妊婦の大変さに理解のない夫を先輩がバッサリ 漫画「『母親』が弱音を吐くのは甘えだと言われた話」
「第三者の意見が効く」の、すごくわかる。
妊娠中で“つわり”に苦しんでいるというのに、夫が妻への負担を考えずに長男の塾通いを決めた――そんな経験をつづった漫画「『母親』が弱音を吐くのは甘えだと言われた話」が、Twitterで話題を呼んでいます。前半は夫の言動にイライラさせられると思いますが、後半で盛り返せるはずなのでどうにかガマンを。
作者のなきりエーコ(@nakiri_aik)さんが2度目の妊娠中、つわりが最高潮だった時期の話。夫が帰宅するなり、来週の休みに長男の塾へ見学に行こうと言い出しました。塾は自宅から片道30分の距離。夫は仕事があるからと、送り迎えは妻がやる前提でどんどん話を進めていきます。つわりひどいのに。
結局、次の休みは家族で塾へ体験に行くことに。ゲーム感覚で学べるシステムが合ったようで、長男も楽しそうです。そんな様子に気を良くしてか、夫は妻に相談することもなく入塾を即決。ああ、なんだかいたたまれなくなってきた……。
もしこの塾に通う場合、距離の都合でいったん帰るのは難しく、塾に待合室はないので、エーコさんは近くのファミレスで待たざるを得ないことになります。つわり中、常に食べ物のにおいがする場所に長時間いるのは大変ですし、出産後は乳児が一緒と考えると、かなり厳しい状況が想像できます。そんな意見を差し挟む余地もなく、夫はその日のうちに仮入会を決めてしまいました。
見学を終えてすぐ、エーコさんはなぜ相談しないで決めてしまうのかと、これまでのモヤモヤをうち明けました。しかし夫の返事は「甘えるなよ」。「よその母親はつらくてもがんばっている」「子どもがせっかくやる気になっているのに母親が足かせになるな」「子どものためにがんばるのが母親だろ」と、「理想の母親像」を押しつけてきます。
翌朝、家族を送り出したエーコさんは、夫の言動を思い出して怒りを再燃させます。長男の塾通い自体は賛成なので、ほかにも楽に送り迎えできるところはないかと検索し、近所に幼児向けの塾を数件発見。この情報をもとに、もう一度夫と話し合うことにしました。
やがて夜になり、夫が帰宅。エーコさんがやや怒気を込めて塾の話を持ちかけると、夫は開口一番「ごめん! 昨日は悪かった!!」と謝ってきました。これにはエーコさんも、怒りのやり場を失って困惑。
実は、夫は会社で事務員のおばちゃんに昨日のケンカについて話したところ、「甘えてんのは君のほうだよ」とたしなめられていたのでした。
彼女は「つわりは一生続かないけれど、長期間四六時中ずっと二日酔いが続くようなもの」と、夫の言い分に反論しつつ、二日酔いのときはどうしているのか質問。薬を飲んで寝ていると夫が答えると、「つわりに薬なんてない」「家事や育児をしながら満足に寝ていられるわけない」「だいたい君が二日酔いで寝ていられるのって奥さんが子どもを見てくれているからでしょ?」と、どんどん問い詰めていきます。
説教はさらに続き、「限界は人それぞれなのだから“みんな”と比べちゃダメ」「子どもも大事だけど、奥さんも人間だから1人ではできないこともある」と、夫の意見を次々と否定。塾の件も、結局諸々の雑事をエーコさんに負わせることになるのだから、もう一度夫婦で話し合ったほうがいいと提案してくれました。そして最後に、「ちなみに私はそういうすれ違いやイザコザがあって別れちゃったんだけどね」とひと言。トドメの言葉が異様に重い。
大先輩にこんこんと説かれて、夫はすっかり反省。近場の塾に通わせるエーコさんの案は受け入れられ、見学したところ長男も気に入り、塾通いの件は丸く収まりました。エーコさんは「事務のお姉様」へ感謝しつつ、「役割ばかり押しつけず、妊娠出産育児はお互い相手の立場に立っていたわる気持ちが大事」と、話を結んでいます。
ツイートには「序盤を読んだときはショックでしたが、最後はホッとして涙が出てきた」「事務のお姉様がすばらしいし、考えを改めて謝れただんなさんもすばらしい」など、さまざまな反応が。「第三者・経験者の意見はありがたい」と、似た経験を持つ人の声もみられます。
エーコさんは自身のブログ「ヲタママだっていーじゃない!」でも、育児漫画を公開しています。2度目の出産で長女が生まれ、現在は4人家族に。今回の漫画はハラハラする展開でしたが、なごむエピソードも多くてホッとしました。
(沓澤真二)
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