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働くクルマだいすき! イマドキのクルマを助ける驚愕マシン「レスキューロボ」がかっちょえぇぇ(1/2 ページ)

「これはショベルカーのシャコタンっすか?」 いいえ、レッカー作業の革命だそうです。

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 自動車整備業界の展示会「国際オートアフターマーケットEXPO」で、「レスキューロボ」というグッと来る名称のマシンが展示されていました。何でしょう、このホイールローダーなどの重機をシャコタンに改造しちゃったようなグワッと低く構えたそそる姿は。


ヤマモトロックマシンが製品化した「レスキューロボ」

 「これは、4輪がロックしてドアも開かないようなクルマでも運べる革命的なマシンです」(ヤマモトロックマシン営業部長の矢田谷嘉一さん)。

 現代のクルマの多くは鍵を持って近づけば認証される「スマートキー」が備わっています。直接鍵穴に差さずとも、ドアの解錠やエンジンの始動をボタン操作だけでできます。便利ですよね。

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 その半面、鍵をなくしてしまったり、バッテリーの寿命や発電機(オルタネーター)の故障でバッテリーが上がったりしてしまうと大ごとです。ドアロックやエンジンの始動だけではなく、電子制御されている電動パーキングブレーキやATのシフト操作などもできず、自走どころか、けん引さえもできなくなってしまうことがあります。こうなるとメーカーディーラーなどの整備店へ持ち込んで復帰することになりますが、そこまで運ぶのがまずとても大変。特に地下駐車場などの低く、狭い場所ではキャリアカーに乗せる作業から大仕事になります。

 レスキューロボは、こうした「現代のクルマ」のトラブルに対応するためのマシンとして誕生しました。レスキューロボを開発したヤマモトロックマシンに話を聞きました。

「すぐ作ってくれ」 ディーラーは今、かなり困っているらしい

 ヤマモトロックマシンは、もともとは採掘現場で活躍する削岩機を作ってきたメーカー。しかし、製品を納入する過程で“こんな機械もできないか”といった相談を受けて開発するようなことをしていたら、いつの間にかいろいろなマシンを製造するようになっていたそうです。


同社が開発した車高50センチの「世界一クラスで車高が低いブルドーザー」(出典:ヤマモトロックマシン)

 「このレスキューマシンは、砕石場のベルトコンベヤーの下に潜れるほどに車高が低いパワーショベルを開発したことがきっかけです。“それならば、クルマの下に潜り込んで持ち上げて運べる機械はないか?”と依頼が舞い込みました。そのままでは動かせないクルマを、迅速かつ効率よくキャリアカーまで、あるいは整備工場で運べる機械。持ち主から緊急連絡を受けて対処するディーラーの現場の方からの要望でした。海外にそうしたマシンが既に存在することが分かったので、これをベースに日本の事情に合わせて改良し、製品化しました」(ヤマモトロックマシンの山本将登社長)

 ベースはフランスMultiTractの「EAS TRACT」です。フランスで設計され、イタリアで生産されるこのマシンは、欧州では広く使われています。

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欧州で活躍するEAS TRACT。クルマを前後輪ともに持ち上げて運べる

 早急の対策が望まれている問題の解決に向け、EAS TRACTをベースにエンジンをホンダの汎用エンジンに換装するなど、日本で使いやすい仕様に変更して販売することにしたそうです。

「今まで苦労していた作業がとても楽になりそう」 自然災害時などの活躍にも期待

 レスキューロボはとにかくクルマを持ち上げて運ぶ能力に長けています。

 まず、クルマの前後どちらかの方向からアプローチして手前のタイヤを持ち上げます。そして、そのまま車体を持ち上げながらぐいぐいと奥へと潜り込んでいき、もう一方のタイヤを持ち上げます。これで全てのタイヤが地面から浮き、運べるようになります。

レスキューロボ作業中の様子

 レスキューロボは最大で2.5トンまでのクルマに対応できるそうです。縦方向からアプローチするので幅を取らず、また、高さに制限のある地下駐車場のような場所でも活躍できます。無限軌道なのでその場で回る進地旋回も自在。クルマを載せたままキャリアカーに乗り込めてしまいます。整備用リフトのように樹脂製のパッドを当てて持ち上げれば、横方向から持ち上げることもできます。いやー万能ですね。

 2018年4月現在、日本版レスキューロボはまだ日本に2台しかないそうですが、自動車ディーラーのメカニックなどから「今まで苦労していた作業がとても楽になりそう!」などと高い評価を得ているそうです。

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 参考価格は600万円台後半。これにしかできない作業を実現する特化型マシンであると考えると、意外にお安いと思えます。もし路上でクルマが動かなくなれば、持ち主が困るだけでなく、渋滞や事故を誘発し、経済活動や多くの人の生活にも支障を来してしまいます。

 また、昨今はカーシェアサービスなどを利用する「クルマを借りる」シーンが増えています。自身の所有物でなければ多くの人はメンテナンスにあまり気を掛けません。結果として雑に扱われてしまう車両は増えそうです。また、自然災害で走行不能になったクルマの撤去作業用としての活躍も期待できます。近い将来、レスキューロボが街で活躍している姿を見られるようになるかもしれませんね。

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