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アニメ「からかい上手の高木さん」スタート! 原作の高木さんの青春の距離感は、とっても甘酸っぱい(1/2 ページ)

このバランスは、きっと2人にしかわからない。

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 1月8日からアニメ『からかい上手の高木さん』がスタートします。

 山本崇一朗さんの原作は現在7巻まで連載中。スピンオフ『からかい上手の(元)高木さん』『恋に恋するユカリちゃん』が出るほどの人気作品です。

(C)Soichiro Yamamoto / Shogakukan 2014-2018.

 隣の席の高木さんは、いつも西片君をからかってくる。西片君はいつも、1枚上手な彼女の手のひらの上で踊らされてばかり。必死になって抵抗しようとする西片君。からかわれるのは悔しい! でも高木さんのことはうっすら気になってはいる。彼女は何を考えているんだろう? ぼくのことをどう思っているんだろう。

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 2人の距離感がすぐに分かるページを、先に2つ御覧ください。

余裕のある高木さん、なさすぎる西片君。机くっつけて教科書見せるかどうかで照れていたのは中学時代までかもしれない(7巻P121)
西片君が仕掛ける高木さんへの復讐の幼稚度合いときたら。仲良しだなあ(7巻P139)

 2人の会話のやりとり、思いっきり幼い。絶妙に中学1年生のやりとりを突いています。

 限りなく小学生っぽいけど、ギリギリブレーキをかけることができて、子どもっぽすぎない。かといって高校生ほど斜に構えていない。西片君の幼さに対して高木さんは大人っぽいけど、それでも変な背伸びはしていない。

 『高木さん』は真っ向から、中学生の男女を描くことを目的にしています。こういうラブコメって高校舞台の方が多いので、かなり新鮮。

 西片君の思考のまあかわいらしいこと。彼の行動の原動力は「いつもいつもオレをからかいやがって。今日こそオレが高木さんをからかってやる」。まあ高校生だったらこういう思考にならない。彼の中では、まだまだ幼児的に男女未分化。

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 一方で、恋愛絡みの話になると途端にへなへなになる。高木さんが女子だという意識は、西片君にはもう芽生えています。この2つがうまくバランスが取れていない。昔の人はこのフラつく状態のことを名付けましたよ。思春期と。

振り回され上手な西片君

 西片君と高木さんのやりとりがメインのこの作品。他のキャラはたまに出てきますが、回数は少ない。もう完全に「2人の世界」です。西片君視線のこのマンガでは、高木さんは自分のことをからかってくる厄介な女の子という扱いで描かれています。どのくらい根に持っているかと言うと、高木さんにからかわれないようにするため、日々訓練を積むほど。お前高木さんのこと考えすぎだろ。

西片君のこういうところ、本当にかわいいと思う(5巻P78)

 加えて、高木さんにからかわれた回数×10回、腕立て伏せをしている西片君。

 ここまでしてきたら、高木さん側の気持ち分かると思います。西片君が全力で自分に対峙してくれる今の状態は、とても楽しいはず。高木さんがからかい上手だとしたら、西片君はリアクション上手、からかわれ上手です。からかいを無視せず絶対に反応してくれるって、すごいうれしいことじゃないかな。

付き合ってるとは言わない高木さん

 こんな2人のやりとり、周囲の中学生が見ていて「付き合っている」と思わないはずがない。一部の友達からは当然のように「付き合っている」と思われています。全力で否定するのは西片君。まあ付き合っていないのは事実だけどさあ。

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 一方で高木さんは、そのへんのらりくらりとかわしています。ここはアニメでどう描かれるか見ものな部分。彼女のセリフによると、高木さんから話しかけたり、一緒に帰ろうとすることが多いため、「高木さんが西片君を好き」と思われている、らしい(ほんとかな?)。少なくともクラスメイトでお付き合いをしている真野ちゃん・中井くんカップルはそう思ってるっぽい。

 ここでそれをどうこう言うのはやぼなので言いませんが、割りと露骨に好意を示すシーンは多い。多いのに、西片君は! 気付かない!……ってことはないと思います。疑問に感じながらも、ちったあ気付いていると思います。

席変えは、中学時代の一大イベントだ(3巻P58)

 ここまでド直球の球を投げられるとさすがにたじろぐ西片君。この後彼はなかなかイカす行動に出ます。3巻を読もうね。

大義名分そのものが青春な高木さんと西片君

 クラスメイトのカップルみたいに、イチャイチャするのは、うらやましすぎる青春だと思う。でも、付き合わなくてもそれ以上に好きな相手と過ごせる、楽しい「青春」のカタチってある。

 高木さんはしっかりした頭のいい女の子。度胸もある子。西片君にちゃんと告白して、お付き合いするのはそんなに難しいことじゃないはず。でも彼女はしません。

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 彼女の「青春」は、この付かず離れずの関係でからかい、からかわれして、ドキドキすること。

 西片君が高木さんに催眠術をかける回があります(7巻)。その時彼女に出した恥ずかしいお題が鼻をほじるというもの(子どもだ!)。そして寸前で「や…やっぱり…今のなし…」とおじけづく。ここまで含めて高木さんは読んでいるし、信頼している。

 特別な関係です。恋人や親友でも難しい、ここまでからかいキャッチボールが成立することはそうそうない。それこそ、世界にただ1人、奇跡的な出会いかもしれない。友達として対等に接してくれるし、女として意識しすぎないし、それでいてものすごく自分のことを思ってくれる西片君。

 高木さんがからかうのは、西片君じゃないと、だめなんだ。

高木さん「それに、西片と一緒にいる口実になるし」
真野ちゃん「あ、そっちが本音だ」
高木さん「さあ、どうでしょう」(6巻P65)

からかいがあれば、一緒の時間はどんどん増えていく(6巻P66)

 西片君と高木さんの、「からかい」を通じた、目いっぱいの青春のお話。今回は原作1話を丸ごと掲載していますので、2人の微妙な関係のむずむず、味わってください。

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試し読み:第1話「消しゴム」

全てはここから始まった
隣の席の高木さんは、ちょっとツンケンしているように見える
その発想、子どもか!(子どもです)
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