伝説の作画はこうして生まれた 『MdN』10月号は“線にいのちが宿る”アニメ作画特集
線に命を宿す現役アニメーターたち。そのプロセスを詳細に解説。
デザインとグラフィックの総合情報誌月刊『MdN』(エムディエヌコーポレーション)の10月号(9月6日発売)に「線にいのちが宿る奇跡のプロセス アニメの作画」の特集が掲載されます。線と色によってかたちづくられる絵。その絵がいかにアニメーションとなって動き、視聴者を魅了するか。その過程を、現役アニメーターたちがつまびらかにしていきます。
「作画」という言葉も一般的になっています。しかし、アニメ作品が出来上がるまでに、具体的にどのような過程を経て作画を完成させていくか、そこまでは知らない人がほとんどではないでしょうか。そこで、現在第一線で活躍しているアニメーターたちの語りを通して、これまで言語化するのが難しかったアニメの作画のさまざまな魅力を明かしていくのが今回の特集です。
「日常芝居」を語る江畑諒真氏は、「天体のメソッド」「Dimension W」などに参加。誰もが目にする日常の所作だけに、いいかげんな作画は許されないという氏のこだわりが垣間見えます。
「アクション」を語る温泉中也氏は、「Fate/Apocrypha」「グランクレスト戦記」などに参加。絵コンテからいかにアクションシーンを再構築するか、そして、客観視点と主観視点の切り替えによって視聴者の感情移入を高める技法も語ります。
「少女の仕草」を語るちな氏は、「ヤマノススメ サードシーズン」などに参加。テンプレートにのっとった少女らしさを踏まえつつ、細かななしぐさやキャラクター性を大切にする芝居も重要。
「メタモルフォーゼ」を語る大島塔也氏は、「龍の歯医者」などに参加。定まったフォルムを持たない不定形キャラの作画は、アニメの醍醐味のひとつ。カッコいいメタモルシーンを描くポイントを語ります。
「インパクト」を語る五十嵐海氏は、「リトルウィッチアカデミア」などに参加。視聴者をハッとさせるインパクトは、作品の大事な要素。インパクトある作画制作の根源は「インパクト……それは空気を読む力が欠けているということかもしれません(笑)」とは五十嵐氏の弁。
そして、「伝説の作画回が生まれた理由」と題して、伍柏諭氏へのインタビュー記事も。「伝説」とは、2017年12月に放送された「Fate/Apocrypha」の第22話「再会と別離」のこと。伍氏はこの回において、絵コンテ・演出をはじめ、さまざまなセクションを兼任しキーマンとなりました。その伍氏が、22話の制作経緯を語ります。
キャラクターたちによる派手なアクション、あるいは心情をさりげなくあらわす繊細な演出、さらには迫力あるエフェクト表現など、アニメならではの映像の魅力。これらを創り出す人々は、どんなこだわりを持ち、その脳内にどんな絵が見えているのでしょうか。
こうした、いわば匠の技法的な内容は、アニメ制作に興味のある人はもちろん、クリエイティブ系に関わる多くの人たちにとっても、関心が持たれるところです。
(クラタマスミ)
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