「胸をはれ 頼りにしてるぞ」 荒みきった社畜の心を癒やす“掃除のおっさん漫画”がグッとくる(1/2 ページ)
おっさんのまさかの正体にビックリ……!
厳しいIT業界で心をすり減らす主人公をそっと励ます掃除のおっさんの漫画がグッときます。名も知れぬおっさん、あなたの正体は……!
「おい お前の提出データミスだらけだったぞ!!」「いい加減にしろ給料泥棒が!」――目の下に濃いクマを作り、疲れ果てた表情の主人公を容赦なく罵倒する上司。「クライアントを待たせてるんだ」「どれだけ会社に損害を与えれば気が済むんだ お前ら若い奴らは!」と序盤から怒濤の“パワハラ口撃”で主人公のメンタルをガリガリと削ってきます。
対する主人公は言い返すことも出来ず、仕様書通りにやったらこうなったんじゃねぇか……責任だけ全部押し付けやがって……と身体を震わせながらもPCの前に座ることしかできません。このままボロボロになるまで働かされて、壊れると捨てられる……と最悪の展開を想像し、その表情にはどんどんと悲壮感が募ります。
「(でもやらなきゃ……自分でやるしかないんだ 頼れる人なんて誰も……)」と限界寸前で涙を浮かべる彼ですが、ここである男が「大丈夫か?」「落ち着きなさい」と声をかけてきます。
それは掃除のおっさん。突然の展開に驚く主人公を尻目におっさんは「基本的なコードじゃないか」「間違うことは誰でもあるんだ その時冷静になって今自分がすべきことだけを考えるんだ」とPCをカタカタ。そしてしばらくすると「形はこんなものかな」とすくっと立ち上がります。
驚きを隠しきれない主人公が「あなたは一体……」と問いかけますがおっさんはただ一言、「この会社もこの国(日本)も君たち若いもんが活躍してくれるから発展できるんだ」「胸をはれ 頼りにしてるぞ」と言い残し去っていくのでした。
これには主人公も「お……おっさん……名も知れぬ掃除のおっさーーーん!!」と感涙。限界ギリギリだった主人公が見送るおっさんの背には後光がさしているようでした。
それにしても気になるのは白髪でたくましい髭を蓄えたおっさんの正体。それは冒頭で主人公をいびり倒していた上司がおっさんとばったり出くわした際に発した「か……会長!? お久しぶりです! その格好は……?」というセリフで明らかに。実はおっさん、この企業の会長だったのです。そして最後のコマは「お前……もうちょい若いもんに優しくしろよ」「若い芽を踏みちらかして潰してどうする」と優しく諭すおっさん、またの名を会長の横で滝汗をかく上司の引きつった笑みで締めくくられています。
この漫画は投稿から約3日で5900件以上の“いいね”を獲得。読者からは「本当にこんな人がいたらどんだけ救われるだろうか。。。。」「付いていきます!会長!」といった声があがっている他、サラリーマン漫画の代表作「島耕作シリーズ」や「サラリーマン金太郎」を想起した人もいるようでした。
作者は2017年12月にねとらぼでも取り上げた漫画「恋人はポーカーフェイス」などでも知られる、納豆まぜお(@mazemazemazeo)さん。今回はITで企業のイメージで描いたといい、「いい上司に出会いたいです……!」とコメントしています。“人は見かけによらない”と“その努力はどこかで誰かが見てくれている”を体現したステキな漫画でした。
ちなみに納豆まぜおさんは、1月30日よりLINEマンガで『こよみっこ』(ネーム原作担当/作画はみちたかさん)も連載中。こちらは毎週火曜日更新で、現在3話まで公開中となっています。
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