花守ゆみりさんが30代おっさん達へ全力で解説する『ハッピーシュガーライフ』の魅力!(2/4 ページ)
アニメ放送もスタートした10代女子の人気作『ハッピーシュガーライフ』。その魅力を声優の花守ゆみりさんがプレゼンした。
花守:それでは、ここでクイズです。こちらに写っている男の子が、わたくしが演じるあさひくんという子なんですけれど、ちょっとこの「病めるときも貧しいときも~……(略)死が二人を分かつまで」っていう。この呪文のような言葉が作中に何度も出てくるんですが、実はこの言葉をさとちゃんは前にしおちゃんから唱えてもらっているんですよ。
田中:うわ。絶対ドロドロしてるよ……。
にゃるら:イマドキ女子の恋愛関係に30代がビビりまくってますね。
花守:二人だけの秘密の言葉である、それを……それを!!! なぜか部外者が唱えてしまっているという状況なんですよ。なんでしおちゃんしか知らないはずの言葉をコイツが知ってるんだってなったところで、さとちゃんは嫉妬心を抱いてしまい――
花守:このときのさとちゃんの顔がこれなんです。さて、続くさとちゃんのリアクションは一体どんなものだったでしょうか?
たろちん:嫉妬してるんですよね?
花守:そう、嫉妬です。この後どんな表情するのかな、どんな行動に移るのかなって。愛のためならね、前の住人さんに、ん~………ちょっと頭を下げてね、貸してもらっているくらいのさとちゃんならね。ここまでさとちゃんの魅力を見てきたみなさんなら絶対わかると思うんですけど。
たろちん:なんだコイツはって怪しんで、探偵をつける!
花守:探偵をつける……あっでも、ちょっと近いと思います! 他には?
田中:なんか、その……暴力的な手段に訴えたりとか?
花守:暴力的な手段に訴えそうな子に見えますか?
にゃるら:怒っちゃったじゃん。
全員:(笑)。
花守:では、実は正解はこちら!
全員:えっ!?
花守:じゃん! 満面の笑みなんです。
高橋:フーン。
たろちん:ほぉ……。
にゃるら:急にテニプリのキャラみたいな反応しないでください。
田中:えっ? なぜ笑っているんですか?
花守:あれ~? なんで疑問に思うのかな? だって……だってですよ。さとちゃんはしおちゃんの事を誰よりも何よりも愛しているんです。そんな自分が、しおちゃんのために嫉妬する事ができたんです! 正解は……これが嫉妬なのね! と感動を覚えるんですよ!
全員:なるほど~。
花守:これが本当の愛なんだと。しおちゃんに会う前は、何度も男の人と関係を持つこともありました。
全員:えっ!?
にゃるら:過激な設定がさらっとでてきたので、完全におっさんたちが動揺していますね。
花守:それは置いとくとして、さとちゃんにとっての初めての嫉妬だったんですよ! 自分にもこういう感情が抱けるんだ! って喜びが現れているんですね~。
たろちん:一度カウンセリングとかに行ったほうが良いんじゃないですか?
花守:なんのことかな~?
高橋:じゃあ、今までその……男の人とアレコレあったけど嫉妬にすらならなかったって事ですね。
花守:そうです! 他の人では決して埋まることのない空虚な穴……。そこに、しおちゃんと出会ったことで、こんな顔になっちゃったわけです。
たろちん:え……じゃあ、しおちゃんとも身体の関係ってあったり……。
花守:ないですよ! も~……!
