ゲリラ豪雨は8月中旬に集中 西日本では最大で昨年比2.4倍発生する地域も
7月中旬から8月中旬だけで、全体の7割が発生するとの予想。
2018年の「ゲリラ豪雨傾向」をウェザーニューズが発表しました。ゲリラ豪雨は7~9月に全国で3852回起こり、全体の7割が7月中旬から8月中旬に発生する予想です。
全体の回数は過去4年平均の9割で、発生の少なかった2017年とほぼ同程度です。しかし西日本では過去よりも増加する地域が多く、徳島県では2017年比で2.4倍、過去4年平均比では2.7倍と予想されています。
また、広島県では156回、福岡県や京阪神では200回以上発生する見通しです。7月上旬の大雨災害で被災したエリアでは、通常より少ない雨量でも浸水や土砂崩れにつながるケースがあるため、自治体情報を随時確認するなどの注意が必要です。
ゲリラ豪雨が西日本で多く発生する一因は、太平洋高気圧が平年よりもやや北に強く張り出す傾向があるため。高気圧の縁にあたる西日本では湿った空気が流れ込みやすく、大気が不安定になります。一方、高気圧に覆われやすい東日本では、ゲリラ豪雨の多発は比較的起こらないとの予想です。低気圧や前線の影響を受けやすい北海道でも、発生回数は少なくなるとみられています。
時期別に全国の発生回数を見ていくと、8月上旬までは湿った空気の影響を受け、ゲリラ豪雨が発生しやすくなるとのこと。ピークとなる7月下旬~8月上旬は各地の花火大会開催時期でもあり、今シーズンも天候の急変による開催中止が懸念されます。
8月中旬から9月上旬になると、太平洋高気圧にしっかりと覆われるため、東・北日本を中心に発生回数は比較的少なくなる見込み。9月中旬には台風や低気圧、前線の影響を受けやすくなり、シーズン後半になるにつれてゲリラ豪雨も終息に向かうと見られます。
(沓澤真二)
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