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「猫=魚が好き」なのは日本だけ?

大事にしてあげたい、猫ちゃんの気持ち。

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 「お魚くわえたドラ猫」を追いかける展開から始まる歌がありますよね。みんなもお日様も笑ってる、陽気なシチュエーションです。


今にも魚を持っていってしまいそうな猫

 さて、国民的アニメの主題歌の歌詞にもなるように「猫は魚が好き」というイメージは、広く持たれていると思います。

 しかし、猫がおそるおそる水に足をのばして結果的に驚く、みたいな動画をよく見かけるほど「猫は水が嫌い」のはず。野生の猫であれば、水嫌いで魚を自力で獲れず、食べることもそうそうないのでは?

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 「なぜ猫は魚が好きというイメージが定着したのか」そのルーツを探ってみましょう。

答えは「仏教」にあった

 動物と一緒に暮らしていれば、自然とその動物の生活も人間の生活に似てくるものですよね。

 日本の仏教では原則肉を食べることが禁じられており、これは「五戒」の一つ「不殺生戒(生命を殺すことを禁じること)」という教えからきています。


女性・男性を問わず、在家の信者が守るべきとされています

 精進料理は肉類を使わず野菜や海藻などを材料としていますが、これは仏教のこの思想からきています。そのため、仏教が主流であった江戸時代までの日本では、基本的に獣肉は食べず、魚を主なタンパク源としていました。

 人間にかわいがられた猫は、必然的に肉よりも人間の食べた魚のおこぼれをもらって食べることが多くなり、「猫=魚」というイメージがついたのではないかといわれています。

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そもそも猫を飼うようになったのはいつ?

 現在ペットとして飼われている猫のルーツは、リビアヤマネコだと考えられています。最初に猫を家畜としたのは古代エジプト人です。

 リビアやエジプトといえば砂漠。水なんかありませんね。ですから猫はもともとネズミなどの小動物を生で食べることで栄養を摂取していました。そういえば「猫はネズミが好き」というイメージもありますね。日本に猫が輸入されたのも、もともとは大事な書籍などをネズミから守るためだったといわれています。

 ところが、江戸時代になると浮世絵師・歌川国芳が「猫が魚を食べている様子」を描くといったように「猫=魚」のイメージが形成されていることが分かります。


画:歌川国芳『其のまま地口 猫飼好五十三疋』

海外では大体肉

 欧米では「猫=魚」のイメージはこれといってありません。それどころか、普通肉を好むものとして認識されています。例えばキャットフードは日本のものの多くは原料が魚である一方で、海外のものは牛肉や鶏肉などを原料としていることが多いです。

 「猫が魚を食べる」シチュエーションが一般的なのは、日本の文化が根強く残っていることが、より分かりますね。

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おわりに

 猫はもともと小動物の生肉を食べる生き物であり、欧米でも肉を食べるものとして認識されています。

 江戸時代までの日本では仏教の影響で獣肉を食べず主に魚を食べていたため、その影響で猫も魚をたくさん食べることになり「猫は魚が好き」というイメージが定着したといえます。

 もちろん「肉より魚の方が好き!」という猫もいるかとは思います。それぞれの猫の好みと健康に合わせた食生活をさせてあげたいものです。

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