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猫ちゃんがカワイイから死にまくってもつらくない! サイケと猫とマゾゲーを混ぜた電子ドラッグ「PUSS!」の中毒性がヤバい週末珍ゲー紀行

ハイになった状態でイライラ棒をプレイする感覚。

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 みんなが大好きな「猫」と、同じくみんなが大好きな「マゾゲー」。じゃあ、もしもこの2つを混ぜたらどうなっちゃうの……?

 カナダ育ちの脳筋女子ゲーマー、Ritsuko Kawai@alice2501)さんによる週末珍ゲー紀行、第18回はそんな「猫」と「マゾゲー」が悪魔合体を果たしたような作品です。

ライター:Ritsuko Kawai

カナダ育ちの脳筋女子ゲーマー。塾講師、ホステス、ニュースサイト編集者を経て、現在はフリーライター。下ネタと社会問題に光を当てるのが仕事です。洋ゲーならジャンルを問わず何でもプレイしますが、ヒゲとマッチョが出てくる作品にくびったけ。Steamでカワイイ絵文字を集めるのにハマっています。趣味は葉巻とウォッカと映画鑑賞。ネコ好き。

サイケとネコとマゾゲーを凝縮して生まれた中毒性の塊

 世の中にあふれる“変なゲーム(珍ゲー)”を紹介する「週末珍ゲー紀行」。第18回はサイケデリックな異空間に迷い込んだ子ネコを操作して出口を目指す超高難度ゲームPUSS!を紹介します。ネコ好きが高じて脊髄反射的に飛び込んだら、目がチカチカするようなポケモンフラッシュを背景に、意味不明なくらい理不尽な電流イライラ棒が待っていました。そんなサイケとネコとマゾゲーを凝縮して生まれた中毒性の塊のような作品です。

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 90年代にお茶の間を沸かしたバラエティ番組「ウッチャンナンチャンの炎のチャレンジャー これができたら100万円!!」を覚えている人なら誰でも知っているであろう悪魔のゲーム、イライラ棒シリーズ。その話題性から、後に玩具をはじめ、NINTENDO64やプレイステーションといった家庭用ゲーム機でも発売されました。また、SNKが開発した体感型のアーケード筐体や、MVS基板に収録されたトラックボール仕様のビデオゲーム版を、学校帰りやデートでプレイした人も多いのではないでしょうか。

背景のネコちゃんが癒やしてくれるからイライラしない
意味分からないレーザーが飛んできてもカワイイから許す

 本作を一言で表現するなら、まさにイライラ棒です。異なる点は、プレイヤーが操作するのが電極棒ではなくかわいいネコちゃんであること、コースフレームや障害物に触れても即時ゲームオーバーにはならず画面がバグっていく仕様、そして難易度がもはやイライラを通り越して笑うしかないくらいにクレイジーで不条理であること。序盤はただ壁に触れないようにドラッグするだけの簡単作業ですが、中盤以降はコースフレーム自体が常に気持ち悪い動きで変化していたり、切断されたネコの前足から血の光線みたいなものが飛んでいたり、とにかく何を言っているのか分からない挙動でプレイヤーを翻弄(ほんろう)します。

 ゲーム中で使用するのはマウスのみ。左クリックで子ネコをドラッグするだけなので、片手でプレイできます。また、各レベルの登場順はほぼランダムで、決して単調な覚え作業の連続でクリアできるわけではありません。さいわい制限時間はないので、コースの途中でマウスから手を離して一息ついたり、理不尽な障害物の動きを見極めたりすることが可能です。ワールドの最後にはボスが待ち構えていて、イライラ棒から激ヤバ弾幕系シューティングに早変わりします。

ダメージを受けすぎると画面がバグってくる
ボス戦は何をすればいいのか分からなくて頭もバグってくる

 こんなにも理不尽で意味不明なのに、一度ゲームをはじめてしまうと特にイライラすることもなく延々とプレイしていられます。それがネコ好きだからなのか、サイケデリックな演出と音楽によるサブリミナル効果なのか、それとも単純に生粋のマゾゲー愛好家の血をたぎらせる難易度がそうさせるのか、あるいはその全てなのか。それは分かりません。ただ、感覚的陶酔の中に刹那の癒やしを見いだせることは間違いないでしょう。例えるなら、シーシャを吸いながらアルコール度数75パーセントのラムを流し込むような感覚です。そんな体験に興味があれば、定価999円でぶっ飛べます。光過敏性発作を起こしかねない激しい点滅の演出が含まれている点だけ、あらかじめご注意ください。

Ritsuko Kawai

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