SWATが学校で犯人と撃ち合うPCゲーム、民間人が巻き込まれる内容で物議 慈善団体が販売中止を要請
開発元は「シミュレーターに過ぎない」と弁明。
Steamで6月6日配信予定のPCゲーム「Active Shooter」が、学校で警察が犯人と撃ち合う内容がもとで物議を醸しています。
同作は米警察の特殊部隊・SWATとして犯人と戦うFPS(一人称視点のシューティングゲーム)。犯人の立場でも戦えるほか、一般市民として生存を目指すモードの追加も予定されています。
開発元のRevived Gamesは、販売ページで「シミュレーター以上の意味はないので、真剣に受け止めないでほしい」と説明しています。しかし学校で学生ら民間人が殺される内容に、銃社会の諸問題に取り組む慈善団体「Infer Trust」が反発。Steamの運営元・Valveに削除を要請したと、BBCが報じています。これとは別に、有志による同じ主旨の署名運動も開始。1万6000人以上の賛同が集まっています。
批判を受けて、Revived Gamesはあらためて同作がシミュレーターにすぎないと強調し、暴力や虐殺を促進する意図はないとコメントしました。
その一方で、「もともとSWAT側だけだったプレイモードに、犯人側でプレイできるモードを追加したのが悪かったかもしれない」とし、この仕様を削除する可能性を示しています。また、今後のアップデートで、ショッピングストアやガソリンスタンドのステージを追加する計画もあるとのことです。
同社は本件について、Valveへ報告のうえ対応を待っているとのこと。近年Steamでは性的表現の線引きが議論を呼んでいることもあり、ゲームにおける暴力表現について、運営がどのような判断を下すかが注目されます。
(沓澤真二)
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