コラム

どれくらいの威力で豆まきしたら、“物理的に”鬼が倒せるのか

そんな装備(豆)で大丈夫か……?

advertisement

 「鬼は外、福は内」などの掛け声とともに豆を投げる、節分の豆まき。春の行事として行われていますが、子ども心に「鬼はめちゃくちゃ強いはず。豆なんかで追い払えるわけがない」と思っていた人も多いのでは?

 そんな素朴な疑問に答えるべく、今回はどれくらいの威力で豆を投げたら“物理的に”鬼が倒せるのか、物理エンジンで検証してみました。

こーじ

物理エンジン(Unity)で、シミュレーションして動画にしています!

Twitter:@PhysicsKJ/YouTubeチャンネル:こーじ

何粒の豆を時速何キロで投げたら、“物理的に”鬼が倒せる?

 豆まき用の大豆を入手し調べてみたところ、1粒あたりの重量は0.3グラム。卵やラグビボール同様、伸びた球のような形状をしており、大きさは長いところでも1.5センチ程度でした。このデータを元に「何粒の豆をどれくらいの速度で投げたら、直立している鬼が倒れるのか」をシミュレーションしてみます。

advertisement
一握り分は44粒でした
改めて確認してみると、とても小さい節分の豆。「鬼相手にそんな装備で大丈夫か?」と思う方が自然かもしれません

 ちなみに、鬼の体重は55キロと想定。総務省のデータによれば、15歳男子の平均体重が57.2キロ(2012年)あり、金棒を持った怪物にしては軽過ぎるような気もしますが、検証のうえではある意味、問題ありませんでした。というのも、この程度の体格ですら豆がまったく効かなかったのです

 一握り分(約45粒)の豆を時速18キロ、時速360キロで投げてみたところ、鬼はビクともせず。豆の数や重量を10倍にするなどしても、結果は変わりませんでした。ぐぬぬ、鬼の設定が適切かどうか以前に、豆が弱過ぎて話にならん……。

秒速5メートル(時速18キロ)で投げてみると……
効き目なし
時速360キロでも効きません
豆の量や重さを変えてもダメ。ぐぬぬ

 そこで、投げる豆のモデルを「世界一大きな豆」として知られる藻玉の豆に変更することに。これは熱帯、亜熱帯の地域で見られる植物で、直径5センチほどの豆が詰まったさやは、1メートルほどの長さになるとか。

 直径5センチ、重量12グラムに改めた豆のモデル440粒を時速360キロで投げつけると、鬼はついにバランスを崩して地面にパタリ。やったー! 巨大な豆を新幹線みたいな速度で大量にぶっ放せば、鬼(と仮定した、中学生男子くらいの重さのモデル)が倒せることが分かったぞー(白目)。

これならいけるか……!?
いっけええええええ!!
いろいろ無理な設定も多かった気がしますが、鬼を物理的に倒せたぞー!

 元も子もない話をすると、豆まきには「大豆を投げつけて、鬼の目をつぶした」という伝承があるとか。今回の検証はスピードや重量などからくる豆の威力をテーマにしていましたが、本当に重要なのは、的確に急所に当てるコントロールだったのかもしれません。なお、同じことを人間にすると、たとえ弱く投げたつもりでも大けがにつながる可能性が。豆まきが災厄の原因にならないよう、ご注意ください。

advertisement

こーじYouTubeチャンネル

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

記事ランキング

  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  3. 「懐かしい」 ハードオフで“30年前のPC”を購入→Windows 95をインストールしたら“驚きの結果”に!
  4. 「靴下屋」運営のタビオ、SNSアカウント炎上を受け「不適切投稿に関するお詫び」発表 「破れないストッキング」についてのやりとりが発端
  5. 毛糸でフリルをたくさん編んでいくと…… ため息がもれるほどかわいい“まるで天使”なアイテムに「一目惚れしてしまいました」「うちの子に作りたい!」
  6. 餓死寸前でうなり声を上げていた野犬を保護→“6年後の姿”が大きな話題に! さらに2年後の現在を飼い主に聞いた
  7. 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  8. “プラスチックのスプーン”を切ってどんどんつなげていくと…… 完成した“まさかのもの”が「傑作」と200万再生【海外】
  9. 放置された池でレアな魚を狙っていた親子に、想定外の事態 目にしたショッキングな光景に悲しむ声が続々
  10. 脱北した女性たちが初めて“日本のお寿司”を食べたら…… 胸がつまる現実に考えさせられる 「泣いてしまった」「心打たれました」