コラム

ご飯を「よそう」VS「よそる」 正しいのはどっち?

「盛る」派も「つぐ」派も。

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 しゃもじを用いて炊飯器から茶碗に白米を移し替えた、ということを「ご飯をよそった」と表現します。では、これの現在形は何でしょう?

 こんなの簡単だろ、と思うかもしれませんが、複数人で一斉に発声してみると、案外2つの派閥に分かれるのではないでしょうか。

 そう、「ご飯をよそう」派と「ご飯をよそる」派です。この2つは、一体何が違うのでしょう? どちらかが間違った表現なのでしょうか? それとももしかして方言?

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もともとは「よそう」

 結論から言うと、どちらも正解です。ただし、圧倒的に古くからあるのは「ご飯をよそう」の方。

 漢字で書くと「装う」で、「支度をする」「身なりを整える」という意味の「よそおう」と同じ。というよりむしろ、「よそう」が転じて「よそおう」になったとされています。

 つまり、「ご飯をよそう」とは、もともとは食事の支度をする、整えるという意味で、そこから飲食物を器に盛るという意味に変化したのです。

 この表現は1000年以上前から用いられている、歴史ある言葉です。

 一方で「よそる」を広辞苑で引くと、<「よそう」と「もる」との混交した語>と注釈がついています。なんと、似た言葉がただ混じってしまっただけのものだったのです。

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 混じって生まれた表現とはいえ、100年以上前の辞書にも既に載っており、もはや誤用とはいえないでしょう。

「盛る」や「つぐ」は?

 ところで、そもそも「よそう」も「よそる」も使わない、という人も多いかもしれません。

 同様の表現に「ご飯を盛る」「ご飯をつぐ」などがあります。これらは地域によって優勢劣勢が分かれ、「盛る」は北海道・東北で優勢、「つぐ」は中国・四国・九州で優勢とされています。

 また、「よそう」は関西および東京・千葉、「よそる」はそれ以外の関東で優勢とのこと。もちろんこれ以外の表現もあるかもしれません。みなさんは何と呼んでいますか?

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