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ここまでスゲー船だったのか 提督胸熱、ポール・アレンさんの潜水艦隊「RV Petrelとその仲間たち」キャプテンながはまのマニアックすぎるシリーズ(2/2 ページ)

太平洋戦争で沈んだ軍艦を探させたら世界一と言っちゃっていい超スゲー人たち。ちなみにPetrelとは「フルマカモメ」って意味です。(画像26枚)

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これが個人の持ち物か!? 武蔵を発見したアレンさん所有の個人ヨット「Octopus」もすごすぎる

 アレンさんチームはPetrelを2016年に買い取って、大改装してから、前述したArgus 6000とRemus 6000を使って沈船探索を開始します。

 しかし、戦艦「武蔵」はそれ以前の2015年に発見したものです(関連記事)。武蔵は、アレンさんの個人所有ヨット「Octopus」とそれに搭載していたAUV「BlueFin-12」で探索し、最終的にROV「Octo ROV」で発見しました。この組み合わせで、第二次世界大戦にドイツの戦艦「ビスマルク」の砲撃を受けて轟沈した“英海軍の誇り”とする巡洋戦艦「フッド」も見つけています。

 Octopusは全長126.2メートル、船幅が21.82メートル、総トン数は9932トン。ドイツのヨットビルダーで1875年創業の老舗「LURSSEN」が2003年に建造したクルーザーです。2基のヘリポートを前甲板と後甲板に備え、上部構造にはヘリコプターの格納庫を備えています。さらに、船体後部にはプール式の艦載艇格納庫もあり、船尾の開口部から出港させることもできます。しかしこの堂々としたウルトラ高そうな船体……ほんとに個人で所有できるのですか、これ?(関連記事)

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アレンさんが個人で所有しているヨット「Octopus」(出典:LURSSEN、以下同)

前甲板と後甲板にヘリポートを用意(後甲板には格納庫まである)

船尾からは船内に格納している艦載艇が出港できる

船体後部にある小型艇格納庫

艦載艇出港時には格納庫に注水する

「Octopus」の操舵室。なんじゃのこのメカメカなコンソールは

 AUV「BlueFin-12」は、Bluefin Robotics(2016年2月にGeneral Dynamicsが買収)が開発した小型のAUVで、全長3.77メートル、直径32センチ。最大潜航可能深度は200メートルです。約2ノットの巡航速度でプロットした航路と水深で自律潜航できます。戦艦武蔵の探索では388平方キロメートルという広大な海域を24時間程度で調査し、そのソナー探査データから最終的な沈没予想位置を割り出したのです。


シブヤン海に沈む武蔵の位置を特定したAUV「BlueFin-12」(出典:GENERAL DYNAMICS、以下同)

おっと、意外に小さい

Octopusに見送られて出港するBlueFin-12(出典:PV Petrel/Facebookページ

 2018年現在、アレンさんチームの沈船探索の主役はOctopusからPetrelに移行しました。しかしアレンさんの発言やOctopusを建造し、運用管理もしているLURSSENによると「アレンさんと志を同じくする個人や団体に貸し出す可能性」が今後あるそうです。「あの艦娘とリアルで邂逅(かいこう)したい」と熱望している提督の皆さん、これでリアル掘りに挑戦してみてはいかがでしょうか。

長浜和也

 IT記者は仮の姿で本業は船長(自称)。小型帆船を三浦半島の先っちょに係留する“一人旅”セイラー。伊豆諸島を旅するため、学連経験やクルー修行をすっとばして、いきなり1級船舶免許を取得してヨットに乗りはじめて早20年。かつて船で使うデジタルガジェットを紹介する不定期連載も。

 →「海で使うIT」

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