コラム

なぜ花粉の飛散量は毎日こんなに変わるのか 「1週間で500倍」の地域も

スギやヒノキの本数自体は、そこまで増減しないはずなのに。

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 花粉症に悩む人たちにとって、日々変動する花粉の飛散量は死活問題。一例を挙げると、東京都八王子では2018年3月21日、1平方センチあたり8.7個のスギ・ヒノキ花粉が観測されましたが、1週間後の29日にはなんと約511倍にあたる4446.9個を記録しています。何だかもう数字見るだけで、目がかゆくなってくるような……。

 こんな短期間に木の本数が変わるわけがないのに、どうして花粉の量は大きく変わってしまうのでしょうか。

どう見ても29日だけおかしい(グラフは東京都健康安全研究センターのデータより作成)

前年の天候に左右される花粉の飛散量

 例年、花粉予想を発表しているウェザーニューズに取材したところ、「そもそもスギなどの花粉の飛散量には木の本数というより、雄花の数などに関係している。夏は雄花が、秋はその中の花粉が形成される時期で、ざっくり言うと前年の夏秋に晴れれば晴れるほど、飛散量が増える」のだそうです。

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 同社は以前、2018年の予想として「飛散量の全国平均が65%(平年比)にとどまる」と発表していましたが、これは2017年夏の天候不順、秋の台風などを考慮した結果とのこと。では、「平年比65%ということは、2017年夏秋の晴れている日数も65%だったのか」というと他の要因も影響するため、事情はもっと複雑。例えば、花粉には飛散量が多い年(表年)、少ない年(裏年)が交互に現れる傾向なども念頭に予想を出しているそうです。

ウェザーニューズによる花粉予想(平年比)。表年の2017年は多め、裏年の2018年は少なめ

 なお、花粉予想などによく登場する「平年比」を割り出すには過去のデータが必要ですが、各種予想でその数値が異なる場合が。観測機関によって「ダーラム法(ガラス板を一定時間設置し、上に載った花粉の数を計測)」で調べていたり、自動観測機械を使用していたりと調べ方自体が違うこともあるといいます。

1日のうちでも、花粉の飛び具合が変わる理由

 日、時間のようなさらに短い時間間隔でも花粉の飛散量は変動。例えば、雨の日は雄花が閉じるため減少しますが、その後、晴れると大きく増加することが知られています。また、風の強さや向きによっても、飛散量は増減。木は動かないため、各地域に“花粉が増える風向き”があるのだとか。

 このように、われわれの周囲を舞う花粉の量は前年の天候や直近の天気、風の動きといったさまざまな要因に左右されており、そのたびに「今はあまり飛んでないな」「マスクしても無理なレベルだこれ!」と、目や鼻の調子に一喜一憂しているわけです。

マッハ・キショ松

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