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洞窟で遭難しても安心? 漫画で分かる「岩の湧き水を簡単に集める方法」 ペットボトルと下着を活用

タイの遭難事故が記憶に新しい今こそ留意しておきたい。

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 6月から7月にかけて大きな話題となった、タイの洞窟での遭難事故。閉じ込められた少年たちは発見されるまでの9日間、雨水や岩からしたたる水を飲んでしのいだといいます。これを受けて、漫画家の大塚志郎(@shiro_otsuka)さんが、「湧き水を安全に飲む方法」の解説漫画をTwitterで公開しました。

 公開されたのは、大塚さんが制作した同人誌『無人島に何か一つ持ってくとしたら何持ってく?って話 3』から抜粋されたもの。「無人島でも使える万能スマホがあるとしたら、現代人はどこまで生き残れるか」を考察した作品です。作者はタイの一件について、「湧き水はおそらくあそこで手に入る最も清潔な水」とコメント。「水たまりなどの不潔な水を飲むと下痢になり、より水分を失う恐れがある」として、漫画でも「清潔な水」の集め方が描写されています。

DLsite.comなどで電子版が発売されています

 漫画ではまず、岩などからしみ出た水は地中でろ過されているため、川の水などよりも安全であると説明。しかし、自然の地形は都合良く水を集めやすいようにできておらず、ペットボトルをあてがっても全然入ってきません。

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 そこで主人公は、まず無人島に漂着したゴミからペットボトルと布を探します。布に湧き水をいったん吸わせて、ペットボトルへ流し込もうというのです。ただしゴミには見た目で分からない有害物質が付着している場合もあり、洗ったところで飲み水のために使うのは抵抗があるでしょう。そのため、漫画では自分の靴下や下着を使う選択肢も提示されています。得体の知れない漂着物と比べれば、気分的にも楽かも。

 布が用意できたら湧き水にひたし、一端をペットボトルの飲み口に挿入。水が布を伝ってボトルの中へたまっていきます。布がフィルターの役割を果たすので、水の清潔さもある程度保たれます。

 湧き水を手に入れてもそのままでは飲まず、浄水器を作ってろ過することに。材料や道具は、砂利や木の炭、とがった石など、浜辺にありふれたものでまかないます。日光を集めるなどして火をおこしたら、石をあぶって即席のヒートナイフに。ペットボトルの底を切って容器にします。

 容器の中に布・炭・砂・炭・砂利の順で材料を詰め、布でフタをしたら浄水器が完成。これに湧き水を通せば飲用水ができあがります。しかし、きれいな水道水に慣れ、雑菌に免疫のない現代人にはこれでも不十分。一度煮沸消毒することで、ようやく安全に飲めるとしています。

 ねとらぼ編集部ではタイの洞窟での出来事と漫画の内容について、日本ケイビング連盟の会長で探検家の吉田勝次さん(「吉」は本来上が「土」)にも取材しました。

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 吉田さんによると、湧き水を飲む際はやはり「できるだけいったん煮沸してから飲んだほうがいい」とのことでした。また気温が高い場合には、ためた水を上着などで覆う手もあるそうです。蒸発した水が水滴となって覆った部分に付くので、これを集めればある程度清潔な水が手に入るといいます。

 タイのケースでは、湧き水があまりろ過されずダイレクトに洞窟内へ流れ込んでいる可能性もあり、清潔さについて断言はできないとのこと。とはいえ、漫画で描かれているように、湧き水よりも地面に溜まった水のほうが危険度は高いのは確かだそうです。

 水の集め方については、穴を掘って地中の水を取り出す方法もあるとのこと。遭難や災害による緊急事態は誰にもどこででも起こりうることなので、重要な水の確保手段は留意しておきたいところです。

作品提供:大塚志郎(@shiro_otsuka)さん

(沓澤真二)

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