背景を描けなかった人が「“あること”を諦めたら描けるようになった話」に共感集まる 「分かる!!!」「勇気付けられた」
こうして私は“楽しく世界をつくる力”を手にいれた。
間違ったパース、よれよれの線、一度で決まらない色……。「背景」を描く作業に苦手意識を感じていた作者が、自由に世界を創造できるようになるまでの過程をつづった実体験漫画がTwitterで共感を集めています。
作者はゲーム開発者の号(@5_GameDevs)さん。制作中のSFアドベンチャー「I:ROBOT」の背景に使えそうな素材を探すも、イメージに合うものが見つからず、一念発起して自分で描くことを決意します。
しかし、昔から絵を描くのが苦手で、特に背景は「色々ヤバかったがその中でも最たるもの」だったという号さん。そもそも線画や色塗り以前に「風景を紙に描き起こすことが全然できない」、好きなイラストレーターさんを見習ってフォトショップで描いてみるも「ラフの時点で絶望感がやばい」……。悪戦苦闘しますが、結局、とてもゲームに使えるようなイラストは描けませんでした。
特に号さんを苦しめたのが「構図」で、なんとか描けたのは「どまんなか消失点」か「消失点なし」の2種類だけ。難しい構図になると、「ゆるやかなカーブとかどうやって描くんだよ!」「画面外に消失点おくの分からないよ!」――と、手も足も出なかったそうです。
しかし、諦めずにいろいろ模索していく中で、「アイレベル(カメラの高さ)」を意識することで空間を正確に描くことを学んだり、クリップスタジオの「パース定規」を活用することで、二点透視・三点透視も正確に描けるようになったりと、線画の正確さは次第にレベルアップしていきます。ところがここで、再び大きな壁が現れました。
線画が正確になればなるほど、塗りにも正確さが求められます。少しのミスが大きな違和感を生んでしまうかもしれない。線画をはみ出すのが怖い、正確に塗れない気がして怖い……。完璧に描こうと思えば思うほど、号さんは恐怖に縛られていきました。「失敗したら全部がパーだ」「きっちり隅々までちゃんと綺麗に描かないと」……。
結局、号さんはこの壁を乗り越えることを諦めました。正確なものは手に入らなくても、そこには失敗する恐怖もない。代わりに号さんが得たのは、線を自由に引く楽しさでした。「どうせいびつならカッコ良くいびつになれば良い」――。そうやって描いた背景は、今まで描いた中で一番「生きていた」といいます。
号さんが描いた背景は、インディーゲームチーム「AZ WORKS」の公式サイトで見ることができます。Twitterでは、号さんの選択に共感する声や、「勇気付けられた」という感謝の声が寄せられました。
号さんが背景を描き、また監督や脚本も担当しているPCゲーム「I:ROBOT」は2019年配信予定。どこか牧歌的な温かみと、男心をくすぐるサイバーな雰囲気が同居した本作は、まさしく号さんの自由な発想でしか生み出せなかった世界でしょう。現在は体験版(Windows&Mac)がダウンロード可能です。
画像提供:号 | 三善さん
関連記事
「どんな絵にも描いた奴の努力は出る!」 東京五輪マスコットを描いた元“専門学校の先生”のエピソードに反響
東京五輪のマスコットキャラクターをデザインした谷口亮さんとの思い出が描かれています。ラフ絵を気軽にアップしよう! 落書きを投稿するサービス「かべうちβ版」がサービス開始
7月に話題になったクリエーターとファンを繋ぐ新たなサービスです。イクラそのものだコレ!「10分で描けるいくらの描き方」が実写クオリティーですごい
本物と見分けがつかない。「5分で描ける畳の描き方」が分かりやすくてスゴイ! これで誰でも畳職人!?
こんな簡単に描けちゃうなんて!梅や桜、ボタンにバラ―― 花を描くコツをまとめた図説が参考になると話題に
注力すべきポイントは花によりますが、どれも台座や花心の位置を最初に決めるのが大切のようです。色鉛筆で描いた「ユキヒョウ」が美しい 16歳の高校生が命を吹き込んだ絵に「言葉にならない」と感動の声
生命の美しさとかっこよさを感じる色鉛筆画です。トレンド入りした爆発的流行中の「クッパ姫」とは? 新アイテムでクッパが女体化した二次創作キャラが萌える
クッパの萌え属性が多すぎる。すぐに描けそう! 海外アニメ“カートゥーン”調のイラストの描き方が「分かりやすい」「参考になる」と話題に
編集部もカートゥーン調のITちゃんを描いてみました!
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.