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外からは予想もつかない「地底の太陽」に「生命の樹」―― 「太陽の塔」の中は“原始の生命力”にあふれていた

潜入してきました。

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 1970年、芸術家の岡本太郎さんにより大阪万博のためにデザインされ、その後長きにわたって大阪のシンボル的存在であり続けた太陽の塔。その内部が48年ぶりに、3月19日から一般公開となりました

 好評の声が多く聞かれるこの内部公開。一体中はどうなっているのか? 通常、塔内部の撮影は禁止されていますが、今回は特別に許可を得て取材してきました。

不思議な建物の中身はどうなっている?

 スタッフの誘導に従い岡本太郎さんのデッサンが展示されている廊下を抜けると、「地底の太陽」なるオブジェがお出迎え。塔外観の頭部によく似たオブジェは太陽の塔の「第4の顔」で、大阪万博閉幕後行方不明になったものを再生したものです。周囲には世界各国の仮面や神像が配置されており、赤や青の原色ライトに照らされています。しょっぱなからすさまじいインパクトでワクワク。

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デッサンが展示された廊下を抜けると……
なにやら奇妙なものが
外観頭部とよく似た「地底の太陽」。頂部の「黄金の顔」、正面の「太陽の顔」、背面の「黒い太陽」と並ぶ第4の顔です
エキゾチックな雰囲気
異国であがめられていた神像

 そして、たどり着いたのがメイン展示であり、命の力強さを表したとされる「生命の樹」。五大陸の色に彩られたカラフルな樹木型のオブジェにさまざまな生物の模型が配置されています。樹の下層にいるのはアメーバやウミユリのような原生生物であり、上にあがるにつれ、は虫類や恐竜、ほ乳類へと進化を遂げ、最終的には人類となっていきます。

 注目すべきはその大きさで、ウミユリや恐竜が大きく作られているのに対し、人類の模型のサイズは非常に小さくなっています。これは、「原生生物=下等な動物ではない」という岡本太郎氏の考えが反映されたからとのこと。

これが生命の樹
下層にはウミユリやアメーバなどたくさんの原生生物が
奇妙な形のクラゲが漂っている
樹の上にいる派手な頭のイカはかつて存在していたオウムガイの一種か
ゆうゆうと泳ぎまわる古代魚にアンモナイト
怪しく目を光らせる古代は虫類

 現在この樹に並べられている模型は33種183体。そのうちゴリラの模型を除く29体が今回の内部展示にあたり、修復されたものです。ちなみに約50年前に作られたゴリラの模型には顔が動くギミックが盛り込まれていましたが、それは再現されていないとのこと。ぎこちなく動くゴリラ模型も見てみたかったかも。

細い樹の上でありながら力強く立つ恐竜たち
なぜか1匹だけ骨。「弱肉強食の生存競争を表しているのではないか」と想像する
その目は意外と鋭い
頂上付近はほ乳類のナワバリ
48年前から唯一現存しているゴリラは機械じかけ。むきだしの装置が独特の雰囲気を醸し出している
恐竜やゴリラに比べ、人類は意外なほどサイズが小さい
メンテナンス用の足場。足をかける瞬間を想像するとヒヤリとする

 階段を上りきったところには、なにやら奇妙な空間が。これは太陽の塔の「右腕」と「左腕」にあたる部分です。右腕にはかつては空中展示エリアに通じるエスカレーターがありましたが、今は取り外され鉄骨がむき出しになっています。左腕では、当時の非常階段を見ることができます。怪しげなライトに照らされたそのさまは、あたかも異空間への入り口のようでもあります。

右腕。ここにあったエスカレーターは空中展示エリアである大屋根につながっていた
現存する空中展示エリアの大屋根の一部
左腕。非常階段が見える

 生命の樹を堪能したら、別の階段を降りて帰路へ。ここでは大阪万博当時の写真や岡本太郎さんの略歴に関する写真が展示されています。もっと万博について知りたい方は、ここも忘れることなくチェックしておきましょう。

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現存していない1970年当時の展示写真も見ることができる

 公開から2カ月以上が経過したこのイベント、いまでも1日約1000人の入館者が訪れているとのこです。入館には公式サイトからの事前予約が必要となっています。足を運ぶ予定のある人は忘れないようにしておきましょう。

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