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何がスゴイって、全部! 超広大な東京メトロ東西線「深川車両基地」に潜入、圧巻の「台抜き」(1/3 ページ)

「いや、当たり前のことですよ」。いつもありがとうございます。【写真150枚】

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 私たちが日々「当たり前」に利用する公共交通機関は、どんな人たちの努力で「当たり前」が実現されているのでしょう。東京地下鉄(東京メトロ)が車両基地「深川車両基地」を公開。今回は、地下鉄運行のために毎日行われている「地下鉄車両基地の日々の業務」に迫ります。


朝のラッシュアワーを終え、深川車検区に戻ってきた東京メトロ東西線の車両 左から07系と15000系、奥の3つが05N系

 東京メトロ 深川車両基地は、東京メトロ東西線と東葉高速鉄道京葉高速線の保守を担う東京メトロの車両拠点の1つです。東京都江東区塩浜にある8万6860平方メートルの広大な敷地に、深川検車区(6155平方メートル)、車両管理所と深川工場(1万3968平方メートル)の建物があり、300両の留置能力を持ちます(このほか、行徳分室にも留置機能あり)。ちなみに、上野(銀座線)、中野(丸ノ内線)、千住(日比谷線)、綾瀬(千代田線)、和光(有楽町線、副都心線)、鷺沼(半蔵門線)、王子(南北線)にも車両基地があります。

 深川車両基地は大きく車検区と車両工場に分かれています。「存姿(ざいし)状態」(車両を解体しない状態)で車両を検査したり、修繕したりするのが車検区。大掛かりな車両解体を伴う検査、修繕施設が車両工場です。

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留置線と深川車検区

深川工場の内部

東京メトロ 深川工場

日々の運行を支える車両基地「深川車検区」

 まずは車検区を見ていきましょう。車検区には留置線と存姿状態で日常検査を行う設備があります。営業を終えた車両はこの留置線に集まります。そして、10日を超えない周期で消耗品や電車の主要部品の機能を確認する「列車検査」、3カ月を超えない周期で電車の状態や機能を検査する「月検査」を行います。清掃や広告張り替え作業などもこの車検区で行われます。

 自慢は2017年5月にできたばかりの車両整備の新ピット。スタッフの快適な作業性を確保すべく、これまで一部にしかなかった空調がバッチリ完備され、照明もLED化しています。また、存姿状態で緊急メンテナンスを要するときに使われる「ドロップピット式台車取替装置」も新設しました。しかし広ぇぇっす。


2017年にできたばかりの新ピット

「月検査」中の15000系

この金属とパイプのメカメカしさがたまんない

ブレーキシューの検査と交換も重要な作業

 ちょうど朝のラッシュアワーを終えた東西線が帰ってきました。この車両は2日ごとの手洗い洗車の日。車両はそのまま洗浄線へ向かいます。1日の仕事を終えた車両は日々きれいに洗車されます。ガソリンスタンドにある洗車機の親分のような機械式洗車機に加えて、2日に1回は1回30人体制での手作業で、ていねいに中も外も洗われているのです。「いつもきれい」って本当に大変なことです。


洗浄線へ入線

ごしごし

中も外も

シートも

吊手も。手すりや吊手は清潔なマイクロファイバーフロスで磨かれます

 普段何気に目にしている中吊り広告にもプロがいました。広告を裏表2枚セットでシュッと抜き、踏み台に乗ると同時にホルダーへぱちんと挟んみつつ、古い広告を抜き取って1枠完了。ほんの数秒。ほれぼれする無駄のない動き。これを延々と、ときには飛ばして、差し替えるべき枠分だけ繰り返します。


踏み台の下から差し替え広告をシュッと抜いて

狙いを定めて

ホルダーへセット

同時に古い広告を抜き取る

 中吊りは広告商品。何を、どの線のどの車両のどの位置に、何枚、何日間出すのかといった仕様が広告ごとに決められています。「掲示する順番をきっちり前日までに準備して並べておきます。緻密な作業なのに大量にあります。横並びで2枚掲示する基本枠サイズの広告は、2枚を1セットにステープラーでまとめておき、現場での作業性を高めています」(東京メトロの車内広告を担うメトロアドエージェンシーの田島氏)。なるほどです。

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 最近の新型車両では窓上広告が液晶パネル型に替わりつつあり、また、車内を広く見せるために中吊り広告をなくす施策も取られています。デジタルで行えれば管理は確実に楽ですし、運用コストも低減できるでしょう。車内空間は広く感じられる方がいいです。しかしアナログなものがなくなっていくのも何かさびしい気もします……。

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