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有志の攻略Wikiにリンクするのもダメ!? ネットの「嫌儲」はどうやって生まれ、なぜ広がっていったのかかーずSPのインターネット回顧録

かーずSPのインターネット回顧録、今回は「嫌儲」についてゆるゆると振り返ります。

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 ダンジョンメーカーが面白すぎて毎日が寝不足です。

 中毒性がヤバすぎて、そろそろ封印しないと仕事と生活がシャレになりません。そんな「ダンジョンメーカー」を広めたゲームブログ・ゲームキャストさんのつぶやきで興味深いものがありました。「5ちゃんねる」のダンジョンメーカースレを見に行ったら、攻略wikiへのリンクを巡って「アフィに手を貸すゲーキャスの回し者か」とスレが荒れていたというもの。ゲームキャストさんは「本来wikiとプレイヤーコミュニティは一体で、昔はまともなwiki複数にリンク張られたりしていたのに、断絶が起きてて悲しい」ともツイートしています。

 ゲームを遊ぶときには、2ちゃんねる(現、5ちゃんねる)で最新情報を拾いながら、テンプレに貼ってあるWikiをたどって、まとめられた攻略情報を読む。ゲーム攻略Wikiにお世話になっているとき、「インターネットの集合知ってすげーなー」といつも感心していました。

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 そんな経験があったので、今はWikiが毛嫌いされているという事実に驚愕しました。

 でも、そういえば心当たりがあります。ある時期から「モンスターハンター」シリーズの攻略Wikiがさっぱり機能しなくなっていました。「3(トライ)G」「4」くらいまでは攻略Wikiがブラウザのブックマークにずっと残り続けているんですが……。

 Wikiが嫌悪されている原因として、ゲームキャストさんは、

「儲けを狙ってただ乗りしているだけ」のまとめサイトと、「儲けを狙ってゲーム環境を悪くしている」ビジネス専用攻略サイトによって嫌悪感を抱く方向に加速した

――と考察されています。どちらも儲け=広告収入を得ているサイトが場を乱して、5ちゃんねる住人のヘイト値が積み上がっていったという流れ。今回は「嫌儲(けんちょ、けんもうなど読み方はいろいろ)」について語っていきます。

2ch住人とまとめサイトの摩擦が生んだ「嫌儲」

 「嫌儲」はネットスラングにしては珍しく、造語を作った人が明確です。Flash職人であり、ゲーム開発会社「シテイル」代表でもある“しっぽ氏”がブログで「嫌韓」をもじったことが元になっています。

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 「嫌儲」の話題が出てくるのは、2006年の「『嫌儲』についてと、vip系ブログを叩き潰すとどうなるか。」という記事。当時のまとめサイトに対する空気感がよく出ているエントリです。「俺たちの書き込みで金を儲けやがって! 許さん!」という“タダ乗り根性”への反発や、「一部の人間が儲かるのが嫌」という嫉妬の感情。書き込みのノイズを省いて見やすくまとめる労力はその際、関係ないわけです。

 ただし「まとめサイト」とひとくくりにしても、一部のブログはVIPPERとの闘争にあったように、調子に乗りすぎていた面があったことは否めません。

 一部のまとめサイトによる恣意的な編集、扇動、捏造など、功罪の“罪”部分が加速していき、営利目的の転載禁止を掲げる「ニュース速報(嫌儲)」板が誕生したのが2007年末です。

「のまネコ騒動」という前例

 「嫌儲」という言葉が生まれる前から、2ちゃんねるで儲けることを嫌う象徴的な事件がありました。2005年ののまネコ騒動です。

 モナーに似た「のまネコ」が商標登録されたことで、「共有財産として楽しんでいたアスキーアートなのに、独占して利益を得ようというのか!」と2ちゃんねらーたちによる祭りになりました(「祭り」って表現も懐かしいですね。今でいう「炎上」です)。

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のまネコ騒動(はてなキーワード)

 当時、「俺たちのモナーを守ろう」という義憤が強かったことを記憶しています。

 冒頭に触れた業者のゲーム攻略wikiも、まとめサイト戦争も、のまネコ騒動も、自分たちの書き込みに 「相手の金儲け」が重なることで何十倍にも怒りが吹き上がり、炎上するように見受けられます。

なぜ「嫌儲」感情は生まれるのか

 「嫌儲」な感情がなぜ起こるのか。これはもう、リスペクトが感じられないことへの不満なんじゃないかと推測しています。

 ネタを拝借するからには、ゲーム攻略を逐一検証していくスレ住人や、新しいアスキーアートを発明するAA職人への尊敬の念はやっぱり大事。ビジネスとして関わろうとする団体は、数を量産することにこだわるあまり、そこを怠りがちになってしまうのでは。「儲けを嫌がる」ことは、怒りスイッチのトリガーにすぎないのではないかということを感じます。

 といっても、「リスペクト」って言葉自体がフワッとした抽象論。どこまでやればリスペクトになるのか、ロジックで説明しづらいです。ただ二次創作でもいえることなんですが、オリジナルへの深い愛情と理解がないと、「飛影はそんなこと言わない!」って怒られてしまうわけです。

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 5ちゃんまとめ記事も、攻略サイトも、二次創作の同人活動も、ついでに言うと他業種から参入してきたオタク相手の商売なんかでも、愛が足りない行動は叩かれやすい。ネットでコンテンツを扱う場合、どこも明文化してないんですけど、重要なことだと思うんですよね。

 冒頭に紹介したゲームキャストさんが管理している「ダンジョンメーカー攻略wiki」や、個人的にゲーム愛が詰まってるなーと感じるのが「ゆるドラシル攻略Wiki」。こういう攻略Wikiは応援したくなります。嫌儲感情が消し飛ぶくらいの、ゲーム愛にあふれた攻略サイトが増えてほしいっすねー。

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