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うぉぉこれはすごい! 自動運転車で宅配「ロボネコヤマト」はもうここまで来ていた(2/3 ページ)

自動運転で、好きな時間好きな場所へ時間ぴったりに配達、何が変わるのでしょう。

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すごい「時間通りに持ってきてくれる」 ドライバーレスの自動運転車が荷物を宅配

 近隣に住むAさんは、ロボネコストアの精肉店で夕飯の食材を買い、「15時10分に持ってきてちょうだい」と注文。注文が完了すると、受け取り用のQRコードがスマホに届きます。


注文するとスマホにQRコードが届く

販売店から注文された商品を集荷(店員さんが荷物ボックスへ入れる)

 15時10分、指定した場所で待っているとロボネコヤマト車が時間ぴったりにやってきます。クルマの運転席にドライバーはいませんが、Aさんが指定した場所でピタリと止まります。スライドドアがスルスルと開き、荷物ボックスが現れます。この実験車では1つしかありませんが、実際にはマンションの宅配ボックスのように大小複数の荷物ボックスが車内に置かれます。画面と音声の指示に従ってQRコードをかざすと荷物ボックスが開き、品物を受け取れます。


ロボネコヤマト車は指定時間ぴったりに到着

QRコードをかざすと荷物ボックスが開く

ほんの数秒で受けとり手続きが完了

 受け取りが済むとドアが自動で閉まり、ロボネコヤマト車は次の場所へ配送に向かいます。決済はネット経由で済んでいるので、受けとるだけ。このやりとりは1分も掛かっていません。自分で時間と場所をピンポイントに指定し、車両も時間ぴったりに来ることから不在率が低くなるのです。

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運転席には誰も座っていません

 昨今の通販・宅配サービスは、ECサービスの普及による需要増に対し、配送ドライバー不足が大きな課題。ユーザーにも遅延や料金増などとして跳ね返ります。Amazon.co.jpの配送料値上げ(関連記事)や、地域限定の配送業者「デリバリープロバイダ」の課題も記憶に新しいです(関連記事)。

 その一方で、配送ドライバーはプロフェッショナルの技術が求められる職種です。まず、大型車両も運転できる運転技術が必要。荷物を抱えて何軒も掛け回り、対面してやりとりするための体力やコミュニケーション能力も必要です。そして、いかに効率よく回って届けるかを考える「配送ルート組み」の技術も求められます。ヤマト運輸を始めとする物流業界はこれを実現してきたからこそ、日本ならではの高品質なサービスを実現しています。


雇用拡大の可能性も視野に入れている

 特に配送ルート組みについては「個人の能力」としてノウハウを会得しなければならないので、育成にも相応の時間とコストが掛かります。しかし超高齢化社会に入ったこの先の日本は、働く層=労働者人口がますます減っていきます。このままでは人手不足の解消どころか、ますます悪くなっていくことが予想されます。

 「自動運転車を用いた“ドライバーレス配送”の仕組みは、この日本全体が抱える喫緊の課題を解決する雇用拡大の可能性を秘めている」とロボネコヤマトプロジェクトを進めるディー・エヌ・エー オートモーティブ事業本部ロボットロジスティクスグループリーダーの田中慎也氏は述べます。運転技術は自動運転で、集荷や受け取りを客が訪れて行う仕組みならば体力はそれほど必要ありません。そして効率のよい配送ルートはAIが考えてくれます。なるほど、雇用の裾野を広げる一手になりそうです。ちなみにトヨタ自動車もこの考え方と同様に、店ごと自宅前まで来てしまうような自動運転車を用いるサービス「e-Palette Concept」(関連記事)を構想しています。

(参考)トヨタ自動車が構想するモビリティサービス専用EV「e-Palette Concept

 実証実験では「重い水などを玄関先まで運んでくれて楽だからネットで注文している」という声も聞かれました。確かにロボネコヤマトは玄関先まで運ぶ業務を想定していません。都市部のマンション住みの人は特にそうかもしれません。ただ、階下の宅配ボックスに届けられた荷物ならば条件はあまり変わらないかもしれませんし、生鮮食品や冷凍の荷物も含めてとなると宅配ボックスだけではカバーできません。

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 ロボネコヤマトのポイントは、客が「指定した場所」に「指定した時間通りに来てくれる」ことです。再配達がなくなればその分多くの荷物を運べます。効率が上がれば低価格化などのサービスレベルの向上にもつながります。完全無人で行えるならば24時間業務も可能。例えば「深夜3時に」といった、今ならばムチャな配達時間指定も可能になります。

 自動運転車で宅配「ロボネコヤマト」はもうここまで来ていました。今後の進展と早期の実用化に期待ですね。

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