「ロシアンルーレットパン」はなぜ生まれたかファミマに聞いた 「わさびパンの位置は完全ランダム」
ヒントになったのは駄菓子屋のガムでした。
2018年10月9日にファミリーマートから「パンでロシアンルーレット(税込398円)」が発売されました。チョコクリームパン4個、クリームパン4個、わさびタルタルパン1個を合わせたパンで、既に大きな注目を集めています(関連記事)。
大手コンビニのファミリーマートが発売したことで驚きをもって迎えられたこのパン、果たしてどんな意図で考案され、製造・販売にまで至ったのでしょうか。その謎を解き明かすため、同社の商品・物流・品質管理本部デリカ食品部パン・半生グループの藤橋さやかさんにお話を聞きました。
ヒントは駄菓子屋のガム
――なぜ「ロシアンルーレットパン」を作ろうと思ったのですか?
ハロウィーンを盛り上げる商品ということで、通常はできないパンを作ろうと。駄菓子屋さんにある、1つだけ酸っぱいガムが入っているフーセンガムなどをイメージして、パーティーで盛り上がれるゲーム性のある商品を目指しました。
――開発にあたって苦労した点、こだわった点は?
一つ一つ包餡(あん)したパン生地を9玉つなげているので、ちぎっても中身は分からないように工夫しています。なお工場で生産する際に、チョコクリーム4個、クリーム4個、わさびタルタルを1個を必ず入れるオペレーションを考えるのに苦労しました。商品の規格は統一し、偏りがないように試行錯誤しました。
開発当初は激辛のものやまずいものも候補に挙がっておりましたが、やはりおいしさを優先し、「わさびタルタル」にしました。不意に食べるとびっくりするかもしれませんが、食べ進めると、意外と(?)おいしく食べられます。
「試作段階から、みんなで食べて開発した」
――ハズレの場所は完全ランダムですか?
何度も楽しんでいただけるよう、わさびタルタルの場所は完全なランダムです。
――わさびの「辛さ」はどれくらいを目指しましたか?
ロシアンルーレットですから、「わさびタルタル」を食べたときのインパクトが必要となります。“想定していた味との乖離による驚き・不安感”と“辛さの刺激”により、食べた方が甘い味付けの菓子パンとは違うことをしっかりと認識していただける味付けにしました。しかし、惣菜パンであると認識した上で食べていただければ、おいしく(?)食べることができる味としました。
――実際に食べたり遊んだりした感想はいかがですか?
製品の試作段階から実際に数人で食べながら、お客様の気持ちになって開発いたしました。何回買っても飽きの来ない商品に仕上がったのではないかと思っております。
――消費者からの反響はどうでしたか
発売前より、非常に多くの方からSNSで反響がございました。代表的なご意見は下記となります。
- ハロウィーンやパーティーにオススメ
- 家族や友達・同僚と複数人でロシアンルーレットを試した
- 一人で試した(一人でも楽しかった)
- もっと、刺激が強くても良かった
- 「わさびタルタル」以外の味のご提案
- こんな規格のパンは今まで初めてだ
この度はさまざまなご意見をいただいておりますので、今後に生かしていきたいと考えております。
ほかのチョコクリームパンやクリームパンもしっかりとした味の「パンでロシアンルーレット」。家に集まる友だちはいなくとも、ひとりで食べてみるのも一興かもしれません。
(辰井裕紀)
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