色覚障害の子でも見やすいように作られた「アイチョーク」話題 開発した日本理化学工業に話を聞いた
2003年ごろから販売している「アイチョーク」。少しずつ広まっているようです。
先ごろにTwitterに投稿された、「視力の弱い生徒にも見やすいチョーク」が注目を集めています。開発したのはチョークを長年作り続けている日本理化学工業。一体いつから、そしてどのような商品なのか、話を聞いてみました。
今回話題になった「視力の弱い生徒にも見やすいチョーク」の商品名は、「ダストレスeyeチョーク」(以下、「アイチョーク」)。「カラーユニバーサルデザイン機構 (CUDO)」の定める、「カラーユニバーサルデザイン」(CUD)企画認証製品です。
「CUD」は、色覚障害のある人でも見分けやすいよう配慮された配色のこと。色覚障害の有無や年齢、性別、国籍、個人の差にかかわらず、できるだけ多くの人が利用しやすく設計されているものに認証が与えられます。
そんな認証をチョークではじめて受けたというのが、今回の「アイチョーク」となります。「視力の弱い生徒にも見やすい色に」という先生からの要望で作られたというこの商品、日本理化学工業に製品について話を聞きました。
―― 日本理化学工業では、いつ頃からチョーク商品を製造していますか。
日本理化学工業:会社設立の1937年2月から製造しております。
―― 「アイチョーク」はいつ頃から販売されているものなのでしょうか。
日本理化学工業:2004年11月15日からです。全国の小学校で色覚検査が廃止された2003年の翌年となります。
―― 価格はいくらですか。
日本理化学工業:72本入りで1600円(税別)です。通常のチョークと同じです。白、朱赤、青、緑、黄の5色があります。
―― 従来のチョークとどのように見え方が違うのでしょうか。
日本理化学工業:従来のチョークは、人によっては5色が2色程度に見えてしまう場合もあったそうです。アイチョークは、そういった方でも5色の見分けがつきやすくなります。
―― 利用者からの評判はいかがですか。
日本理化学工業:2005年度より国内で最初の入札指定品目となっております。埼玉県川越市内(公立小・中学55校)から始まり、以後は主に埼玉・大阪・千葉等の地域で入札指定品目になっております。
―― 従来のチョークとアイチョークを両方製造されているようですが、これはなぜですか。
日本理化学工業:全国的には、まだ通常のチョークの方が多く利用されているためです。しかし、年々アイチョークが利用されるケースも増えてきており、アイチョークを指定されている市町村も一部であります
色覚障害と「CUD」の問題は国会でも取り上げられるなどしており、世相の流れとして広まりつつあるようです。
実は筆者も軽い色覚障害があるのですが、学生時代一部のチョークの色が少し見づらかった記憶があります。アイチョークを始め、“色”で不便を感じる人が減っていくことを願いたいところです。
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