たろちん:あっ、ないんですね。「私レズだった」ってことじゃないんだ。
にゃるら:とことんおっさんな解釈。
花守:しおちゃんとの関係はそういう言葉では表現できないんです!!! 純愛なんです。
たろちん:なるほど。それで嫉妬すら喜べると。はぇ~……そんな人いるんだ。
花守:ハッピーシュガーライフを語る上で「百合」という言葉を使う方も居ますけど~……百合って言葉が示すものはメチャクチャ広いですよね。「女同士の恋愛」というだけでは語り切れないです。例えば友達同士の友愛だったり、一番大切な人に対する独占欲や嫉妬だったり~……。
にゃるら:ちょっと、これ以上は危ない方向に入っていきそうなので割愛しましょう。
花守:とにかく全ての愛をしおちゃんから知ったんです。さとちゃんにとっては、しおちゃんこそが……砂糖なんです。
全員:あっ!! へぇ~……なるほど。
花守:そう! 二人で過ごす日々こそがハッピーシュガーライフなんです!
田中:あっ、シュガーってそういうことか。
たろちん:なるほど。遠回しだな~。
にゃるら:ロマンチックのかけらもないおっさんたちでも気付ける丁寧な解説ありがとうございます。
花守:嫉妬という感情に気付けた! 良かった! ……じゃあ、それはそれとして計画的に排除しなきゃ。
高橋:えっ。ちょっと待っておかしくないですか? やっと、しおちゃんの事を心から愛してるんだって気付けたからこそ冷静にならなきゃ。
花守:あのコマの直後なんですけどね、実はバールを振り上げているんです。けど、そこにバイト先の同僚の三星くんという方が来て、いったん収めるんです。ここでヘマをするとハッピーシュガーライフが失われるかもと。冷静になってコレなんです。
全員:なるほど……。
花守:しおちゃんのためにこんなに嫉妬できるんだ! うれし~! ……計画的に排除しなきゃ。
高橋:エンペラータイムが発動してる。
にゃるら:またおっさんらしい例えだ。
たろちん:情緒に不安があるね。
花守:さて、わたくしの演じる謎の少年あさひくんなんですけど、この子は作中で結構……結構、けっこ~~痛い目にあっちゃいます! 初登場時からだいぶ心配になるような傷の目立つコマがたくさんあるんですけど。
田中:だいぶ卑屈そうな感じの子だね。
花守:そうですね。フードを被って伏し目がちなんです。彼はそうですね~……やっぱり、しおちゃんと家族関係にあったのかな~って感じがしますよね。それで探し回っているんですけど、一向に見つからないどころかどんどん街の人にボコボコにされるんですよ。
たろちん:この街の治安悪すぎない?
花守:まあ彼は優しくない世界をいろいろと見ていくわけですが、そこでボロボロになったときにさとちゃんのバイト先の子である三星くんに助けてもらって、さっきのバイト先のソファで休んでいたわけなんです。
高橋:警察行ったほうがいいよね。
花守:でも、彼は大人を信用していないんです。その理由は今は言えない!
たろちん:そうなんだ。
にゃるら:肝心の大人の感想が軽い。
田中:なんで登場人物の両親たちが全員出てこないんですか? みんなネグレクト?
花守:正に「両親」がハッピーシュガーライフという物語のキーワードなんです! けれど、それもやっぱり詳しくは言えない……みなさんアニメと漫画を見てください! 販促!
さて、この爽やかなイケメンの三星くんなんですけど、実は彼にはトラウマモノの事件がありまして、そのせいでちょ~っと……こう、気持ち的に変化が現れてしまったんですよね。その事件を切っかけに。ちょっと、特殊な気持ちを抱くことになったんですよ。ここでかなりざっくりとしたクイズを出しますが、一体イケメンの彼がある事件でどう変わってしまったでしょうか?
たろちん:わかった。男が好きになってしまった!
花守:あ~、最近ね! 「おっさんずラブ」も流行ったからね! そういった純愛も描いていく……話ではありません!
たろちん:いやぁ、この子すごく顔がかわいいからおっさんたちに、ね。
にゃるら:竿役のセリフだ。
花守:それは、先生の描く絵がかわいいから! かわいいから男の子もかわいくみえるんです! 確かに、この絵ですから需要はあると思いますが、違うんです! もっと、ないですか。ここを拗らせるとか。
高橋:拗らせる……じゃあ、さとちゃんかしおちゃんを好きになる!
