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ゲテモノの認識が覆った……! “昆虫食伝道師”が愛を込めて作るコオロギラーメンを食べてきたチョーヒカルのゲテモノデート

コオロギラーメン、そのおいしさたるや。

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 体にリアルなペイントを施したり、漫画やイラストを描いたり、映像作品なども制作しているチョーヒカルです。毎月、嫌がるねとらぼ編集部ののとを引き連れて“ゲテモノ”の食レポをしていきます。

チョーヒカル プロフィール

体や物にリアルなペイントをする作品で注目され日本国内だけでなく海外でも話題に。イラスト、立体、映像作品などを制作。自身初の漫画『ストレンジ・ファニー・ラブ』、イラスト本『絶滅生物図誌』が絶賛発売中。

第8回目:コオロギラーメン

 小さいころは平気だった虫。大人になるにつれてなぜか毛嫌いしてしまっていました。

 今回は、小さいころから“食べちゃいたいくらい大好き”だという虫を“食べ物”として広めようと活動している、地球少年こと篠原祐太さんがつくるコオロギラーメンです。いろいろとお話も伺ってきました。

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昆虫食への思いは誰よりも熱かった

 日本では昔からハチの子やイナゴなど、虫を食べる文化がありました。もともと関わりは深いはずなのに、連載第1回目で紹介した昆虫5種盛りのように“虫”そのものの見た目のインパクトに敬遠されてしまうことも少なくありません(私も食べるのに一苦労しました……)。

 第1回目でゴキブリを食べた衝撃が忘れられず“昆虫食”へのイメージは苦手意識が強いままでしたが、今回は主にダシとして使われているとのことで見た目も虫要素はゼロ(素揚げのコオロギのトッピングはしました)。ほぼコオロギだけでとったというダシはまるで煮干しやエビからとったような海鮮風味。あっさりしていてコクのあるスープが非常においしかったです。「全然クセもないし、コオロギっていわなければ分からない!」とごくごくスープを飲んでいたら実は1杯につき約80匹分のコオロギが使われているそうです。こんな大量にコオロギを摂取したの初めて……。


1杯約80匹分のコオロギが含まれているんだとか(撮影:くコミさん)

あれだけ昆虫食を嫌っていたのにおいしぎてすぐ完食しました byのと(撮影:くコミさん)

―― コオロギラーメンを始めたきっかけは何だったのでしょうか?

地球少年 虫ってあまりイメージよくないじゃないですか。特に食べるとなると“おいしい”ってイメージわかないと思うんですね。僕は小さいころから虫が好きで食べたりもしてきた中で、虫のいいところをたくさん見てきたつもりなので、そういった偏見を取り除いて多くの人に昆虫食の魅力を伝えたいなと思って始めました。

―― なぜコオロギ?

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地球少年 コオロギは1番いいダシが出るんですよ。他にもトンボや毛虫、セミ、ゴキブリなどいろいろな虫からダシを取りましたけど、1番クセがなくておいしい。


ダシには昆布や椎茸なども含まれているそうですが、ほぼコオロギなんだとか(画像提供:地球少年さん)

―― 確かにすごくおいしいスープでした。見た目も普通のラーメンと変わらないし、これなら虫が苦手な人でも食べられそう!

地球少年 そうですね。ラーメンにしようと思ったのも、比較的抵抗なくたくさんの人が食べられると思ったからなんです。特にクセもないので、コオロギからとったダシだって分からない人も多いと思うんですよ。ただ、見た目重視で昆虫食を出しているところもありますし、そういった点では少しインパクトがないかもしれないですね。

―― 虫そのままの見た目だと少し抵抗はありますよね。以前ゴキブリ(デュビア)の素揚げを食べましたが、なんというか、やっぱり少しクセがあったというか……。

地球少年 ゴキブリは結構クセの強いものが多いんですよ。食べてる餌とかによっても味が変わってきちゃいますし。でも、ゴキブリには独特のこうじっぽい風味があるので、それを生かすような調理法をしてあげた方が、“おいしく食べる”という意味ではデュビアに対して正しい在り方なのかなと思います。

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―― 餌とかでも味が変わっちゃうんですか!

地球少年 そうですね。このコオロギラーメンに使っているコオロギは、ケールやキャベツなど緑系の葉っぱを中心に食べているのでクセが少ないんですよ。あと、メスは卵があったりするとそれだけでも味が変わってきます。


特別にダシをとった後のコオロギを食べさせていただきましたが、ごまのような風味がして全く臭みがありませんでした

―― そんな繊細な味の違いまでこだわっているんですね。

地球少年 その分コストはかかってしまいますが、たくさんの人においしく食べてほしいので。あと、このラーメンにトッピングしてあるコオロギは僕が自宅で育てたんですよ。


地球少年さんが育てたトッピングのコオロギ

―― 愛着とかわきそうですが、どんな思いで食べてるんでしょう?

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地球少年 もちろん愛を持って育てるので愛着はわきますが、その分愛をもって食べます。僕からしたら虫を食べるという行為は、大好きな存在とふれ合う1つの形なんです。食べられる側からしたらたまったもんじゃないと思うんですけどね(笑)。

―― コオロギすごくおいしかったです。お店とか出してほしい……。

地球少年 今春、大学を卒業して時間ができたので、店舗を構えたいなという気持ちはあります。ただ、より多くの人に昆虫食を広めていきたいという気持ちがあるので、こうやっていろいろなお店とコラボをした方がいいのかなと少し悩んでます。性格的にもその方が向いている気もしていて。

―― なるほど。また次回販売することがあったら来ます!

地球少年 ありがとうございます。Twitterとかで随時情報は配信しているので見てもらえると。あと、今回はパクチーに合うようにピリ辛にアレンジしたので、オリジナルのものも食べてみてください。

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虫への愛にあふれていた地球少年さん

チョーのあとがき

 コオロギラーメン、ああ、コオロギラーメン。

 最初に聞いたときは、奇をてらったゲテモノ料理だと思っていました。ところがどっこい、そのおいしさたるや。

 パクチーの上に乗ったコオロギの素揚げの“野生の虫感”なんて一瞬で忘れました。

 本当にただただおいしくて、ダシの味がほぼコオロギの味のみだということが信じられません。むしろ普通のラーメンよりおいしい。もしお店があったら食べログ評価3.9は堅い。

 途中からコオロギを“虫”ではなく“食べ物”として認識し出してしまいました。

 圧倒的なおいしさって人の認識を変えるほどパワフルなのだな。今までのゲテモノの認識を覆す画期的なラーメンでした。

 思い出している今すでにもう一度食べたくなっています。

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