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ドリームキャストの名作「シェンムー」に20年越しの隠し要素? 開発者がチャットで“幻の技”の存在明かす

シェンムー学会ー! はやくきてくれー!

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 ドリームキャストの名作「シェンムー 一章 横須賀」(1999年・セガ)開発に関わったという人がチャットに降臨し、20年前に仕込んでいまだに見つかっていないという“隠し要素”について告白しています。特定のシーンでとあるコマンドを入力すると、主人公・芭月涼が「真昇龍拳」っぽい技を繰り出すというもの。えええええ!

シェンムー 一章 横須賀」(Amazon.co.jpより)

 きっかけになったのは、ゲーム情報サイト「ゲームキャスト」のDiscordチャンネルでの会話。ゲームの裏技について語るチャット部屋(現在は消滅)の中で、初代「シェンムー」開発に関わっていたという人がポロリと「これは大技林にもネットにも出てないですが、港でのQTE(画面に合わせて瞬時にボタンを押すイベント)の最後で、波動波動Aを3フレーム以内に入力すると、真昇竜、でますよ」と発言したことでした。たちまちチャットルーム内は「やばい、これは大声でしゃべりたい」「なんか超スクープ放り込まれてる」など騒然となりました。

チャットルーム内がざわついた瞬間(ゲームキャストのDiscordチャンネルより)

 ただこの裏技、「波動波動A(236236+A)を3フレーム以内に入力」という条件からも分かる通り、正規の手段では絶対に入力が間に合いません(236236+Aを入力するには最速でも6フレーム必要なため)。発言者によると、開発時点ではギリギリ入力可能なくらいの受付時間にしていたのですが、プロデューサーの鈴木裕氏からストップがかかってしまい、製品版では残念ながら日の目を見ることはなかったそうです。

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 発言者にチャットで詳細を聞いたところ、当該部分はDISC2の冒頭、第8倉庫を探す途中で不良のゴローと戦うシーン。記憶が確かなら、3回発生するQTEの最後で「236236+A」を3フレーム以内に入力するのが条件とのことでした。もちろん実機では絶対に不可能ですが、「真昇龍拳っぽい技」と「発動条件」自体はデータとして残っているため、当時は「入れてさえおけば、後々、例えば10年くらいすれば、(解析などで)解き明かされるだろう」(発言者)と期待していたそうです。また「シェンムー」は当時としては膨大なゲームボリュームの作品だったため(今見ても十分膨大ですが)、他にもいまだ見つかっていない隠し要素がかなり残っているとのことでした。

ゴローの「やりぁがったな!」の後の「B」で真空波動コマンドを入力
おそらくここが当該QTE(動画1分14秒あたり)

 なぜそんな裏技を仕込んでいたのか、発言者は次のように振り返っています。

「俺らは、セガの社員ではあったけど、社会人らしからぬ、ただただ面白い事だけを求めてゲームを作って居たし、そういう気持ちを忘れたら、絶対に駄目だってみんなで言ってて。」

「本当はね、こういう、誰かから教えられる分けでもない、様々なミニマムイベントを全キャラに並行的に持たせて、エンディングは一緒でも、途中経過がプレイヤー全員違う、みたいなのを、俺らは作ろうとしてたんですよ。マルチエンディングの対極にあり、メインストーリーだけは絶対に沿わせながら、プレイヤー全員に異なる体験をあげたかったんです。」

 残念ながら筆者も実際に確認できたわけではありませんが、データとして残っているというのが事実なら、“正規の手段”では再現できなくとも、何らかの“正規でない手段”(解析や改造など)を使えば確認できる可能性はあります。「実機で再現不可能」というちょっと反則的な隠し要素ではありますが、そんなものまで消さずに残しているあたりに、当時のセガや開発スタッフの遊び心がうかがえるようです。

 幻の「芭月涼の真昇龍拳(っぽい技)」は果たして本当にあったのか、セガファンやシェンムー学会の検証が待たれます。

シリーズ2作品を1本にまとめた「シェンムーI&II」は2018年発売予定

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