から41年、キャストの現在→75歳近影が「とても見えません」と話題
  5. 「マジで復活してくれ」 日清が7年前に終売した「人気カップ麺」→“まさかの現在”に「えっ?」「まじ?!」
  6. 野良猫が窓越しに「保護してください」と圧をかけ続け…… ひしひし感じる強い意志と表情に「かわいすぎるw」「視線がすごい」
  7. 「博物館レベルのレア物」 ハードオフに8万8000円で売っていた“驚がくの商品”に騒然 「PS5よりも高い」
  8. 「盲点だった」 丸亀製麺が深夜に投稿した“悪魔的な情報”に思わず二度見
  9. 「こういうの好き」 割れたコップの破片を並べたら…… “まさかの発想”で息を飲むアート作品に 「すごいセンス良い」「前向きな考え」
  10. 「これは切れるわ」 引き出しで見つけた“現金”の封筒を開けたら…… “ブチ切れ必至”なまさかの中身が話題「吹いたwww」「良いセンスw」