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「e5489」「仮乗降場」「側面よし」――奥深すぎる“テツ語”満載『テツ語辞典』はいかにして作られたか テツな著者2人に聞いた(1/2 ページ)

『カレチ』作者でも知られる池田邦彦さんと鉄道フォトライターの栗原景さんに裏話を聞きました。

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「テツ語辞典」(誠文堂新光社刊 A5判/216ページ 1400円)

 乗り鉄、撮り鉄、模型鉄……鉄道ファン用語を900語盛り込んだ「テツ語辞典」(誠文堂新光社)が発売されました。

 「テツ」の世界は、乗るのが好きな人、撮るのが好きな人、きっぷやグッズを集めるのが好きな人、模型を作ったり、飾ったり、走らせたりするのが好きな人、歴史や技術を掘り下げるのが好きな人などなど、それは多種多様。そんな広ーい世界なだけに、ファンの間で通じる隠語や業界用語がたくさんあります。

 ファンの間だけで通じる隠語もあります。また、聞いたことがあったり、普通に使っていたりもするけれど、その由来は謎な用語もあります。この想像しただけでも奥深すぎるテツ語の世界を分かりやすくまとめたのが本書です。鉄道の歴史に名を残した人、鉄道のできごと、知っておきたい形式などの基礎用語から、「やわやわ」のような業界用語、「湘南顔」のようにファンが作った造語までを幅広く取り上げています。

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 著者は『カレチ』(2009年~2013年まで講談社「モーニング」で不定期連載)で知られる漫画家の池田邦彦さんと、旅と鉄道を中心に活躍するフォトライターの栗原景さん。自他ともに認める「テツ」なお2人は、この幅広い世界をどうまとめたのでしょう。本書「テツ語辞典」に込めた思いを聞きました。

「よくぞここまで描き込んでくれた」と思わず見惚れてしまうイラストは必見

 イラストを担当した池田邦彦さんは、『カレチ』のほか、『甲組の徹』『グランドステーション』と、JRの前身である国有鉄道(国鉄)職員を主人公にした作品が有名です。正確ながら風情のあるイラストタッチが大好きなファンは多いはず。本書でも特に、往年の機関車などの「よくぞここまで描き込んでくれた」と思わず見惚れてしまう圧巻のイラストが必見です。

機関車のイラストは圧巻

── 今回、一番気に入っているイラストは?

 「デッキ」という項目のものです。昔の汽車旅の雰囲気をよく出せました。まさに自画自賛ですが(笑)。

昭和の汽車旅の風情がよく出ています

―― どのイラストが、描いてて楽しかったですか?

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 「点と線」のイラストでしょうか。今回は2カ月ぐらい次から次へと描いたのですが、煮詰まってくると、だんだんこういう馬鹿馬鹿しい絵が描きたくなります。

「点と線」 編集長の顔も点と線!

 ちなみに松本清張の推理小説『点と線』が掲載された雑誌「旅」の当時の編集長は戸塚文子さんだったはずなので、イラストが男性なのはおかしいのですが。まあこれは、ノベルズ版を出した光文社の編集長ということで(笑)。

 ……などと、どの絵も、もちろんですが考証をしております。

―― 描くのに苦労したイラストはありますか?

 似顔絵ですね。何度描いてもうまく描けないことがあります。その中ではこれはうまく描けた方でしょうか。

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田中角栄氏のイラスト 似てる!

―― 「テツ語辞典」の見どころは

 本書は鉄道用語辞典ではなく、「テツ語辞典」です。ですから、読んで、見て楽しいのがイチバンと考えました。あまりに細かすぎず、そうはいっても車両の描写が不正確にならないよう気を遣いました。こだわりということについては、まあ、私の仕事はこだわってナンボですので。

―― この本の依頼を受けたとき、まずどう感じましたか?

 ありそうでなかった楽しい企画だと思いました。うまいところを突いてきたなと。

―― 今回のタッグで、池田さんから見た(共著の)栗原さんのすごかったところを教えてください

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 こもって漫画を描いてばかりの私と違い、バリバリな乗り鉄の栗原さんは、鉄道の現状や実際の旅に役立つ情報のをたくさん持っているのがスゴイですね。

―― あえて付けるならば、池田さんは「**鉄」と自称していますか?

 自称はしていませんが今風の分類で言えば模型鉄でしょうね。

イラストには車両への深ーい愛を感じます

―― ではその「模型鉄」の方に、「これからも続けていく/楽しんでいく」ためのひとことアドバイスをください!

 趣味は「自分のためのもの」ですから、他人からほめてもらえるかとか、いくらで売れるかとか、そういうことはあまり気にせずにおおらかに楽しみましょう。

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 これは、趣味を半ば仕事にしてしまった人間の切実な思いでございます(笑)。

青ガエルや青大将もかわいい
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