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「レーザー」と「ビーム」は何が違うのか?

そもそもどんなものなのか?

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 SFを見ているとしばしば登場する攻撃手段、それがレーザー、あるいは、ビーム

 レーザーキャノンやビームライフルとして、聞いたことがあるのではないでしょうか。そしてどちらも連想するのは、なんらかの光線が出る銃です。もしかして、レーザーもビームも同じものなのか? それらは一体どんなものなのか?

レーザーとビーム

 実は、ビーム(beam)は光線や、エネルギー、その他見えないものの線を表す英単語です。

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 一方のレーザーは、LASERとつづり、L:Light、A:Amplification、S:Stimulated、E:Emission、R:Radiationの頭文字をとって名付けられた言葉です。直訳すると「輻射(ふくしゃ)の誘導放出による光の増幅」です。

 輻射は一点から周りへ光を出すことなので、レーザーというのは光を出す方法を誘導放出に限定したものなんですね。光がまっすぐ出ることがビームだったことを思い出すと、レーザーはビームの種類の1つといえるでしょう。特別なビーム=レーザーということですね。

では、レーザーとは何なのか

 さて、レーザーとビームの関係も分かったので、ここからはレーザーが何ものかというお話を。レーザーの日本語訳に含まれた「誘導放出」というのがキーワードです。

電子は段階的に元気になる性格

 この世の物質は電子と原子核からできています。電子はいろんな出来事で元気になったり落ち着いたりします。例えば、光が当たったときに電子は光からエネルギーをもらって元気な状態になります。これを励起状態といいます。

 その励起状態というのは「徐々に元気になっていく」のではなく「段階的」である、というのが今回のポイントです! 超サイヤ人、超サイヤ人2、のように段階があって、その中間(超サイヤ人1.5)がありません。光に1段階励起させるだけのエネルギーがなければ電子は励起できない、ということです。

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 逆に、電子が元気な状態から落ち着いた状態に戻るとき、徐々に戻るのではなく、段差を飛び降りるように一気に戻ります。そのときに余ったエネルギーを光として出し、これが誘導放出です。

誘導放出は何が良いの?

 そうやって光を出すのはいいとして、何がうれしいんだ? 普通の光とは何が違うの?

 それは、この方法で光を出すと、光の色を1色に絞ることができるのです!

 電子の励起エネルギー(落ち着き状態と元気状態のエネルギーの差)は物質によって決まっています。つまり、元気な状態から落ち着いた状態に戻るときは、毎回必ず同じ量のエネルギーを出すということです。

光の色とエネルギーの関係

 さらに、光はエネルギーに応じて色が決まっています。光の色を決めるのは波長です(700nmなら赤、350nmなら紫のように)。波長が決まると周波数が決まるのですが、周波数はエネルギーで決まります。

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 「エネルギーに応じて周波数が決まる」という関係を見いだしたのは、かの有名なアインシュタインです。彼は「光は粒のようにエネルギーを運ぶ」という光量子仮説を唱え、光電効果(金属に光を当てると対応したエネルギーの電子が飛び出す)を説明し、ノーベル賞を受賞しました(マックス・プランクが少し早く別の理論の中で光のエネルギーの受け渡しは周波数×定数の形で説明されると述べており、その定数はプランク定数と呼ばれている)。


左:アインシュタイン、右:プランク

 さて、いつでも1色だけの光を生み出せるというのがレーザーの偉いところです。ブランコで同じタイミングで背中を押したときのように、1色だけの光を集めるとどんどん強めることができます。これがLASERのLAの部分(光の増幅)です。

 強めた光は、遠くまで届いたりまっすぐ進んだりできるので便利だというわけです。

まとめ

 ビームのなかでもレーザーが特別な光であることが分かりました。だからといってどちらが強いということはないようです。

 一方で、レーザーの特別性に着目すると、量子力学に触れることができました。アインシュタインのすごさにもあらためて気付かされましたね。

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 ちなみに、レーザーは、出力の低いものでも、直視すると失明の危険性があります。家電量販店などにも、レーザーポインターなどが売っており、会社や学校で扱う機会も多いと思います。ご使用の際には、説明書をしっかりと読み、取り扱いには十分注意してくださいね。

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