花守:あ~……それは間違いではないんですけどね。彼はさとちゃんを好きにはなるんですが、その後の事件でトラウマになって拗らせてしまうんですよね。ある物が無理になって、ある物が好きになってしまうんですよね。答えはこちら!
花守:そう! ロリコンになってしまうんです!
田中:ちょっと待って! 全然意味がわからないんですけど(笑)。
花守:彼ってかわいいじゃないですか。だからバイト先で目をつけられちゃうんですよ、店長に。
たろちん:あっ、店長は女性なんだ。オレは店長が男だから同性が好きな自分に気付いたのかと。
花守:男じゃないんです。惜しいですね。ちょっと店長が目をつけていたところで、三星くんはですね。さとちゃんを好きになってしまうんです。で、告白もするんです。けど、フラレてそれがバレてしまう。……そして店長からあんなことやこんなことをされてしまう! その結果…………女の人が無理になってしまう!
全員:なるほど……。
花守:そんなときに、探していますの張り紙を見て目覚めてしまうんです。「ぼく、この子なら……!」って。
高橋:これ、この二人会わせないほうがいいよね。
花守:それが会っちゃうんですよね~! しおちゃん会っちゃうんですよ、一番会っていけない人に! 見てください、右端のイっちゃってる目! 一体こいつはちっちゃい子になにを感じているんだ!
花守:他にもハッピーシュガーライフにはいっぱいのキャラが登場するんですよ! ちなみに右の人はさとちゃんのクラスの先生……やばい人です。
全員:見てわかる(笑)。
花守:そして左の子はさとちゃんの親友なんですけど、唯一読者が感情移入できる普通の子なんですよ! この子……しょうこちゃんもさとちゃんと一緒に遊んでいた時期があるんですけど、さとちゃんがしおちゃんを見つけてから遊んでくれなくなって寂しいなってなり……いずれさとちゃんの秘密に気付いていくのかな!? どうなのかな!? 続きは漫画とアニメで! 販促です!
花守:そんなハッピーシュガーライフの中でも、屈指のやばい人がこちら。
田中:うおっ……。
花守:見るからに……やばいですね!
たろちん:一番やばいですね。ラスボスですね。
花守:こちら、さとちゃんの叔母様なんです。この叔母様をキャラクターとして言い表すなら……バブみサイコホラー。
高橋:バブみ、サイコ、ホラー……?
花守:叔母さんすっごい怖いと思うんですけど、母性の塊なんですよ。みなさん母性と聞くと女神様のような素晴らしい方を想像すると思うんですが。実際、アニメでは声を井上喜久子さまが担当しています。そう、この方は母性がカンストしている。いや、カンストして母性が一周まわっているんですよ。
花守:あのですね。母性がカンストすると、相手が何を考えているのかわかってしまうんですよ。「たたいたっていいよ。何したっていいよ。アナタがすること全部受け止めてあげる!」……ブラックホールのような女ですよ。
高橋:そんな例えある?
田中:全ての愛を受け止めてしまうんだ。
花守:そう。受け止めてしまいます。その愛がどんな形であったとしても。暴力だったとしても、暴言だったとしても、全て受け入れて愛してあげる。
たろちん:それは本当に愛なんでしょうか?
花守:そう。それを踏まえて、この作品で「愛とはなんだ?」と知ってもらえると。
全員:なるほどね~。
花守:さて、次のコマいっていきましょう。……もちろん! もちろんですよ。先生の絵ってかわいいじゃないですか! こんなもう女子だけの空間に密着したりとか! あ~かわいいですよね、本当! なんてハッピーでシュガーな会話なんでしょう! 続いて!
花守:はい! もう~見てください! さっきまでのかわいい空間から一転して、こんな妖しいきれいなエロまで。
「私だけはすーちゃんを愛してあげる」……って、すーちゃんって誰だよ!?
全員:本当に誰だよ!
花守:甘やかしの暴力~~~~!!! いやぁ気になるなぁ~ってところですが、今回のプレゼンはここまで!
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