「Winny事件」、映画化へ 開発者が逮捕されてから無罪を勝ち取るまでのドラマ
イメージは日本版「ソーシャル・ネットワーク」。
ファイル共有ソフト「Winny」とその開発者、故・金子勇氏を巡る「Winny事件」の映画化企画が進んでいます。CAMPFIREで脚本開発費を募るプロジェクトが始まると、まもなく約45万円以上の出資が集まり、目標額の10万円を大きく上回りました。
Winnyは2002年に金子氏が開発した、P2P技術によるファイル共有ソフト。不特定多数のユーザーが匿名でファイルを共有できる利便性から流行したものの、結果的には違法ファイルが流通する場として成長してしまいました。
その後、金子氏が著作権法違反ほう助容疑で逮捕・起訴されたのが事件の始まり。当時は「ソフトを開発しただけで逮捕されるのは不当では」「後進の開発者を萎縮させかねない」など議論を呼びました。約7年に及ぶ裁判の末、2011年に金子氏は最高裁で無罪と判決されましたが、その2年後に42歳の若さで世を去っています。
プロジェクトを主導するのは、Web企業スマートキャンプ社長の古橋智史氏。金子氏が悲運に見舞われた一方で、同時期に音楽ファイル共有ソフト「Napster」を開発したショーン・パーカー氏は逮捕されず、その後Facebook初代CEOになるなど活躍したことを挙げ、「この事件がなければ、日本からより多くのテクノロジーサービスが出ていたかもしれない」としています。
映画は日本版「ソーシャル・ネットワーク」をイメージし、Winnyを取り巻く環境や人間模様をスタイリッシュに描く構想。「Winny事件を映画にすることで、日本が世界に誇る技術や人にフォーカスを当て、挑戦者を応援できる環境を作りたい」と、古橋氏は述べています。
(沓澤真二)
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