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北海道地震被災者のレポ漫画がためになる 「ラジオとSNSが救いに」「モバイルバッテリーはいっぱい用意」(2/2 ページ)

道具や食料を備蓄する大切さがあらためてよく分かります。

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 昼寝から目覚めてしばらく経った16時ごろ、電波が復旧。近所に住む兄から、宅配ボックスに食料を届けたとのメッセージが遅れてやって来ました。おかげで、買い置きと合わせて食料は十分に確保。あきのさんは水も調達しなければと、町の給水所へ行くことにしました。飲用だけでなく、トイレを流すときなど、何かと必要になりますからね。

町内会から配布されていた、災害時用の飲料水パックが役立つことに

 町は普段と変わらないようでいて、相乗りを求める人がいたり、止まった信号の代わりに警察官が交通整理をしていたりと、やはり普通でない様子。給水所も水を求める人でいっぱいです。水を背負って帰途に就くと、いとこから「電気が復旧した」「じいちゃんが入院している病院は自家発電で無事」などの朗報が。普段は遠くてなかなかコミュニケーションがとれない親戚とも情報交換ができて、あきのさんは「あらためてTwitterやLINEのある時代で良かった」と感謝しています。

道中には断水していない地域もあり、複雑な気分に

 帰宅後、あきのさん宅の電気はまだ復旧していませんでしたが、ガスは使えました。止まった冷凍庫の中で自然解凍された豚肉とエビでミルク鍋を作り、ラジオを聞きながら晩ご飯です。「『星がきれい』というメールをいくつかいただいています。大変なときですが、そんな風に思える北海道のみなさんの強さに感動しました!」と語るDJがかけた曲は、BUMP OF CHICKENの「天体観測」。あまりにもピッタリな選曲に、あきのさんは道民のたくましさを実感するのでした。

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 「9月7日の朝には3分の1の地域で電気復旧の見込み」と聞き、その3分の1に入っていることを期待して就寝したあきのさんでしたが、願いはかないませんでした。モバイルバッテリーも消耗していたので、ネットで知った給電を提供してくれるお店を目指して外出します。すると道中にセイコーマートが。多くの店舗が車から電力を供給して営業していた同店では(関連記事)、電池や保存食こそほぼ品切れだったものの、生活雑貨や飲み物、アイスまで販売していて助かったといいます。

 たどり着いたお店は、電源タップが大量に用意されたオフィス的な空間でした。電源を確保できる安心感に包まれたあきのさんは、充電待ちの間にネームを切るなど、若干の日常を取り戻します。それはほかの利用者も同様のようで、なかには「星空がきれいだった」「ヘリに空撮されたのがテレビに映っていたらしくて恥ずかしかった」などと談笑する人も。この店での給電は、地域の助けになればという店長の判断によるもの。ほかにも、水や食料などを無料で提供してくれた店がたくさんあったそうです。

 大変ななかでも営業してくれていた銭湯で、あきのさんがサッパリしていたところ、電気が復旧していた兄から「家に夕飯食べにくるか?」とお誘いが。家族の心強さを痛感していると、あきのさん宅の電気と水道も復旧しました。歓喜しつつ約束通り兄夫婦と食事し、電気も水もある自宅へ帰宅。日常を取り戻したあきのさんは、充電を気にせずにFGOで遊びまくるのでした。

 のちに、「あらためて防災準備をし直そうと思います」と語ったあきのさん。今回は比較的無事に事態を乗り切れたとはいえ、親戚や地域の協力、幸運に恵まれた結果ともいえます。読者として、漫画で描かれたなかで何が有効だったかをふまえ、備えておくことが大事だと感じました。

作品提供:あきの実さん(@hiroakino

(沓澤真二)

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